ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
(1)10/11のドル円上昇の影響:NYマーケットクローズ直前の英国金融不安再燃によるリスクオフがまた市場の注目材料。本日、東京マーケットはこのリスクオフ消化でドル買い円買い交錯展開になると考えます。ドル買いがやや強く、ドル円は上昇か。
(2)政府・日銀為替介入懸念(③-3):9/22の為替介入水準到達。しかしながら、現在のドル円上昇はファンダメンタルズに沿った動きであることから、急激に2円以上動くようなことがなければ為替介入はしにくいと推測。とは言え、為替介入警戒が高まるのは間違いない。もし、警戒感や実介入で大きな下落が発生すれば押し目買いを狙いたい。
(3)米国経済指標:特に、米国生産者物価指数(PPI)と米国FOMC議事要旨。しかし、市場の注目は10/13の米国消費者物価指数(CPI)となっていいるため、上記指標ではドル円の反応薄かもしれません。
(4)FRB当局者の発言:タカ派発言(②-1)でドル円上昇の後押しになると想定。
(5)ウクライナ情勢:ウクライナ・ロシアの報復合戦で急速な情勢悪化。強い地政学リスクが生じれば一時的に大きなドル円下落する可能性があるため、報道や要人発言に注意したい。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:08 要人発言(Bloomberg)
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)
「インフレは減速していない」
「更にインフレ対策が必要」
「実質金利がプラスを達成するまで利上げ継続が必要」
【考察】タカ派発言でドル円上昇。
8:50 経済指標(日本経済新聞)
日本機械受注8月度
前月比:前回5.3%、予想-2.7%、結果-5.8%(✕)
前年比:前回12.8%、予想9.5%、結果9.7%(○)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:54 要人発言
鈴木財務相
「必要な措置取るという考えは変わらない」
「重要なのは為替変動の速度、どこに来たらとかそういうことではない」
【考察】 円安牽制発言。代り映えのない口先だけで水準に言及なかったことでドル円上昇。
10:02 要人発言(Bloomberg)
米国バイデン大統領
「非常に浅い景気後退の可能性がある」
「米国経済は嵐を乗り越える回復力がある」
11:07 要人発言
松野官房長官
「為替動向、高い緊張感をもって注視」
「過度な為替変動の際、適切に対応する」
【考察】 円安牽制発言
欧州マーケット(16:00~25:00)
20:00 経済指標
米国MBA住宅ローン申請指数:住宅販売数件数や住宅着工件数の先行指標
前週比:前回-14.2%、結果-2.0%(◎)
21:14 要人発言(Bloomberg)
黒田日銀総裁
「物価安定の目標を達成するために金融緩和を継続する」
「安定した物価上昇は賃金上昇を伴う必要」
「賃金上昇しているが、物価目標2%未達」
「欧米とはインフレに大きな違いがある」
「円安は全体的に良い影響を与えているが、円安に苦しむセクターもある」
【考察】 ドル円上昇中でのハト派発言で上昇後押し。
21:30 経済指標(Bloomberg)
米国生産者物価指数(PPI)9月度
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回-0.1%(改定-0.2)、予想0.1%、結果0.4%(◎)
前年比:前回8.7%、予想8.4%、結果8.5%(○)
コア前月比:前回0.4%(改定0.3)、予想0.2%、結果0.3%(○)
コア前年比:前回7.3%(改定7.2)、予想7.3%、結果7.2%(△)
【考察】
発表前:1H足上昇チャネル中、15M足上昇チャネル形成。直前の黒田日銀総裁の金融緩和継続発言でドル円上昇加速中。
発表後:総じて強い数値。15M足チャネル上限まで一気に上昇。しかし、直上のラウンドナンバー147.000付近で利確が入ったためか上昇続かず。
21:55 要人発言(Reuters)
米国アデエモ財務副長官
「世界中のインフレが高すぎる」
「インフレ抑制にもっとやるべきことがある」
「健全な労働市場に向かって前進している」
【考察】タカ派発言でドル円上昇継続。
NYマーケット(22:30~29:00)
22:46 要人発言
米国エバンス・シカゴ連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「失業者が増えても利上げを継続する」
【考察】タカ派発言でドル円上昇。
23:27 要人発言(Bloomberg)
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)
「0.75%利上げは非常に積極的な行動」
「ドルの強さは金融政策と経済見通しを反映している」
「ドル高で米国のインフレが低下」
「住宅市場が低迷しても大きな暴落は起きない」
「堅調な労働市場は景気後退がないことを示す」
【考察】タカ派発言でドル円上昇。
26:00 経済指標
米国10年債入札
「入札好調→利回り低下→ドル売り材料」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い材料」
最高落札利回り:前回3.330%、結果3.930%(◎)
【考察】入札好調でドル円下落。
27:00 要人発言(Bloomberg)
米国FOMC議事要旨9月度
「幾人かはリスク軽減のために引き締めを調整する必要があると指摘」
「ある時点で利上げペースを減速する」
「容認できないほど高いインフレを懸念」
「景気抑制的な金利到達を支持」
「インフレ低下の証拠はほとんど見られない」
「インフレ抑制のために労働市場の鈍化が必要」
「少なすぎる対処は、やり過ぎよりも代償が大きい」
【考察】想定通りタカ派内容。しかし、「利上げペース調整の指摘」がハト的であったことと、147円直前まで上昇していたことでSell the factでドル円下落。
29:04 要人発言(Bloomberg)
米国イエレン財務長官
「世界経済は大きな逆風に直面するも、米国経済は回復力を維持」
「米国政策が世界に及ぼす影響に注意を払う」
「米国はドルの地位を重視」
「米国債の適切な流動性が失われることを懸念」
【考察】前日のアメリカファースト発言がやや後退ですがドル高容認変わらず。
東京マーケット:前日のNYマーケットクローズ前のドル円上昇を引き継いでスタートしたものの、146円台は為替介入警戒感強く、円安牽制発言もあり緩やかにドル円下落。
欧米マーケット:円安牽制発言は欧州では効果なく円売りでドル円上昇。黒田日銀総裁の金融緩和継続発言と米国生産者物価指数の強い数値でドル円上昇継続。しかし、147円手前で利確も増え、FOMC議事要旨タカ派だったものの、一部のハト派的文言が意識されたためか、単にSell the factの為か、一時的にドル円下落。直ぐに全戻しの上昇。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- GBP(リスクオン通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):
- USD(基軸通貨):米国生産者物価指数の強い数値で買い。FRB当局者のタカ派発言で買い。
- EUR(リスクオン通貨):欧州リセッション懸念で売り。ECB当局者のタカ派発言で買い。
- CHF(リスクオフ通貨):
- CAD(資源国リスクオン通貨):原油先物価格低下で売り。
- JPY(リスクオフ通貨):政府・日銀の為替介入警戒で買い。黒田日銀総裁の金融緩和継続発言で売り。
米国債イールドカーブ
10/12(水)は10/11(火)に対してブル(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差同等)でドル売り優勢。つまり、ドル円上昇は強い円売り主導のよう。
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:9月大陽線で引け。ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。一旦の上限は147.222付近と推測。
- 週足:陽線形成中。上昇トレンド継続。
- 日足:10/11陽線。上昇トレンド継続。
- 4H足:レンジブレイクで上昇トレンド。
- 1H足:レンジブレイクで上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス145.865上抜け→レジサポ→目標週足レジスタンス146.256。
②ショート
(B)4H足サポート145.436下抜け→レジサポ→目標1H足サポート145.138。
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー
トレード1
・145.865上抜け→レジサポ→一気に上抜けたため大きな戻しを想定→(A)ロング→T/P到達→(A)ロング成立
ロング:145.932
T/P:146.258
獲得pips:+32.6
10月通算:1勝2敗、勝率33.3%、平均RR2.04
10月獲得pips:+4.6
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