2022年2月2日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. 前日NYマーケットの流れ引継ぎ
米国主要3指数は、1/26FOMCが無事通過したこと、米国企業決算が総じて良好なこと、FRB金融引き締めが織り込まれたと考えらえ、3日連続で強い上昇を示しました。

一方、米国債利回り2年,10年は上昇一服したことで、円を含めて他通貨よりドル売りで大きくドル円下落しました。

「米国主要3指数上昇継続→日経平均株価上昇引継ぎ→円売り」、「米国債利回り2年,10年上昇一服継続→ドル売り」、「ドル売り円売り」となればドル円は動きにくいと想定されます。あとは、通貨強弱でドルと円を比較して、強い方向を考えるしかなさそうです。

2. 注目経済指標
米国ADP雇用者数
米国雇用統計の先行指標として重要視されていますが、最近は米国雇用統計との乖離が大きく指標の信頼性に欠けています。
そのためか、今回は予想大きく修正をされており、米国雇用統計11月度や12月度の結果に近い数値です。予想値の精度が上がったと仮定すれば、前回かつ予想より良ければドル買い、悪ければドル売りになりやすいと考えます。

3.ウクライナ情勢緊迫化
1/31の国連安全保障理事会で、ロシアは中国と共に公開での討議を阻止しようとしましたが、採決により公開が決定。
2/1にロシアのラブロフ外相とブリンケン米国務長官の電話会談も事態の打開に至りませんでした(2/1, Bloomberg)
バイデン政権は着々と対ロシア制裁案を協議しており予断を許しません(1/29,Bloomberg)
引き続き「地政学リスク→強い円買い→ドル円下落」の可能性に注意すべきと判断します。

マーケットの動き

東京マーケット前
7:00 取引開始時間
・ドル円:114.650でギャップダウンスタート。しかし、直ぐに上昇して窓埋め。上昇継続と推測。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円:114.737
・日経平均:ギャップアップスタート。想定通り、米国主要3指数上昇継続継続。

9:55 仲値
・ドル円:114.688

15:00 クローズ
・ドル円:114.756

欧州マーケット(17:00~1:30)

17:00 オープン
・ドル円:114.629

21:00 経済指標
米国MBA住宅ローン申請件数:前回-7.1%、予想-、結果12.0%(◎)
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

【見通し】前回は2021年11月以来の低い数値でサプライズでしたが、若干ドル売りになった程度でした。注目度が高い指標ではないため確認のみ。

22:15 経済指標
米国ADP雇用者数1月度:前回80.7万人、予想18.0万人、結果-30.1万人(✕)

【見通し】
米国雇用統計の先行指標として重要視されていますが、最近は米国雇用統計との乖離が大きく指標の信頼性に欠けています。
そのためか、今回は予想大きく修正をされており、米国雇用統計11月度や12月度の結果に近い数値です。予想値の精度が上がったと仮定すれば、前回かつ予想より良ければドル買い、悪ければドル売りにないやすいと考えます。

【考察】
サプライズの弱い数値。前日から金融当局者が米国雇用統計が悪いと発言したが、それを裏付ける数値。2/4米国雇用統計も悪い可能性が高まったと言えそう。
よって、初動からドル円急落するかと思いましたが、発表直後に下落したものの、直ぐに反発上昇。指標発表前までにドル円下落していましたが、これは金融当局者の雇用悪化発言を受けての織り込み売りだったよう。そのため、Buy the factになったと推測します(後付け)。

「米国債利回り2年,10年急騰→ドル買い」、「ダウ先物下落→円売り」、「ドル買い円売り」でドル円上昇

NYマーケット(23:30~6:00)

23:30 オープン
・ドル円:114.337
・米国主要3指数:上昇スタート。
「米国債利回り2年,10年下落→ドル売り」、「米国株価指数上昇→円売りでなく円買い→クロスん下落」、「ドル売り円買い」→ドル円下落

0:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回237.7万バレル、予想180.0万バレル、結果-104.7万バレル(×)
ガソリン在庫:前回129.7万バレル、予想200.0万バレル、結果211.9万バレル(◎)

1:30 欧州クローズ
・ドル円:114.347

6:00 NYクローズ
・ドル円:114.457
・米国主要3指数:4日続伸

6:05 米国主要企業2021年第4四半期決算発表
メタ
売上高:予想334.3億ドル、結果336.7億ドル(〇)
EPS:予想3.84ドル、結果3.67ドル(×)
時間外株価18%下落

総じて決算が悪く、株先物(ダウ、日経)急落。2/3の日経平均株価へのマイナス材料

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. GBP(リスクオン通貨):前日4位→2/3英中銀金融政策発表で金融引き締め期待
  2. EUR(リスクオン通貨):前日6位→2/3ECB金融政策発表で金融引き締め期待
  3. CHF(リスクオフ通貨):前日3位
  4. JPY(リスクオフ通貨):前日5位
  5. AUD(資源国リスクオン通貨):前日2位
  6. CAD(資源国リスクオン通貨):前日7位
  7. NZD(資源国リスクオン通貨):前日1位
  8. USD(基軸通貨):前日8位(2日連続最下位)

特徴的なのは、
2/3の英中銀・ECB金融政策期待でポンドとユーロ買い優勢

米国債イールドカーブ

  • 2/2(水)は2/1(火)に対して、全体的にイールドカーブ低下かつ長短利回り差縮小(0.63→0.62)していることから、ブル・フラットニングとなりました。景気減速や金融引き締め後退示唆しており、ドル売り材料と考えられます。
  • 2022/1/26FOMCに対して、2/2はツイストフラットニング(短期金利上昇、長期金利が低下しながらフラット化)しており、将来の景気減速や金融緩和が想定されます。

材料まとめ

ドル買い材料

  • 金融政策
    • FOMC(1/26):政策金利据え置き、但し、金融引き締めに前向きな見解(3月テーパリング終了確定、3月利上げほぼ確実)。市場では3月0.5%利上げ観測や年内利上げ5回以上予想見られる。
    • 日米金利差拡大:米国は金融引き締め、日本は金融緩和継続
  • 政治、経済
    • 暖房用と米経済回復による原油需要拡大→需要ひっ迫警戒感→原油価格上昇→インフレ高進懸念→米利上げ織り込み
    • エネルギー需要増&供給不足、労働賃金上昇→利上げ観測前進
    • 米国雇用統計(1/7):失業率(ほぼ完全雇用)と平均時給が良好。→インフレ懸念
    • 米企業決算総じて良好
    • 米国GDP第4四半期(1/27):良好
  • 要人発言
    • パウエルFRB議長会見(1/26):「利上げとバランスシート縮小可能」「毎回のFOMC会合で、利上げする可能性を排除しない」「金利を引き上げる余地はかなりある」→タカ派発言
  • 新型コロナ
    • オミクロン株はデルタ株に比べて重症化事例が少ない→経済活動回復期待
  • 地政学リスク
    • ウクライナへロシア侵攻すれば米国制裁→ロシア産原油のドル建て決済不可→原油先物価格上昇→インフレ加速

ドル売り材料

  • 政治、経済
    • 米国貿易赤字が過去最大規模
    • 世界経済が回復する中、欧州株、アジア新興市場株や債券、資源国通貨、金や銀に資産を移すべきとのマネーマネージャーが増えているとの報道(1/13, Bloomberg)
    • 気候変動・社会保障関連歳出法案:マンチン上院議院反対で採決先送り
    • 中国春節の7連休(1/31~2/6):中国国内での消費のためにドル保有投資家や企業がドルを人民元に両替。中国の経済規模は大きいたドル売り人民元買いの影響が大きいと推測。高インフレに伴うバイデン政権支持率低下
    • 米国ADP雇用者数(2/2):サプライズの弱い数値
  • 新型コロナ
    • 米国内のワクチン接種率向上しない、マスクをしない人も多い→感染拡大で人員不足
  • 地政学リスク
    • 台湾情勢を巡る米中関係悪化
    • ウクライナ情勢を巡る露・欧米関係の緊迫化:
      • ロシア、米国、NATOの協議不調。
      • ロシア制裁でドル決済が使えなくなったら、ロシアはドル売り中国人民元買いの可能性

円買い材料

  • 金融政策
    • 日銀、量的緩和じわり修正 国債保有残高13年ぶり減少(1/5, 日経新聞):弱いながらも実質的なテーパリング。
  • 政治、経済
    • 長期金利が一時0.185%(2016年1月以来):2/1から大手銀行5行が10年固定の住宅ローン基準金利を0.05~0.10%引き上げ。
  • 要人発言
    • 岸田首相発言「新しい資本主義」:投資家軽視→リスクオフ株価下落
  • 地政学リスク
    • 台湾情勢を巡る米中関係
    • ウクライナ情勢を巡る露・欧米関係の緊迫化
    • 北朝鮮の軍事行動:ミサイル発射は1月に7回
  • IMM通貨先物
    • 1/25時点、円ショート縮小(ネット-80,879→-68,273、前週比+12,606)

円売り材料

  • 金融政策
    • 2021.12.17 に引き続き、2022.1.18日銀金融政策決定会合で、政策金利-0.1%維持、金融緩和継続、必要なら追加緩和方針。
    • 日本以外でテーパリングや利上げ実施する国が増加→円を売って海外通貨買って利回りが良い海外国債などに投資した方が良い。
  • 要人発言
    • 日銀黒田総裁(1/18):「利上げや緩和的な政策変える必要ないし議論もない」
  • 政治、経済
    • 原油など資源価格高騰→輸入物価上昇→資源輸入への支払い増→日本の経常収支悪化
  • 新型コロナ
    • 日本政府 「まん延防止等重点措置」 13都県に1/21から適用。期間は1月21日から2月13日の約3週間。27日に18都府県追加。合計34都道府県→日本経済停滞

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足:月足レンジ実体上限116.762までレートが離れていることと、トレンドラインを下抜けていないため、この十字線は転換のサインではなく上昇継続の押し目の可能性が高いと推測します。
  • 週足: 陰線スタート。先週の大陽線に対して、約半値戻しの下落となったため、週足レベルで押し目買いが入ってくる可能性あり。
  • 日足: 陰線連続で下落勢い強いですが、サポート114.614到達。
    ダウ転換の形にも見えるため上目線と仮定すればエリオット波動3波目の強い上昇期待あり。
    反発上昇なら上値目処115.328。114.614下抜けなら下値目処113.868。
  • 4H足: ローソク足実体が短く方向性なし。トレンドライン上抜けなら上値目処は20MA付近115.183。114.614かつ200MA下抜けなら下値目処114.307。
  • 1H足: 三角持ち合い形成中。トレンドラインかつ20MA上抜けるなら上値目処115.183。114.614下抜けなら下値目処114.307、その下は113.868。
  • 15M足: 三角持ち合い形成中。戦略は1H足と同じ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足トレンドライン上抜け後、トレンドラインや20MAにピンバーなどに支えられればロング狙い。目標は4H足20MA付近かつ1H足Wトップネックライン115.183、オーバーシュートで115.328。

②ショート
(B) ロング(A)で115.183~115.328に達したら1H足Wトップネックラインにリテストした形となり戻り売り可能。Wトップ等で反発下落あればショート狙い。目標は114.614。
(C)1H足でCup&Handle形成中。4H足押し安値114.614抜けてトレンドラインにリテストすればショート狙い。目標は4H足押し安値114.308。
(D) 4H足押し安値114.308下抜けてレジサポすればショート狙い。目標は日足実体下限113.868。

日足がダウ転換を形成していますのでエリオット波動3波目の強い上昇期待があります。よってロング(A)優先して検討します。

【考察】
9:00 15M足トレンドライン上抜け後、20MA下ヒゲピンバーで反発。シナリオ(A)ロング可能と判断しました。しかし、目標115.183には全く届かず、114.785で頭打ちし失速。東京マーケット終了後、トレンドラインを下抜け、欧州オープン直後に114.614を下抜けてました。
日足がダウ転換の形に見えたために上昇の可能性は高いと推測しましたが失敗。エントリーしていたら確実に損切でした。

16:00 15M足かつ1H足トレンドライン下抜け。シナリオにありませんでしたが、この時点で、日足や4H足の強い下落に合流したと考えてショートはありでした。

17:00 114.614下抜けからシナリオ(C)ショートは目標114.308到達。タイミング良ければエントリーしたい流れでした。

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