ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
(1)11/16欧米マーケットのドル円影響:米国小売売上高の強い数値でドル円上昇、米国鉱工業生産指数の弱い数値で下落。FRB当局者のタカ派発言で上昇、ハト派発言で下落。
11/17も新たな材料が出るまで上下に振れる展開が続く見込み。
(2)米国経済指標(⑥):特に、米国住宅着工件数・住宅建築許可件数、米国フィラデルフィア連銀景況指数
(3)FRB要人発言(②)
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支10月度(日本経済新聞)
通関ベース貿易収支:前回-20940億円(改定-20943)、予想-16250億円、結果-21623億円(×)
通関ベース貿易収支(季調済):前回-20098億円(改定-20368)、予想-19520億円、結果-22992億円(×)
【考察】日本貿易赤字拡大→円売り材料→初動ドル円下落継続から上昇転換。
東京マーケット(9:00~15:00)
10:10 要人発言
黒田日銀総裁(参議院財政金融委員会)
「金融緩和継続し経済を支える」
「賃金上昇を伴う物価目標、時間がかかるとしても実現可能」
【考察】金融緩和継続の円売り材料→ドル円下げ止まり上昇転換。
11:42 要人発言
内田日銀理事
「金融刺激策終了の議論は時期尚早」
【考察】金融緩和継続の円売り材料→ドル円下げ止まり上昇転換。
欧州マーケット(17:00~25:30)
21:17 要人発言
岸田首相(日中首脳会談)(日本経済新聞)
「設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で加速することが重要」
「安全保障分野の意思疎通の強化で一致」
【考察】約3年ぶりの日中首脳会談で関係改善期待。ドル円上昇継続。
22:00 要人発言
米国ブラード・セントルイス連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)(Bloomberg)
「政策金利5-7%レンジを示唆」
「インフレ抑制のために追加利上げが必要」
「インフレ低下した場合、 2023 年のディスインフレを予想」
【考察】タカ派発言でドル円上昇
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数(Bloomberg)
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回22.5万件(改定22.6)、予想22.5万件、結果22.2万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回149.3万件(改定)、予想150.0万件、結果150.7万件(×)
22:30 経済指標
米国住宅着工件数10月度(Bloomberg)
住宅購入に伴い、家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目されます。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから、更に重要度が上がっています。
住宅着工件数:前回143.9万件(改定148.8)、予想141.0万件、結果142.5万件(○)
住宅着工前月比:前回-8.1%(改定-1.3)、予想-2.0%、結果-4.2%(△)
住宅建築許可件数:前回156.4万件(改定)、予想151.2万件、結果152.6万件(◎)
住宅建築許可前月比:前回1.4%(改定)、予想-3.3%、結果-2.4%(○)
22:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数11月度
米国ISM製造業購買担当者景気指数と相関性あるため注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
基準0、前回-8.7、予想-6.0、結果19.4(×)
22:45 要人発言
米国ブラード・セントルイス連銀総裁(2022年FOMC投票権あり)(Bloomberg)
「政策金利の最低水準は5.00-5.25%」
「金利上昇は住宅への影響が見られる」
「10月CPI指標は良いが、1つのデータに過ぎない」
「労働市場は堅調」
【考察】タカ派発言でドル円上昇
NYマーケット(23:30~30:00)
24:41 要人発言
米国ジェファーソンFRB理事(2022年FOMC投票権あり)(Reuters)
「長期的な成長を達成するには、低インフレが不可欠」
「高インフレは低所得世帯に大きな打撃を与える」
【考察】タカ派発言でドル円上昇
25:00 経済指標
米国カンザスシティ連銀製造業総合指数11月度
前回-7、予想-7.5、結果-6(◎)
27:51 要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2022年FOMC投票権なし)(Bloomberg)
「インフレ抑制するのがFRBの仕事」
「金利の高さは議論の余地がある」
「インフレ上昇が止まれば、利上げを止められる」
「2023年にインフレ低下する予測が正しいことを望む」
「利上げ停止時期を予想は難しい」
【考察】タカ派発言でドル円上昇
東京マーケット:日本貿易収支悪化・日銀要人ハト派発言の円売り、米国債利回り上昇のドル買いでドル円上昇。引けに掛けて、米国債利回り低下ドル売り(材料不明)が強く、全戻しのドル円下落。
欧米マーケット:欧州オープン序盤から株先物・株価指数急落リスクオフと米国債利回り上昇によりドル円急上昇、米国経済指標は強弱交錯したものの、FRB要人の相次ぐタカ派発言で上昇継続。欧州クローズ後はリスクオフ後退や米国債利回り低下でドル円下落からレンジ推移。140円台に乗って下げ止まり。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
- USD(基軸通貨):FRB当局者のタカ派発言で買い。
- EUR(リスクオン通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):
- JPY(リスクオフ通貨):日銀要人のハト派発言で売り。
- GBP(リスクオン通貨):英国財務省が来年のGDP見通しを大幅下方修正で売り。英国スナク政権が大規模な増税と歳出削減の財政改革計画を発表でリセッション懸念で売り。
- CHF(リスクオフ通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):中国での新型コロナ感染拡大→中国経済の影響を受けやすいため売り。
米国債イールドカーブ
11/17(木)は11/16(水)に対してベア(短期金上昇、長期金利上昇、長短金利差縮小)でドル買い優勢で、ドルインデックス上昇の動きと一致。
日足ドルインデックス:上長ヒゲ陽線。下降トレンドラインで反発していることから、サポート106.238下抜けて200MA付近サポート105.092まで下落継続見込み。
日足米国債2年利回り:陽線。下降トレンドライン上抜けて20MA到達。よって20MA上抜けかサポート4.335%下抜けの可能性が見えるまでレンジ推移と予想。
日足米国債10年利回り:陽線。下降トレンドラインかつレジスタンス3.819%に支えられており、3.624%に向かう可能性高い。
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:10月大陽線で引け。ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
- 週足:11/14週、十字線形成中。サポート138.38かつ20MA到達したことで戻しの上昇発生の可能性あり。
- 日足:11/16コマ足線。レンジ。
- 4H足:三角持ち合い。よって持ち合い抜けまで静観。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足三角持ち合いかつ1H足レジスタンス139.776上抜け→レジサポ→目標4H足レジスタンス140.468
②ショート
(B)1H足三角持ち合いかつ1H足サポート139.290下抜け→レジサポ→目標1H足サポート138.610
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー
トレード1
・139.776上抜け→レジサポ→(A)ロング→T/P到達→(A)ロング成立
ロング:139.878
T/P:140.468
獲得pips:+59.0
11月通算:7勝10敗、勝率41.2%、平均RR2.03
11月獲得pips:+191.9
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