ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/3の欧米マーケット影響:米国雇用統計サプライズの強い数値でドル円急騰。その後のPMI確報値、ISM非製造業景気指数も強い数値で急騰継続。引けに掛けて目立ったロング勢の決済も見られず131.20の131円台をキープで引け。来週も上昇継続の可能性高い。
(2)米国経済指標(⑥):注目材料なし。
(3)米国要人発言(②):注目材料なし
(4)その他:日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診とのリーク記事(日本経済新聞)
2/6は注目材料ないものの、2/3の米国雇用統計や他の強い数値の影響、更に日銀次期総裁リーク記事の円売り材料(日銀金融政策修正期待の後退)でドル上昇優勢の想定。
しかし、2/3は約2.5円急騰、更にリーク記事を受けて2/6は既に急騰している。調整の戻しも大きくなる可能性があることに注意したい。
モーニングサテライト、ドル円参考情報
今週のドル円予想レンジ:131.00~134.70
強い米雇用統計、日銀総裁人事の報道によって、これまでの日米金融政策の見方への修正が入る局面。ドル円は年初来高値を視野に入れた底堅い展開となりそう。
注目ポイント:ユーロ高の原動力
ユーロは対ドルで1.10付近まで水準を戻している。この原動力は欧州圏の景気に対する悲観的な見方の修正と考えられる。昨年秋口以降、欧州圏は記録的な暖冬となって、エネルギー危機への懸念が後退した。
年明け以降は中国経済活動再開への期待も高まって、欧州圏経済への悲観的な見方が修正されつつある。
悲観的な見方に対して神経質な動きを示す代表的な指標として、投資適格級ではない、信用力が低い企業のスプレッドがある(iTraxx Cross Over5年)。このスプレッドとユーロドルを重ねると、過去1年間に渡って強い相関がある。
*iTraxx:マークイット社が公表している欧州及びアジア市場で取引されている最も流動性の高いCDS銘柄で構成されたデフォルトリスクを測る指数。
*iTraxx Crossover指数:ジャンク級を中心に欧州企業50社のCDSで構成
つまり、ユーロ相場は、この悲観的な景気の見方に左右されやす状況であった。
直近1年間全ての営業日のユーロドルとiTraxx Cross Over5年の関係を見ると、全体的に強い逆相関、つまりスプレッド縮小とともにユーロが上昇する強い関係性が認められる。
過去10年間の平均水準スプレッド320ベーシスポイントまで縮小するなら、ユーロドルは1.13近辺まで上昇すると想定される。
悲観的な見方の修正はしばらく続く公算が高い。しかし、欧州圏のエネルギー問題は今年の秋冬に掛けて長期的に注意を払う必要があることや、ウクライナ情勢がエスカレードすれば悲観的な見方に回帰してしまうことに注意が必要。欧州圏の景気後退リスクは依然として強く残っている。
投機勢のユーロ持ち高(CFTC CMEユーロ通貨先物非商業建玉)は大きくロングに傾いているため、足元の楽観的な見方が修正されることに伴うユーロの調整リスクに警戒すべき。
向こう三か月間、ユーロドル1.13近辺、ユーロ円145円近辺を高値の目途として反落リスクに警戒が必要。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:09 要人発言
鈴木財務相
「日銀総裁報道、何も聞いていない」
【考察】報道への牽制のためか、日経新聞報道を受けたドル円急騰からやや反発下落。決定ではないものの日銀新総裁を巡る報道で今後もドル円が動く可能性あるため、突発的な要人発言や報道に要警戒か。
東京マーケット(9:00~15:00)
11:37 要人発言
磯崎官房副長官
「雨宮氏への日銀総裁打診は事実ではない」
【考察】鈴木財務相発言と同じく報道牽制となりドル円下落。
12:01 要人発言
黒田日銀総裁(Bloomberg)(Bloomberg)
「金融緩和の副作用にも配慮しながら適切な政策運営に努める」
【考察】金融政策正当化、ハト派発言。サプライズなくドル円上昇なし。
13:24 要人発言
梶山自民幹事長代行
「日銀総裁人事の報道、何も聞いていない」
【考察】鈴木財務相や磯崎官房副長官発言と同じく報道牽制となりドル円下落。
欧州マーケット(17:00~25:30)
17:52 要人発言
茂木自民党幹事長
「日銀総裁報道ような事実はない」
【考察】報道牽制となりドル円下落。
22:06 要人発言
米国イエレン財務長官(Bloomberg)
「インフレは依然として高すぎるが、低下しつつある」
「記録的な低い失業率でリセッションはない」
【考察】タカ派、リセッション否定発言。ドル円上昇継続
28:43 要人発言
ホワイトハウス
「バイデン大統領はビリオネア最低課税率設定を提案」
「バイデン大統領は企業による自社株買いに課徴金の提唱」
【考察】企業業績景気悪化に繋がる可能性はドル売り材料であるものの、税が景気回復に回される活用される期待感があるためかドル円上昇継続。
NYマーケット(23:30~30:00)
29:31 要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Bloomberg)
「雇用統計の結果はピークレートの一段の上昇の可能性を高める」
「あと2回の利上げ見込み」
「必要であれば50 ベーシスポイント利上げに戻ることが出来る」
【考察】タカ派発言でドル円上昇。
東京マーケット:2/3米国雇用統計やISM非製造業景気指数の強い数値の影響継続、次期日銀総裁報道で金融緩和政策の修正観測でドル円上昇。鈴木財務相、磯崎官房副長官、梶山自民幹事長代行の日銀新総裁報道否定でドル円下落。
欧米マーケット:茂木自民党幹事長の日銀新総裁報道否定でドル円下落。欧米マーケットは2/3米国雇用統計やISM非製造業景気指数の強い数値の影響継続でドル円上昇、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言でドル円上昇。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- USD(基軸通貨):2/3米国雇用統計、ISM非製造業景気指数の強い数値の影響継続で買い。米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言で買い。
- GBP(リスクオン通貨):ピルMPC委員のタカ派発言で買い。
- CHF(リスクオフ通貨):
- CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):
- EUR(リスクオン通貨):
- JPY(リスクオフ通貨):「次期日銀総裁に雨宮副総裁との報道」→金融緩和政策の早期修正観測が後退で売り。鈴木財務相と磯崎官房副長官の日銀新総裁報道否定で買い。
米国債イールドカーブ
2/6(月)は2/3(金)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド拡大)でドル買い・売り材料交錯。よって、ドルインデックス日足陽線は金利上昇由来。ドル円日足陽線もドル買いの影響強い。
3月FOMCでの利上げ幅0.25%市場コンセンサスは93.7%(CME FedWatch Tool)
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:2月陰線形成中。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。
- 週足:1/30週、陽線。ボリンジャーバンド-1σ付近まで上昇。
- 日足:2/3大陽線。ボリンジャーバンド+1σ付近まで上昇。
- 4H足:上昇トレンド。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス131.214上抜け→レジサポ→目標4H足レジスタンス131.498
(B)4H足サポート130.800や130.428付近まで下落→1H足転換→目標1H足レジスタンス131.214
②ショート
(C)4H足サポート130.800を1H足ダウで下抜け→目標4H足サポート130.428
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
・131.244上抜け→レジサポなし→(A)ロング見送り
2月通算:2勝1敗、勝率66.7%、平均RR 2.08、獲得Pips +56.5
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