2023年2月10日(金)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)2/9の欧米マーケット影響:

米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数の弱い数値でドル円下落、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言、米国30年債入札でドル円上昇。ドル円は急落からほぼ全戻しの急騰で132.62付近で引け。
NYマーケットで株先物・株価指数急落リスクオフや米国債利回り急騰のドル買い主導でドル円急騰。

(2)米国経済指標(⑥):米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値・インフレ予測速報値

(3)米国要人発言(②):FRB当局者

(4)その他:
日銀総裁、副総裁を巡る要人発言や報道(2/6, 2/7, 2/8はドル円下落, 2/9は乱高下)

2/10は、NYマーケットでのリスクオフ・米国債利回り上昇を引き継いでドル円上昇しやすい想定だが、2/9のような日銀人事を巡る要人発言や報道で一時的に強い円買いでドル円乱高下もあり得るため、東京マーケットの動きに注意したい。

モーニングサテライト、ドル円参考情報

本日のドル円予想レンジ:131.00~132.50
米市場は先週発表された米雇用統計の影響が残って金融市場は上下に不安定なプライスアクションを続けている。
ドル円についても米債券利回り高止まりを受けて下値を切り上げており、本日も底堅い動きが続くと思われる。

注目ポイント:ドル円相場でのドル要因と円要因

22年1月~10月ドル円上昇幅(上昇率)
合計37円(32%)、ドル要因23円(20%)、円要因14円(12%)

22年10月~23年2月ドル円上昇幅(上昇率)
合計25円(16%)、ドル要因19円(12%)、円要因6円(4%)

つまり、最近のドル円下落はドル要因によるものが大きい。昨年のドル高要因23円の上昇幅の内、既に19円を消化してしまった。

一方でFRBの連続利上げにより日米金利差は拡大している。
日米金利差:22年1月(0.1%)→22年11月(3.85%)→23年2月(4.60%)

インフレピークアウト感があるとは言え、バランスが悪い。思惑が先行した動きに見える。
従って、先週の強い米雇用統計をきっかけに、米金利上昇を伴うドル上昇が生じてもおかしくない。

日銀金融政策正常化は市場の大きな注目点だが、現実的には急激な政策変更が実施される可能性は低い。日銀新執行部の政策が明らかになるまでは、ドル円はドル要因による行き過ぎた下落を修正する可能性が高い。当面のレンジは130~135円程度の予想。

モーニングサテライト

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日本国内企業物価1月度(日本経済新聞
前月比:前回0.5%(改定0.7)、予想0.3%、結果0.0%(△)
前年比:前回10.2%(改定10.5)、予想9.8%、結果9.5%(△)

【考察】予想より弱い数値で円売りドル円上昇。しかし高止まりへの警戒感あり。

東京マーケット(9:00~15:00)

9:53 要人発言
黒田日銀総裁
「過去 10 年間、金融緩和は給与を増加させなかった」
「賃金上昇率は高まっていく」
「金融緩和のメリットは副作用を上回る」
「物価目標を達成するために緩和を続ける」

【考察】ハト派発言だが、サプライズなく反応薄。

9:55 週末・五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

【考察】仲値に向けてドル円上昇したが、通過前からドル円下落。

10:55 要人発言
立憲民主党・安住国会対策委員長
「日銀総裁人事案、2/14に国会提示」
「国会聴取は2/24予定」

【考察】材料視されず。

11:25 要人発言
鈴木財務相
「日銀国債購入が前提の財政運営が適切とは全く考えていない」
「日銀との共同声明見直しは、今の時点で時期尚早」

【考察】緩和修正への言及なくハト派発言でドル円上昇。

13:00 要人発言
日本銀行
「2/14、5年物共通担保資金供給オペレーションを実施」

【考察】円売りドル円上昇材料だが、市場の注目は日銀新総裁・副総裁人事に集まっており、影響薄。

14:20 要人発言
雨宮日銀副総裁
「金融緩和維持が適当」
「出口戦略について議論は時期尚早」

【考察】新総裁候補のハト派発言だがサプライズないためか、もしくは人事に関する要人発言や報道への警戒感からかドル円上昇なし。

16:16 報道
日銀新総裁・植田和男氏、副総裁・内田氏、氷見野氏を起用へ(日本経済新聞

【考察】次期新総裁の最有力候補が現・雨宮副総裁との見方が広がっていたなかでのサプライズ報道。政府は当初雨宮氏に打診したが、同氏は辞退したとのこと。
「現在の大規模緩和策が見直される思惑→新発10年物国債利回りが約1カ月ぶりに上限0.50%へ上昇→円買い」でドル円急落。

植田和男氏は経済学者で黒田体制以前に日銀審議委員を務めた経歴がある(Bloomberg
植田氏はタカやハトに偏っておらずバランスが取れた人物の様子(Bloomberg

欧州マーケット(17:00~25:30)

18:21 要人発言
植田元日銀審議委員、次期日銀総裁候補
「現在の金融政策は適切、緩和継続が必要」

【考察】ハト派発言でドル円急騰。

NYマーケット(23:30~30:00)

24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値2月度
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回64.9、予想65.1、結果66.4(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測速報値2月度
1年先:前回3.9%、予想4.0%、結果4.2%(◎)
5年先:前回2.9%、予想2.9%、結果2.9%(○)

【考察】総じて強い数値でドル円上昇。

26:40 要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)(Bloomberg
「利上げ停止前に政策金利5%以上を支持」
「ソフトランディング可能」

【考察】タカ派発言でドル円上昇。

28:00 経済指標
米国月次連邦財政収支1月度
マイナスは財政赤字、プラスは財政黒字。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前回-850億ドル、予想-630億ドル、結果-388億ドル(◎)

東京マーケット:前日NYマーケットの影響引き継ぎドル円上昇。しかし、日銀人事への警戒感のためか上値重くレンジ推移。

欧米マーケット:欧州オープン直前に日銀新総裁・副総裁人事報道で、新総裁最有力候補であった雨宮氏が辞退ことが判り、緩和継続期待が後退で円買いドル円急落。しかし、新総裁候補として報道された植田氏のハト派発言でドル急騰。米国ミシガン大学消費者信頼感指数・インフレ予測速報値の強い数値、米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁タカ派発言でドル円上昇。
2/9同様、NYマーケット中のドル円上昇大きい。また、ロング勢の週末決済もほとんどみられず、131円前半をキープし131.42で引け。つまり、NY勢は週明けもドル円は高値継続すると想定していそう。影響が続く強い材料が出ない限り、ドル円下がっても直ぐに押し目買いが入りやすい環境とも言えるか。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):ロシアが西側諸国制裁への対抗としてして石油減産発表→原油価格上昇で買い。インフレ懸念材料。カナダ雇用統計の強い数値で買い。
  2. JPY(リスクオフ通貨):サプライズの日銀新総裁人事報道で買い。新総裁候補として報道された植田氏のハト派発言で売り。
  3. USD(基軸通貨):米国ミシガン大学消費者信頼感指数・インフレ予測速報値の強い数値、米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁タカ派発言で買い。
  4. CHF(リスクオフ通貨):
  5. AUD(資源国リスクオン通貨):
  6. NZD(資源国リスクオン通貨):
  7. GBP(リスクオン通貨):
  8. EUR(リスクオン通貨):シュナーベルECB専務理事のタカ派発言で買い。

米国債イールドカーブ

2/10(金)は2/9(木)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド縮小)でドル買い材料。ドルインデックス日足陽線でありイールドカーブの動きと一致。
ドル円下ヒゲピンバーでありドル買い円買いが共に強いと判る。

*逆イールドはリセッションのサイン見なされている(Bloomberg

3月FOMCでの利上げ幅0.25%市場コンセンサスは90.8%(CME FedWatch Tool

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:2月陰線形成中。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。
  • 週足:2/6週、陰線形成中。ボリンジャーバンド-1σ上抜け。20MAに向かい上昇可能性あり。
  • 日足:2/9下ヒゲピンバー陽線。ボリンジャーバンド+1σ上抜けつつあり。2/10も上昇優勢と想定。
  • 4H足:レンジ。20MA付近から急落から急騰。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:上昇トレンド。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス131.621上抜け→1H足レジサポ→目標4H足レジスタンス131.886
(B)1H足サポート131.196付近まで下落→1H足ダウ転換→目標1H足レジスタンス131.621
(C) (B)後、4H足レジスタンス131.886を1H足ダウで上抜け→目標日足レジスタンス132.616

②ショート
(D)1H足トレンドライン下抜け→1H足ダウ転換→目標1H足サポート131.196
(E)1H足サポート131.196かつ20MAを1H足ダウで下抜け→目標4H足サポート130.845


【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。

トレード1
1H足トレンドライン下抜け→1H足転換→(D)ショート→急落勢い強く(E)ショート
ショート:131.4678
T/P:131.842
獲得pips:+62.6
2月通算:4勝1敗、勝率80.0%、平均RR 2.16、獲得Pips +159.2

(Trading View)

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