ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、ロシアはウクライナ東部への大規模攻撃を開始、首都キーウ含めた中枢への攻撃も明言。
5/3は、ロシアがウクライナ南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所への攻撃再開し、東部ドネツク、南部オデーサや西部リビウへ砲撃。
5/9が迫っていることから、今週は更にリスクオフが強まる可能性が高く、その際ドル買い円買いが交錯してドル円が大きく変動しやすい。
ウクライナ情勢悪化に関する報道や発言あれば様子見が適切と考えます。
2. 経済指標・要人発言
複数の米国経済指標発表ありますが、最大の注目材料は米国FOMC(政策金利、声明、パウエルFRB議長発言)。タカ派内容(予想通り又は予想以上の利上げ、バランスシート縮小)であればドル買いドル円上昇、サプライズのハト派内容があれば強いドル売りドル円急落を想定します。
マーケットの動き
東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 130.100 (前営業日終値 130.115 から -1.50 pips )
・米国債2年利回り: 2.786 %
・米国債10年利回り: 2.979 %
【考察】
ドル円ギャップダウンから直ぐに窓埋め上昇スタート。
東京マーケット(9:00~15:00)、みどり日で休場
9:00
・ドル円: 130.124 (始値比 +2.40 pips )
・米国債2年利回り: 2.787 (始値比 +0.001 % )
・米国債10年利回り: 2.975 (始値比 -0.004 % )
9:55
・ドル円: 130.094 (始値比 -0.60 pips )(東京マーケット始値比 -3.00 pips )
12:15 報道
北朝鮮が弾道ミサイルの可能性がある飛翔体を発射
【考察】
今年17回目の発射。地政学リスクオフ円買い材料ですが、東京マーケット休場かつ米国FOMC前で反応薄。
15:00
・ドル円: 130.143 (始値比 +4.30 pips )(東京マーケット比 +1.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.793 (始値比 +0.007 % )
・米国債10年利回り: 2.993 (始値比 +0.014 % )
欧州マーケット(16:00~24:30)
16:00 オープン
・ドル円: 130.100 (始値比 +0.00 pips )
・米国債2年利回り: 2.783 (始値比 -0.003 % )
・米国債10年利回り: 2.971 (始値比 -0.008 % )
20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:前回-8.3%、予想-、結果2.5%(◎)
21:15 経済指標
米国ADP雇用者数4月度:5/6米国雇用統計の先行指標ですが、雇用統計との方向性が一致しないことも多い。サプライズでドル円は大きく動きやすい為、注目度大。
前回45.5万人、予想38.3万人、結果24.7万人(✕)
米ADP民間雇用者数、予想下回る-回復局面で最も低い伸び(Bloomberg)
21:30 経済指標
米国貿易収支3月度:
前回-892億ドル、予想-1070億ドル、結果-1098億ドル(✕)
米貿易赤字、3月は過去最大の1098億ドル-財の輸入急増で(Bloomberg)
NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 129.892 (始値比 -20.80 pips )
・米国債2年利回り: 2.822 (始値比 +0.036 % )
・米国債10年利回り: 2.983 (始値比 +0.004 % )
・ダウ平均: 33171.80 (前営業日終値 33128.8 から +43.00 )
・S&P500: 4181.18 (前営業日終値 4175.47 から +5.71 )
・ナスダック: 12574.73 (前営業日終値 12563.77 から +10.96 )
【考察】
ドル円4H足下限129.885からの反発強く、「米国債利回り2年,10年上昇→ドル買い」と「株価指数上昇→円売り」で急騰。米国主要3指数はギャップアップスタート。
22:45 経済指標
米国サービス業PMI確報値4月度:基準50、前回54.7、予想54.7、結果55.6(◎)
米国総合PMI確報値4月度:基準50、前回55.1、予想55.1、結果56.0(◎)
23:00 経済指標
米国ISM非製造業景気指数4月度:注目度は高いですが、先行して発表されるISM製造業景気指数に比べドル円への影響度低め。2022年1月からは60を下回っているものの強い数値が続いています。
基準50、前回58.3、予想58.5、結果57.1(✕)
米サービス業の景況鈍る、雇用の縮小と新規受注の減速で(Bloomberg)
23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回69.1万バレル、予想-60.0万バレル、結果130.3万バレル(◎)
ガソリン在庫:前回-157.3万バレル、予想-80.0万バレル、結果-223.0万バレル(✕)
25:00 欧州クローズ
・ドル円: 129.978 (始値比 -12.20 pips )
・米国債2年利回り: 2.805 (始値比 +0.019 % )
・米国債10年利回り: 2.977 (始値比 -0.002 % )
27:00 経済指標
米国FRB政策金利5月度
前回0.25-0.50%、予想0.75-1.00%、結果0.75-1.00%(○)
27:05 要人発言
米国FOMC声明
「雇用は堅調であり、失業率は大幅に低下した」
「インフレリスクに非常に注意を払っている」
「バランスシート縮小するため、6月1日から米国債およびエージェンシーローン担保証券の保有を削減する」
「今回の決定は全会一致」
米四半期定例入札の規模縮小-QTでも今後さらに減らす可能性に言及(Bloomberg)
【考察】
ハト派内容で「米国債利回り低下→ドル売り」主導でドル円下落。
27:33 要人発言
米国FRBパウエル議長
「インフレは高すぎる」
「今後2会合で0.50%利上げ想定」
「0.75%利上げは積極的に検討してない」
「必要ならば中立金利よりも高くなることを排除しない」
「量的引き締め効果は不透明」
FOMC、0.5ポイント利上げ-FRB議長は同幅利上げ継続を示唆(Bloomberg)
【考察】
最初の「インフレは高すぎる」発言がタカ派で米国債利回り上昇しましたが、「積極的な0.75%利上げ否定」したことが強いハト派発言になり、「米国債利回り低下→ドル売り」主導でドル円急落。
29:00 NYクローズ
・ドル円: 129.131 (始値比 -96.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.624 (始値比 -0.162 % )
・米国債10年利回り: 2.921 (始値比 -0.058 % )
・ダウ平均: 34061.07 (前営業日比 +932.27 、 +2.81 %)
(NYマーケット始値比 889.27 、 +2.68 %)
・S&P500: 4300.16 (前営業日比 +124.69 、 +2.99 %)
(NYマーケット始値比 118.98 、 +2.85 %)
・ナスダック: 12964.87 (前営業日比 +401.11 、 +3.19 %)
(NYマーケット始値比 390.14 、 +3.10 %)
【考察】
米国FOMC内容・パウエルFRB議長発言がハト派(バランスシートは償還を迎えた際に再投資をしない手法で減らすこと、積極的な0.75%利上げは否定)であったことから、「米国債利回り低下→ドル売り」主導でドル円急落し、 米国主要3指数は急騰になったと考えます。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位。5/3豪中銀が予想以上の政策金利引き上げ。
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日4位。
- GBP(リスクオン通貨):前日5位。
- EUR(リスクオン通貨):前日3位。
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日2位。EUがロシア産石油輸入を年内禁止を発表で原油先物堅調。
- JPY(リスクオフ通貨):前日6位。リスクオフ後退。
- CHF(リスクオフ通貨):前日8位。リスクオフ後退。
- USD(基軸通貨):前日7位。米国FOMC声明・パウエル議長発言が総じてハト派。
米国債イールドカーブ
5/4(水)は5/3(火)に対して、ブル・スティープニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差拡大)。
*ブル・スティープニング:直近の景気後退→政策金利下げ(又は利上げ期待後退)の可能性浮上→将来の金利もやや低下見込み→景気後退懸念→リスクオフ→ドル売り示唆
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
- 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
- 日足: 5/3小陰線で引け。上昇トレンドは継続。
- 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
- 1H足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズでレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足ヒゲ先130.500上抜け→レジサポ→目標日足ヒゲ先131.255。
(B)日足ヒゲ先131.255上抜け→レジサポ→目標ラウンドナンバー132.000。
②ショート
(C)1H足実体129.430下抜け→レジサポ→目標4H足実体128.871。
(D)4H足実体128.871下抜け→レジサポ→目標日足20MAかつ押し安値127.223。
日足以上が強い上昇トレンドであるためロング優先ですがFOMC次第。サプライズがあった場合はレジサポせず大きく動くことも考えられます。
【考察】
27:45 パウエルFRB議長のタカ派発言から強いハト派発言を受けて、1H足実体129.430下抜け。しかし、想定した通りレジサポなく目標4H足実体128.871到達し、(C)ショート不成立。
コメント