2024年6月11日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>

(1)経済指標
・米国10年債入札

(2)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(6/1~6/12)につき。

(3)その他
・日銀会合関連リーク報道
・欧州政情不安
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、台中)

本日の注目材料は3点。

①日銀早期金融政策正常化観測、政府・日銀為替介入観測
政府・日銀為替介入が実施される可能性低いですが、再び157円台に乗せたことで円安牽制発言が想定されます。
また、6/4(火)に日本政府の骨太方針で円安影響に言及報道、6/4(火),6/10(月)日銀6月会合での国債購入減額検討報道が出ており、特に今週は6/14(金)日銀会合を控えて日銀早期金融政策正常化観測に関する要人発言やリーク報道が想定されます。
但し、サプライズの内容でなければ下落が生じても押し目買い機会になると考えます。

②欧州議会選、独・仏政情不安リスクオフ影響
6/9実施の欧州議会選挙の投票で、ショルツ首相率いる与党・社会民主党が歴史的大敗、マクロン氏率いる与党連合惨敗。
それを受け6/10は「独・仏政情不安→リスクオフ欧州株下落→ドル円小幅下落」となりましたが、日米株にはほとんど影響なくリスクオンとなりました。
従って、本日も追加のサプライズがない限り、独・仏政情不安がドル円に与える影響は小さいと推測します。

欧州議会選で「緑の党」大敗、気候変動目標の継続巡りEU論争激化へ(Bloomberg
フランス極右2政党、反マクロンで協力を交渉-下院選で共闘も(Bloomberg

総じて、ドル円上昇優位ですが、注目される明日6/12米国消費者物価指数、FOMC・パウエルFRB議長会見を前に、ポジション調整の乱高下や手控えモードの小幅推移の可能性もあると考えます。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
17:39 報道
仏マクロン大統領辞任の可能性(Voice of Europe

【考察】サプライズ報道。欧州政情不安リスクオフ再燃。欧州株下落に連れてドル円下落。

18:31 要人発言
マクロン仏大統領、辞任の可能性否定-選挙結果は地位に影響せず(Bloomberg

【考察】欧州政情不安リスクオフ後退。しかし、市場は疑心暗鬼となりドル円継続

26:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

発行額(Offering Amount):390億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.483%、結果4.438%(◎)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.49倍、結果2.67倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回65.5%、結果65.5%(○)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+1.0bps、結果-2bps(◎)

【考察】入札好調。ドル円下落。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値157.03
取引開始直後に日通し安値156.96(4H足ダウ安値156.95付近)を付けると、前日NYマーケットの影響継続、欧州政情不安リスクオフ後退のユーロ買い円売りに連れた日本株上昇円売り、東京高値157.34へ上昇。
しかし、日本株伸び悩み、米国債利回り低下を受けて東京引けに掛けて揉み合い。

【日本市況】円が小安い、債券上昇しTOPIX反落-米イベント待ち(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン直後には、欧州政情不安リスクオフ後退の欧州株上昇に連れて日通し高値157.40(4H足戻り高値157.40)を付けました。
ところが、仏マクロン大統領辞任報道が伝わると、一気に欧州政情不安リスクオフ再燃の欧州株・国債利回り急落によりドル円急落。直後に辞任否定されたものの市場は疑心暗鬼となり、日足安値156.81(4H足押し安値ヒゲ先付近)を付けました。
NYマーケットアーリー勢参入すると、前日同様に欧州政情不安は米国に影響薄と判断され、米国債利回り上昇、米株上昇に連れて日足高値157.40へ急上昇。
しかしながら、米国10年債入札のサプライズ(強)をきっかけに急落。
総じて、注目される6/12米国消費者物価指数、FOMC・パウエルFRB議長会見を前に、ポジション調整の乱高下の様相を呈しました。
日足終値157.14

【米国市況】S&P500種は小幅続伸、10年債入札が好調-157円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売買交錯>
買い材料:
・6/10(月)米国Ny連銀インフレ期待調査(強)、米国3年債入札(弱)の影響継続
・仏マクロン大統領辞任の可能性報道→欧州政情不安リスクオフ再燃→リスクオフドル買い

売り材料:
・仏マクロン大統領辞任の可能性報道→欧州政情不安リスクオフ再燃→安全資産米国債買い→米国債利回り低下
・米国10年債入札(強)

<円売買交錯>
買い材料:
・仏マクロン大統領辞任の可能性報道→欧州政情不安リスクオフ再燃の欧州株、国債利回り急落下落

売り材料:
・リスクオン米株上昇

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回6月12日公表:据え置き99.4%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ48.3%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当

テクニカル分析

Trade

  • 月足:6月陰線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:6/10週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:6/10陽線。レンジ
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)日足安値156.680付近へ下落→転換上昇→目標4H足ダウ安値157.123
(B)日足高値157.195をダウ上昇→目標4H足戻り高値157.402

②Short
(C)日足安値156.680をダウ下落→目標4H戻り高値156.390

6月通算:6勝4敗、勝率60.0%、+79.0pips

(Trading View)

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