ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)4/29の欧米マーケット影響
日本祝日休場中に発生した政府・日銀為替介入観測は続き、日足安値154.53到達。約5.6円暴落。その後、為替介入警戒感と押し目買い参入が交錯して、引けに掛けて155.00~157.00付近をレンジ推移しました。4/25日銀金融政策決定会合公表・植田日銀総裁会見影響のドル円急騰をほぼ全戻しの急落。
日足終値156.36
(2)経済指標
・米国雇用コスト指数
・米国住宅価格指数
・米国S&Pケースシラー住宅価格指数
・米国シカゴ購買部協会景気指数
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
(3)要人発言
・政府・日銀円安牽制発言
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック氏(Twitter):FOMCブラックアウト期間(4/20~4/30)のため発言や記事に要注意。
(4)その他
・月末五十日仲値
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・米国主要企業決算
・月末ロンドンフィックス
・中東地政学リスクオフ
【債券週間展望】長期金利は低下か、日銀オペ方針維持で買い戻し(Bloomberg)
【日本株週間展望】上値重い、米インフレ懸念-国内決算発表が本格化(Bloomberg)
本日の注目材料は3点。
①4/29政府日銀為替介入観測の影響
介入観測後、155.00~157.00付近のレンジ推移になりましたが、ファンダメンタルズはドル円上昇に傾いているのは変わりありません。但し、160円は介入防衛ラインとして意識されやすくじり上げ展開を想定します。
日本当局の円買い介入、実施の有無を見分ける方法-QuickTake(Bloomberg)
②米国経済指標
「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、政府・日銀為替介入による一時的な急落には要警戒。一方、弱い数値が出ても単発データでFRB政策利下げ前倒しの可能性は低く、ドル円下落は一時的となり押し目買いの機会になりやすいと推測します。
③中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
8:03~要人発言
神田財務官
(過去の発言:2/14, 2/29, 3/5, 3/25, 3/27, 3/29, 4/11, 4/15, 4/17, 4/18, 4/29)
:前回4/29円安牽制発言。為替介入有無へのコメントなし。
為替動向を24時間注視、必要なら「適切に対応」=神田財務官(Reuters)
【考察】円安牽制発言。為替介入有無へのコメントなし。ドル円反応薄。
9:55 月末五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
17:00 要人発言
日銀、5月国債買入スケジュール(日本銀行)
【考察】4月から変更なし→円売り→ドル円上昇
19:00 要人発言
外国為替平衡操作の実施状況(財務省)
【考察】3/28~4/26為替介入実績なし。
19:00 要人発言
29日の為替介入は5.5兆円規模の可能性、日銀当座預金見通しが示唆(Bloomberg)
【考察】
4/29ドル円暴落は政府・日銀為替介入由来とほぼ確定。
政府・日銀円買いドル売り為替介入のために、財務省が民間銀行から円購入→民間銀行の日銀当座預金減少。
21:30 経済指標
米国雇用コスト指数
指数の上昇は消費者物価指数や個人所得の増加につながる可能性が高い。最近はFRBも注目している指標と明言
前期比:前回0.9%(改定)、予想1.0%、結果1.2%(◎)
【考察】1年ぶりの強い数値→インフレ懸念→ドル円上昇。
22:00 経済指標
米国住宅価格指数
前月比:前回-0.1%(改定)、予想0.1%、結果1.2%(◎)
22:00 経済指標
米国S&Pケースシラー住宅価格指数
前年比:前回6.59%(改定6.58)、予想6.65%、結果7.29%(◎)
22:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回41.4(改定)、予想45.1、結果37.9(×)
23:00 経済指標
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
米国ミシガン大学消費者信頼感指数と同様、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する重要指標。
前回104.7(改定)、予想104.0、結果97.0(×)
23:27~要人発言
米国イエレン財務長官
【考察】米国財政赤字懸念発言
24:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。
29:04 米国主要企業決算
アマゾン
売上高:前回1699.6億ドル、予想1425.9億ドル、結果1433.1億ドル(○)
EPS:前回1.00ドル、予想0.83ドル、結果0.98ドル(○)
アマゾン、クラウド部門の売上高好調-株価上昇(Bloomberg)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値156.36
取引開始直後、日足安値156.06へ下押しすると、月末五十日仲値に向けたドル買い需要と株上昇リスクオンで東京高値157.00へ上昇。もっとも、前日と同じく介入警戒感から上値157.00付近は重く東京引けに掛けて揉み合い。
きょうの国内市況(4月30日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、上値157.00付近で揉み合い続くも米国雇用コスト指数の1年ぶりの強い数値を受け157円台乗せ。その後、米国住宅価格指数・米国S&Pケースシラー住宅価格の強い数値と米国シカゴ購買部協会景気指数・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数の弱い数値が交錯するも引けに掛けて上昇継続し、日足高値157.85到達。4/29ドル円暴落に対し約61.8%戻し。
日足終値157.81
【米国市況】円は対ドル157円後半に下落、FOMC控え株と国債も安い(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:月末五十日仲値に向けた需要。米国雇用コスト指数、米国住宅価格指数、米国S&Pケースシラー住宅価格の強い数値。
売り:米国シカゴ購買部協会景気指数、米国コンファレンスボード消費者信頼感指数の弱い数値。
・円売り優勢
買い:
売り:日本株上昇リスクオン。日銀5月国債買入スケジュール変更なし
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:据え置き96.1%
12月18日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ42.4%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:4月陽線形成中。上昇トレンド。
- 週足:4/29週、陰線形成中。上昇トレンド。
- 日足:4/29陰線。上昇トレンド。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:上昇チャネル。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レンジ安値155.555付近へ下落→1H足20MAかつ三角持ち合い上限をダウ上昇→目標1H足戻り高値157.039
(B)1H足戻り高値157.039かつ1H足20MAをダウ上昇→目標1H足押し安値157.921
②ショート
(C)1H足押し安値157.921付近へ上昇→転換下落→目標1H足戻り高値157.039
4月通算:13勝5敗、勝率72.2%、+201.1pips
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