2022年4月1日(金)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
3/31はウクライナとロシアの交渉に急展開なくリスクオフ継続。
「リスクオフ→ドル買い→ドル円上昇」になりやすいですが、強いサプライズの報道や要人発言なければドル円への影響は小さいと考えます。

2.円売り加速
①日本の金融緩和継続(日銀指し値オペ通告)、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。円売り勢の決済で円買いが入っても一時的になると考えます。

一方、125円台は黒田日銀総裁が2015年6月に懸念を示した「黒田ライン」と呼ばれており125.000が強いレジスタンスとして意識されると考えます。
また、円安牽制の要人発言も出てきており、一時的に急な円買いに注意が必要。

3.米国経済指標
重要度が極めて高い米国雇用統計と米国ISM製造業景況指数が高い発表予定。前回かつ予想より強い数値が出ればドル買いドル円上昇、サプライズの弱い数値が出ればドル売りドル円下落を想定します。
しかし、週末を控えた決済が入るためか、サプライズでもトレンド継続することなく急激に反対方向に動くことも多くあります。よって、エントリーしても早めの決済が適切と考えます。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 121.598 (前営業日終値 121.691 からギャップダウンスタート)
15M足20MAで反発上昇し即窓埋めたことから上昇強いか。

8:50 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
日銀短観 第1四半期
大企業製造業・業況判断:前回18、予想12、結果14(○)
日銀短観(大企業製造業・先行き):前回13、予想10、結果9(✕)
大企業非製造業・業況判断:前回9、予想5、結果9(○)
大企業非製造業・先行き:前回8、予想8、結果7(✕)
大企業全産業・設備投資:前回9.3%、予想4.4%、結果2.2%(✕)

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 121.744
・日経平均株価: 27624.11 (前日営業日終値 27821.36 )
・TOPIX 1933.04 (前日営業日終値 1946.4 )
前日米国主要3指数下落を引き継ぎ、株価指数はギャップダウンスタート。

9:08 要人発言
鈴木財務相
「為替の急速な変動は望ましくない」

【考察】円安牽制発言で円買い材料ですが、同じ発言が続いておりサプライズでないためか、円売り継続でドル円上昇。

9:55 月初仲値
・ドル円: 122.159
仲値かけてドル円上昇し、仲値通過後も上昇継続。

15:00 クローズ
・ドル円: 122.393
・米国債2年利回り: 2.371 %
・米国債10年利回り: 2.379 %
・日経平均株価: 27665.91 (前営業日比 -155.45 、 -0.56 %)
・TOPIX 1944.27 (前営業日比 -2.13 、 -0.11 %)

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 122.630
・米国債2年利回り: 2.416 %
・米国債10年利回り: 2.434 %

21:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国雇用統計3月度
非農業部門雇用者数:前回67.8万人、予想49.0万人、結果43.1万人(✕)
失業率:前回3.8%、予想3.7%、結果3.6%(◎)
平均時給

前月比:前回0.6%、予想0.4%、結果0.4%(○)
前年比:前回5.1%、予想5.5%、結果5.6%(◎)
米雇用者数は堅調な伸び、失業率は予想以上に低下-賃金伸び加速(Bloomberg)

【考察】強弱入り混じる結果でしたが、完全失業率に近い状況ではインフレ指標となる平均時給の強い結果が注目されたよう。
よって、FRBの金融引き締め加速の可能性が高まり「米国債2年,10年利回り急騰→ドル買い」、「ダウ先物下落→円買いでなく円売り」でドル円急騰。

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 122.985
・米国債2年利回り: 2.446 %
・米国債10年利回り: 2.446 %
・ダウ平均: 34740.89 (前営業日終値 34678.36 )
・S&P500: 4540.32 (前営業日終値 4530.42 )
・ナスダック: 14269.53 (前営業日終値 14220.53 )
米国主要3指数ギャップアップスタート。

22:45 経済指標
米国製造業PMI【確報値】3月度:前回57.3、予想58.5、結果58.8(◎)

23:00 経済指標
米国ISM製造業景況指数3月度:基準50、前回58.6、予想59.0、結果57.1(✕)

米ISM製造業景気指数、3月は57.1に低下 仕入れ価格上昇続く(Reuters)

米国建設支出2月度:前回1.3%、予想1.0%、結果0.5%(✕)

【考察】注目度が高いISM製造業景況指数がサプライズの弱い数値で、「米国債2年,10年利回り下落→ドル売り」、「米国主要3指数下落→円買い」でドル円下落。

24:30 要人発言
米国エバンス・シカゴ連銀総裁
「今年7回の0.25%の利上げ必要」

「2023年3月までに政策金利を約2.5%の中立水準まで引き上げればFRBのオプションを可能にする」
「複数回の0.5%利上げで政策金利を中立水準に引き上げることについて大きなリスクはない」

シカゴ連銀総裁、年内残り全ての会合での0.25ポイント利上げを支持(Bloomberg)
【考察】タカ派発言ですが従来通りでサプライズなし。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 122.616
・米国債2年利回り: 2.438 %
・米国債10年利回り: 2.384 %

29:00 NYクローズ
・ドル円: 122.540
・米国債2年利回り: 2.456 %
・米国債10年利回り: 2.395 %
・ダウ平均: 34818.28 (前営業日比 +139.92 、 +0.40 %)
・S&P500: 4545.87 (前営業日比 +15.45 、 +0.34 %)
・ナスダック: 14261.51 (前営業日比 +40.99 、 +0.29 %)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. AUD(資源国リスクオン通貨):前日6位
  2. USD(基軸通貨):前日3位
  3. CAD(資源国リスクオン通貨):前日5位
  4. EUR(リスクオン通貨):前日8位
  5. NZD(資源国リスクオン通貨):前日7位
  6. GBP(リスクオン通貨):前日2位
  7. CHF(リスクオフ通貨):前日4位
  8. JPY(リスクオフ通貨):前日1位

【考察】
ウクライナ情勢のリスクオフ後退、米国雇用統計良好でUSD買い、金融緩和継続のJPY売りの流れ。

米国債イールドカーブ

4/1(金)は3/31(木)に対して、ブル・フラットニング(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差低下)。
2年~10年利回りで逆イールド発生し、2年と10年利回り差がマイナスへ転換。

*ブル・フラットニング:直近の景気後退→政策金利引き下げ(又は予測より利上げ後退)の可能性浮上→将来も景気後退懸念→将来も利下げの見込み→ドル売り示唆

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: 3月は上ヒゲ大陽線確定。ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: トレンドライン下抜けし上昇トレンド終了。ボリンジャーバンドBB+1σ下抜け。
  • 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 1H足: ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足20MA, 200MAで支えられレジサポ→目標1H足戻り高値実体122.370。
(B)1H足戻り高値実体122.370上抜け→レジサポ→目標1H足戻り高値実体123.156。

②ショート
(C)4H足ヒゲ先121.315下抜け→レジサポ→目標4H押し安値実体120.705。

円安材料が多いためロング優先ですが、円安牽制の円買い要注意。
また、ウクライナ情勢リスクオフや米国債利回り逆イールド化が原因と考えられるドル売りが生じています。
よって、円買いドル売りが重なって大きなドル円下落もあり得る推測します。

【考察】
15:00 1H足戻り高値実体122.370上抜け→レジサポ→(B)ロング可。
23:00 目標1H足戻り高値実体123.156に届かず、最高値123.036から失速し122.536で引け。目標4H足戻り高値実体122.859が適切でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました