2024年3月14日(木)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)3/13の欧米マーケット影響
欧州オープン後、岸田首相のデフレ脱却否定発言の影響でドル円上昇、日銀のETF購入完全停止検討報道で一瞬ドル円下振れするも即全戻し、日足高値148.05へ上昇。
NYマーケットに入ると、米国イエレン財務長官のインフレ低下見込み発言、米国30年債入札好調と日銀マイナス金利解除議論報道で147.46へ急落。しかし原油先物価格上昇が続き引けに掛けてドル円再上昇。
日足終値147.76

(2)経済指標
・日本20年国債入札
・米国生産者物価指数
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国小売売上高

(3)要人発言
・日銀金融政策決定会合ブラックアウト期間(開催2営業日前から:3/14~3/18)
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):FOMCブラックアウト期間のため、いつもの様に発言や記事に要注意。

(4)その他
・中東地政学リスクオフ

本日注目材料は3点。最大の注目は米国生産者物価指数(特にコア指数)

①日銀政策修正関連報道
3/13は3月日銀政策修正観測関連の発言や報道が相次ぐも、マイナス金利解除は既定路線。従って、ドル円下落は一時的で押し目買いの機会になってきた様子。本日もサプライズなければ、ドル円押し目買い強い傾向継続見込み。

②米国経済指標
注目度の高い指標が同刻発表予定。総じて強い数値ならドル円上昇、弱い数値ならドル円下落。しかし、上値148.00、下値147.00が固く強いトレンドは生じにくいと推測。

③中東地政学リスクオフ
軍事行動が活発になり原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じやすい。どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

12:35 経済指標
日本20年国債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回1.513%、結果1.585%(×)
応札倍率:前回3.85倍、結果3.01倍(×)
テール:前回4銭、結果38銭(×)

【考察】入札不調。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
(過去の発表日; 2/82/152/222/29, 3/7, 3/14)
前回21.7万件(改定21.0)、予想21.8万件、結果20.9万件(◎)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回190.6万件(改定179.4)、予想190.4万件、結果181.1万件(○)

21:30 経済指標
米国小売売上高
個人消費が米国GDPの約2/3を占めており、その動向を表す小売売上高の注目は高い。米国個人消費や米国消費者信頼感とも相関性があることからも重要な指標。特にコア指数が重要視されます。
(過去の発表日; 3/154/145/166/157/188/159/1410/1711/1512/141/17, 2/15, 3/14)
前月比:前回-0.8%(改定-1.1)、予想0.8%、結果0.6%(△)
コア前月比:前回-0.6%(改定-0.8)、予想0.5%、結果0.3%(△)

21:30 経済指標
米国生産者物価指数(PPI)
(過去の発表日; 3/154/135/116/147/138/119/1410/1111/1512/131/12, 2/16, 3/14)
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」

前月比:前回0.3%(改定-)、予想0.3%、結果0.6%(◎)
前年比:前回0.9%(改定1.0)、予想1.2%、結果1.6%(◎)
コア前月比:前回0.5%(改定-)、予想0.3%、結果0.3%(○)
コア前年比:前回2.0%(改定)、予想1.9%、結果2.0%(○)
米PPI、2月は予想上回る大幅上昇-インフレ持続の新たな兆候(Bloomberg

【考察】
発表前:弱い数値期待織り込みでじり下げ。直前147.75。
発表後:総じて強い数値(対予想はコア前月比が同等、他は強い数値。対前回はコア前月比が弱い、他は同等以上)
初動147.99へ上昇するも同刻発表の米国小売売上高(弱)を受けて147.57へ急落から乱高下。
直後の下記日銀マイナス金利解除調整報道により急落して日足安値147.43付け。
しかし、マイナス金利解除は織り込み済みで、CPI(強)に変わりなく、一気に日足押し安値147.65へ急落したことで押し目買い入り上昇し、日足高値148.36付け。3/12米国消費者物価指数と似た動き。

22:12 報道
日銀、マイナス金利解除で調整=高水準賃上げ、物価2%実現に自信―連合集計踏まえ最終判断(時事通信

【考察】日銀政策修正観測。日足安値147.43へ急落。しかし、3月・4月のいずれであろうとマイナス金利解除は既定路線でサプライズなく全戻し上昇。3/13と似た動き。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値147.76
日銀マイナス金利解除観測から東京安値147.53付けるも、前日同様にドル円下落は一時的で押し目買い機会に変化し、東京高値147.94へ上昇。切番148.00上抜けには新規材料が必要な相場環境は継続。

きょうの国内市況(3月14日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、注目の米国生産者物価指数を控えてドル円下落。
米国生産者物価指数は強い数値で初動147.99へ上昇するも、同刻発表の米国小売売上高の弱い数値もあり、切番148.00付近での決済・戻り売り強く147.57へ急落。しかし、強い数値には変わりなく日通し高値148.04再上昇。3/12米国消費者物価指数と似た動き。
NYオープン直前、日銀マイナス金利解除調整報道により日足安値147.43へ急落。しかし、マイナス金利解除は織り込み済みであり押し目買いの機会となり日足高値148.36へ急上昇。原油先物価格上昇も上昇に寄与。
日足終値148.32

総じて、米国生産者物価指数の強い数値、原油先物価格上昇でドル円上昇、日銀マイナス金利解除調整報道でドル円下落は一時的で押し目買いの相場環境。

【米国市況】株・国債下落、PPI堅調で利下げ観測後退-148円前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル買い優勢
買い:米国生産者物価指数、米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数の強い数値、原油先物価格上昇
売り:米国小売売上高の弱い数値

・円売買交錯
買い:日本20年国債入札不調、日銀マイナス金利解除調整報道、欧米株下落
売り:日本株上昇、原油先物価格上昇

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
3月20日公表:25bp引き下げ1.0%、据え置き99.0%
5月1日公表:25bp引き下げ9.6%、据え置き90.3%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ60.3%、据え置き37.1%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
  • 週足:3/11週、陽線形成中。レンジ。押し安値かつ20MA付近。押し目買い優勢と推測。
  • 日足:3/13十字線。レンジ。BB-1σ付近。よって3/14は戻り売り優勢と推測。
  • 4H足:レンジ。BB+1σ付近。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足戻り高値148.106をダウ上昇→目標4H足戻り高値148.634

②ショート
(B)4H足ダウ安値147.688をダウ下落→目標4H足押し安値147.322
(C)4H足押し安値147.322をダウ下落→目標4H足押し安値146.873

3月通算:6勝2敗、勝率75.0%、獲得Pips +49.8

(Trading View)

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