2022年4月6日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

注目材料

1. ウクライナ情勢緊迫化
4/4にロシア軍が民間人を虐殺した疑惑が浮上。4/5も各国からロシア批判が強まり、対ロシア制裁強化や停戦交渉の不透明感によって、ウクライナ情勢が急速に悪化しました。
「リスクオフ→ドル買い円買い」となりドル円は綱引き。本日、強いサプライズの報道や要人発言なければドル円への影響は小さいと考えます。

2.円売り加速
①日本の金融緩和継続(日銀指し値オペ通告)、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。円売り勢の決済で円買いが入っても一時的になると考えます。

一方、125円台は黒田日銀総裁が2015年6月に懸念を示した「黒田ライン」と呼ばれており125.000が強いレジスタンスとして意識されると考えます。円安牽制の要人発言も出てきており、一時的に急な円買いに注意が必要。

3. 米国経済指標
米国FOMC議事要旨公表(3/15~3/16開催分)が最大の注目材料。
①利上げが始まった回であり、サプライズの利上げ・バランスシート縮小文言が出ればドル買いドル円上昇と考えます。
②4/5にドル円急騰しており、本日の公表まで上昇が続けばSell the factもあり得る。
③4/5にドル円急騰しており、本日の公表前にリスク乖離としてロング勢の決済売りの可能性もあり(決済売りが入っても欧州時間以降と推測します)。

マーケットの動き

東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 123.547 (前営業日終値 123.600 からギャップダウンスタート)
直ぐに上昇し窓埋め。

東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 123.658 (始値比 +11.08 pips )
・日経平均株価: 27533.88 (前日営業日終値 27787.91 から -254.03 ギャップダウンスタート)
・TOPIX 1934.89 (前日営業日終値 1949.12 から +14.23 ギャップアップスタート)
「米国債利回り上昇→ドル買い」と「円売り」でドル円上昇。

9:55 仲値
・ドル円: 123.872 (始値比 32.50 pips )(東京マーケット始値比 21.42 pips )
「米国債利回り上昇→ドル買い」と「円売り」でドル円上昇。

15:00 クローズ
・ドル円: 123.954 (始値比 40.70 pips )(東京マーケット比 29.62 pips )
・米国債2年利回り: 2.586 %
・米国債10年利回り: 2.616 %
・日経平均株価: 27350.23 (前営業日比 -437.68 、 -1.58 %)(東京マーケット始値比 -183.65 、 -0.67 %)
・TOPIX 1922.91 (前営業日比 -26.21 、 -1.34 %)(東京マーケット始値比 -11.98 、 -0.62 %)
米国債利回り頭打ちになるも、「ドル買い」と「円売り」でドル円上昇。

欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 123.884 (東京終値比 -7.00 pips )・米国債2年利回り: 2.567 %
・米国債10年利回り: 2.613 %
ダウ先物下落、ドルインデックス下落、円先物上昇→ドル円下落。
ドル売り→欧州通貨(EUR、GBP)買いの流れ。

20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:前回-6.8%、予想-、結果-6.3%(◎)

NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 123.921 (始値比 +37.40 pips )
・米国債2年利回り: 2.547 %
・米国債10年利回り: 2.639 %
・ダウ平均: 34520.34 (前営業日終値 34641.17 から -120.83 ギャップダウンスタート)
・S&P500: 4494.17 (前営業日終値 4525.11 から +30.94 ギャップアップスタート)
・ナスダック: 14002.58 (前営業日終値 14204.18 から +201.60 ギャップアップスタート)

22:31 要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
「バランスシート縮小はまもなく開始される」
「インフレは極度に過熱」

【考察】タカ派発言ですが、前日要人発言と変わらないことに加えFOMC議事要旨公表を控えているためか反応薄。

23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回-344.9万バレル、予想-280.0万バレル、結果242.1万バレル(◎)
ガソリン在庫:前回78.5万バレル、予想-40.0万バレル、結果-204.1万バレル(✕)

23:07 要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁
「金利を正常化させる時」
「50bp利上げは確実にあり得る」

【考察】タカ派発言ですが、前日要人発言と変わらないことに加えFOMC議事要旨公表を控えているためか反応薄。

25:30 欧州クローズ
・ドル円: 123.755 (始値比 +20.80 pips )
・米国債2年利回り: 2.490 %
・米国債10年利回り: 2.592 %

27:00 経済指標
米国FOMC議事要旨公表(3/15~3/16開催分)

「多数のFOMCメンバーは年内1回以上の0.50%利上げを正当化」
「バランスシート縮小は月額上限950億ドル」
「ロシアのウクライナ侵攻で、多くの当局者が3月の0.25%の利上げを支持」
「ロシア紛争によりインフレ圧力が高まった」

FOMC、月額最大950億ドルの保有資産縮小を示唆-議事要旨(Bloomberg)
【考察】5月FOMC会合で0.5%利上げと月額上限950億ドルのバランスシート縮小が明確になったことはタカ派でドル円急騰するかと考えましたが、市場予想は更にタカ派だったのようでドル円は大きく上下に振れる展開。

29:00 NYクローズ
・ドル円: 123.785
・米国債2年利回り: 2.496 %
・米国債10年利回り: 2.605 %
・ダウ平均: 34496.52
(前営業日比 -144.67 、 -0.42 %)(NYマーケット始値比 -23.82 、 -0.07 %)
・S&P500: 4481.16
(前営業日比 -43.95 、 -0.97 %)(NYマーケット始値比 -13.01 、 -0.29 %)
・ナスダック: 13888.83
(前営業日比 -315.34 、 -2.22 %)(NYマーケット始値比 -113.75 、 -0.81 %)

【考察】米国FOMC議事要旨公表がタカ派内容であったためか米国主要3指数は下落。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. GBP(リスクオン通貨):前日6位
  2. USD(基軸通貨):前日2位
  3. EUR(リスクオン通貨):前日7位
  4. JPY(リスクオフ通貨):前日8位
  5. CAD(資源国リスクオン通貨):前日3位
  6. CHF(リスクオフ通貨):前日5位
  7. NZD(資源国リスクオン通貨):前日4位
  8. AUD(資源国リスクオン通貨):前日1位

【考察】
ウクライナ情勢の更なる悪化材料がでなかったためか、ややリスクオフ後退の動き。

米国債イールドカーブ

4/6(水)は4/5(火)に対して、ツイスト・フラットニング(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差拡大)。3年~10年利回りで逆イールド継続。

*ツイスト・フラットニング:直近の景気良好→政策金利引き上げ(又は予測より利上げ前進)の可能性浮上→将来は景気減速懸念→将来は利上げ見込み後退→直近のドル買い、将来のドル売り示唆

テクニカル分析

ドル円チャート

  • 月足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 週足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 日足: ボリンジャーバンドスクイーズ移行中。BB+1σで反発上昇。
  • 4H足:大陽線形成しボリンジャーバンドエクスパンション移行中。
  • 1H足: ボリンジャーバンドエクスパンションし上昇トレンド。
  • 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足戻り高値実体123.707上抜け→レジサポ→目標4H足戻り高値実体124.138。
(B)4H足戻り高値実体124.138上抜け→レジサポ→目標4H足戻り高値実体124.670。
(C)4H足サポート123.155まで下落→反発・レジサポ→目標4H足戻り高値実体123.707。

②ショート
(D)4H足押し安値122.392下抜け→レジサポ→目標4H押し安値実体121.557。

円安材料が多いためロング優先ですが、円安牽制の円買い要注意。

【考察】
11:45 4H足戻り高値実体123.707上抜け→レジサポ→(A)ロング可
27:00 米国FOMC議事要旨公表でドル円が大きく上下し下ヒゲが123.707下抜け→(A)ロング不成立。しかし、ローソク足実体は123.707上を保っており上昇圧力は続きそう。

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