2025年1月21日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・日本40年債入札
・カナダ消費者物価指数

2.要人発言
・政府日銀円安牽制
日銀ブラックアウト期間(1/21~1/24)
・米国トランプ大統領
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(X投稿):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:1/18~1/30)につき

3.その他
・日銀会合関連リーク報道
・米国主要企業決算(特にネットフリックス)
・世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議:1/20~1/25)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:30)

9:51~要人発言
トランプ大統領、メキシコとカナダに25%関税を計画-一律関税検討も(Bloomberg

【考察】インフレ懸念でドル円急騰。しかし、前日までと同様に一律関税は準備ができていない発言を受けてインフレ懸念後退から全戻しドル円急落。トランプ大統領発言や報道内容に過剰反応するアルゴリズム取引でドル円乱高下が続きやすい地合い。

10:24~要人発言
トランプ氏、第47代米大統領就任-WHO脱退など大統領令に署名(Bloomberg

10:58~要人発言
トランプ政権の政策、世界・日本経済への影響注視=加藤財務相(Reuters

【考察】円安牽制発言なし。ドル円下落継続。市場の注目材料が米国トランプ大統領発言のためか影響なし。

12:25~要人発言
米経済、政策次第で上下にリスク 軌道修正の可能性も=三村財務官(Reuters

【考察】円安牽制発言。ドル円上昇継続。市場の注目材料が米国トランプ大統領発言のためか影響なし。

12:35 経済指標
日本40年債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額:7,000億円程度
最高落札利回り:前回2.55%、結果2.57%(×)
応札倍率:前回2.24倍、結果2.75倍(◎)

【考察】総じて入札好調。ドル円上昇。

15:50 報道
日銀、追加利上げ公算大(共同通信

【考察】1月日銀利上げほぼ100%織り込み済の為、ドル円下落なし。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
カナダ消費者物価指数(CPI)
米国と貿易関係等で密接な関係であり、サプライズの数値は米国インフレの先行指標となり得ることから注目されます。
特に注目度の高い米国経済指標発表がない日は米国債利回りに波及しやすい。但し、あくまでカナダ指標であり短期的な影響に留まりやすい。

前月比:前回0.0%、予想-0.4%、結果-0.4%(○)
前年比:前回1.9%、予想1.9%、結果1.8%(×)

24:06 報道
日銀、追加利上げ決定へ トランプ氏就任波乱なく(共同通信

【考察】東京マーケット中の続報。材料不足の欧米マーケット中の報道だったためかドル円下落。

30:00 米国主要企業決算
ネットフリックス
売上高:前回98.2億ドル、予想101.3億ドル、結果102.5億ドル(◎)
EPS:前回5.40ドル、予想4.20ドル、結果4.27ドル(○)
【決算速報】ネットフリックス、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値155.58
東京マーケットオープンすると、1/20米国トランプ大統領「初日に課税発動表明しない」発言の影響継続から日通し安値154.90(1H足押し安値154.92かつ切番155.00付近)を付けたものの、直後に米国トランプ大統領「2/1、メキシコとカナダに関税検討」発言を受けて日足高値156.24へ急騰。

しかし、前日までと同様に一律関税は準備ができていない発言を受けてインフレ懸念後退で全戻しから日足安値154.78(1H足押し安値154.92かつ切番155.00付近)へ急落。
米国トランプ大統領発言や報道内容に過剰反応するアルゴリズム取引の影響でドル円乱高下が続きやすい地合いとなっている様子。
一方、一律関税発動は時間の問題であり警戒感は根強くドル買い主導で155.46へ上昇して引けました。
東京クローズ直後に日銀追加利上げ公算大報道でましたが、1月日銀利上げほぼ100%織り込み済の為、ドル円下落なし。

【日本市況】円一時1カ月ぶり高値、トランプ関税巡り荒さ-債券上昇(Bloomberg

欧米マーケット:
一律関税発動警戒感は続きドル買い主導で156.06(切番156.00付近)へ再上昇。
しかし、米国トランプ大統領発言以外の新規材料乏しく、156円台定着失敗するとロング勢利確が入り下落。
更に日銀追加利上げ決定報道を受けて小幅下落しましたが、米国トランプ大統領から欧州を標的にした関税発表なく安心案から欧州株上昇、米国株上昇も交錯し、揉み合いで引けました。
日足終値155.52

【米国市況】株上昇、AI投資に期待感-円はもみ合いで155円台半ば(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国トランプ大統領:2/1、メキシコとカナダに関税検討→インフレ懸念

売り材料:
・1/20米国トランプ大統領「初日に課税発動表明しない」→インフレ懸念後退
・米国トランプ大統領「一律関税は準備ができていない」→インフレ懸念後退
・原油先物価格下落→インフレ懸念後退
ロシアの海上原油輸出が大幅減少、バイデン政権の包括的制裁が効果(Bloomberg

<円売買交錯>
買い材料:
・日銀、追加利上げ決定報道
・原油先物価格下落→日本貿易収支改善

売り材料:
・日本40年債入札(強)
・米国トランプ大統領「一律関税は準備ができていない」→日本、欧州株上昇(円キャリー促進)
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回1月29日(水)公表:据え置き(97.9→99.5%)、0.25%引き下げ(2.1→0.5%)
2025年利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当

・日銀:現行政策金利0.25%
市場織り込み(東京短資株式会社
次回1月24日(金)公表:0.25%引き上げ(84→91%)

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:1月陰線形成中。上昇トレンド。→月足レンジ高値160.817へ上昇想定。
  • 週足:1/20週、陰線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近。→週足ネックライン157.252へ上昇想定
  • 日足:1/20陰線。BB-2σ付近。→下落想定
  • 4H足:レンジ。押し安値&20MA付近。→下落想定
  • 1H足:上昇チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足レンジ安値155.146付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値155.542

②Short
(B)1H足戻り高値156.074かつ1H足下降チャネル上限付近へ上昇→転換下落→目標1H足レンジ安値155.542
(C)日足安値155.413をダウ下落→目標4H足レンジ安値155.146

本日:3勝0敗、+73.2pips
1月通算:9勝12敗、勝率42.9%、RR2.01 、-7.7pips

(Trading View)

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