2023年2月24日(金)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)2/23の欧米マーケット影響
米国実質GDP改定値は強弱入り交じる数値だったものの総じて強い数値、かつ新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数の強い数値でドル円上昇。
しかし、実質GDPや個人消費悪化による米国景気後退懸念のためか、株先物・株価指数急落のリスクオフ円買い、米国債利回り低下のドル売りでドル円急落。
しかし、NYクローズに掛けて急速にリスクオフが急速に後退しドル円下げ止まり。

(2)経済指標
・日本消費者物価指数
・米国PCEデフレータ、個人所得・個人支出、ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測

(3)要人発言
・次期日銀総裁候補の植田元日銀審議委員、副総裁候補の内田、氷見野氏(所信聴取、質疑応答)
・FRB当局者。
・最近の米中関係悪化に拍車がかかるような発言あればドル売りドル円下落に注意したい。

2/24の東京マーケットの最大の注目は、次期日銀総裁・副総裁候補の所信聴取。
欧米マーケットでは、米国PCEデフレータとFRB要人発言の注目度が高い。
材料が多く、かつ週末で月末も近いことからポジション調整の動きが入る可能性もあり、急激な乱高下に注意したい。

ドル円動き例

モーニングサテライト、ドル円参考情報

本日のドル円予想レンジ:134.00~135.50
本日は日銀人事を巡る衆議院での聴取、質疑などの重要イベントが円の上昇圧力となる可能性に注目。同時にアメリカでは重要インフレ指標であるPCEコアデフレータの発表を控えており荒い展開が予想される。

注目ポイント:アメリカの根強いインフレ
今年に入り FRB の利上げ終了が近いとの見方にドル売りが優勢となっていたがインフレが思ったほど簡単には鈍化していないことが明らかになりつつある。

原油価格に上昇余地あり
昨年の6月以降、インフレピーク達成も主に原油価格の下落が影響した。しかし暖冬などが起因した原油価格はまだ上昇余地がありインフレも期待通りに鈍化しない可能性がある。

戦略備蓄を放出でエネルギー価格抑えているが
バイデン政権は中間選挙前から石油戦略備蓄(SPR)放出でエネルギー価格を抑えることに努めている。現在、80年代の水準まで低下した。

通常は戦争勃発時など緊急時にのみ使用される重要なもので今後買い戻されることは必至。原油価格も下げ止まり、インフレ鈍化は余裕ではない。

インフルの鈍化が予想よりも遅れると利上げの期間も長くなる、あるいは停止期待ルが遠のき、ドル高傾向を続きそう。

インフルの遅い鈍化に加えて、労働市場の逼迫も緩和する兆候がなく 、FRB もインフレ制御のための利上げを従来想定された以上に長い期間、高い水準まで引き上げる必要性が強まった。

年内は政策金利を5%以上に引き上げ、年内5%台で維持する必要性が強まってきた。このため少なくとも半年ほどはドルが下がりにくい状況になると考えられる。

モーニングサテライト

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
日本消費者物価指数1月度(Bloomberg
前年比:前回4.0%、予想4.3%、結果4.3%(○)
コア前年比:前回4.0%、予想4.2%、結果4.2%(○)

東京マーケット(9:00~15:00)

9:35~ 要人発言
植田日銀総裁候補(衆議院所信聴取、質疑応答)(Bloomberg
日本消費者物価指数に対する見解、マイナス金利やイールドカーブコントロールなどの金融政策に対する見解に注目が集まる。
「現在の金融政策は適切」

【考察】ハト派発言でドル円上昇。しかし現状でハト派発言はサプライズない為、急騰せず。

9:55 実質週末・五十日仲値(2/25休場につき)
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

13:07~ 要人発言
内田日銀副総裁候補(Bloomberg
「この先も金融緩和が必要」

【考察】サプライズなしのハト派発言でドル円反応薄。

14:13~ 要人発言
氷見野日銀副総裁候補(Bloomberg
「金融緩和の継続が必要」

【考察】サプライズなしのハト派発言でドル円反応薄。

16:31~ 要人発言
米国イエレン財務長官(Bloomberg
「インフレ低下の可能性がある」
「インフレ低下のためにやるべきことはある」

【考察】ハト派、タカ派発言交錯。

欧州マーケット(17:00~25:30)
NYマーケット(23:30~30:00)

TOM(Turn of the Month)効果
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。
月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。株式購入で株高・円売り→ドル円上昇材料、株式売りで株安・円買い→ドル円下落材料になり得る。

22:07~ 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Bloomberg
「政策金利は5%をやや超えた水準に引き上げ、維持すべき」

【考察】タカ派発言でドル円上昇。

22:30 経済指標
米国個人所得1月度:前回0.2%(改定0.3)、予想0.9%、結果0.6%(△)
米国個人支出1月度:前回-0.2%(改定-0.1)、予想1.0%、結果1.8%(◎)

22:30 経済指標
米国PCEデフレータ1月度(過去の発表日:8/269/3010/2812/112/231/27)(Bloomberg
強い数値なら、「インフレへの警戒感が高まり→FF金利のターミナルレート5.00-5.50%程度に上昇する可能性→ドル買いドル円上昇」

前年比:前回5.0%(改定5.3)、予想4.9%、結果5.4%(◎)
前月比:前回0.1%(改定0.2)、予想0.4%、結果0.6%(◎)
コア前月比:前回0.3%(改定0.4)、予想0.4%、結果0.6%(◎)
コア前年比:前回4.4%(改定4.6)、予想4.3%、結果4.7%(◎)

【考察】全て強い数値のサプライズ。発表までドル円上昇続いていたことでSell the factのためか初動ドル円急落。しかし、強い数値の影響で再びドル円急騰。

24:00 経済指標
米国新築住宅販売件数1月度
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として中古住宅販売件数とともに重要。
件数:前回61.6万件(改定62.5)、予想61.8万件、結果67.0万件(◎)
前月比:前回2.3%(改定7.2)、予想0.6%、結果7.2%(○)

24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値2月度(Bloomberg
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回66.4、予想66.4、結果67.0(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測確報値2月度
1年先:前回4.2%、予想4.2%、結果4.1%(×)
5年先:前回2.9%、予想2.9%、結果2.9%(○)

24:02~ 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Bloomberg
「PCE結果は、FRBより多くの事を実施することが必要と示唆」

【考察】タカ派発言でドル円上昇。

24:15~ 要人発言
米国ジェファーソンFRB理事
「賃金の伸びは依然として高すぎる」
「高インフレが緩やかにしか低下しない可能性を示唆」

【考察】タカ派発言でドル円上昇。

25:00 月末・週末ロンドンフィックス
月末・期末・年末はリバランス(大口投資家のポートフォリオ調整)で為替取引が活発になり旧変動しやすい。

25:32~ 要人発言
米国ブラード・セントルイス連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Bloomberg
「軟着陸が可能」
「信頼できるディスインフレに該当する可能性がある」
「インフレ期待は2021年のインフレショック以前の水準に戻っている」
「迅速に動いて信頼を回復すべき」

【考察】ハト派、タカ派発言

27:30~ 要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
「更なる利上げが必要」
「最近の米経済指標は追加利上げの根拠」

【考察】タカ派発言でドル円上昇

29:30 経済指標
IMM通貨先物(ポジション推移
円ショート縮小

【考察】円買い材料

東京マーケット:植田日銀総裁候補のハト派発言でドル円上昇するも乱高下。内田・氷見野日銀副総裁候補もハト派発言だったが、サプライズなく反応薄。

欧米マーケット:注目されていた日銀正副総裁候補の所信聴取を通過、当面日銀の金融政策継続に変更の可能性は低いと判断されたためか円売り加速しドル円上昇。更に、FRB当局者のタカ派発言、米国PCEデフレータの強い数値でドル円急騰。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. USD(基軸通貨):米国PCEデフレータの強い数値、FRB当局者のタカ派発言で買い
  2. CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
  3. EUR(リスクオン通貨):
  4. GBP(リスクオン通貨):
  5. CHF(リスクオフ通貨):
  6. NZD(資源国リスクオン通貨):
  7. AUD(資源国リスクオン通貨):
  8. JPY(リスクオフ通貨):日銀正副総裁候補のハト派発言で売り。

米国債イールドカーブ

2/24(金)は2/23(木)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド拡大)でドル買い・売り材料交錯。ドルインデックス日足陽線であり金利上昇の影響大。
ドル円日足陽線は強いドル買いを反映。

*逆イールドはリセッションのサイン(Bloomberg

3月FOMCの利上げ幅市場コンセンサスは、25bpsが73.0%、50bpsが27.0%。(CME FedWatch Tool

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:2月陰線形成中。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。
  • 週足:2/20週、陽線形成中。ボリンジャーバンド-1σ上抜け。20MA手前の戻り高値ヒゲ先付近まで上昇。ダウ形成して上昇継続するためにも、今週は一旦下落優勢か。
  • 日足:2/23上長ヒゲ陰線。
  • 4H足:上昇チャネル。
  • 1H足:下降トレンド。
  • 15M足:下降トレンド。

【シナリオ】
①ロング
(A) (B)下落→ダウ転換→4H足レジスタンス134.543をダウで上抜け→目標日足レジスタンス135.000

②ショート
(B)4H足サポート134.543をダウで下抜け→目標日足サポート134.163


【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。

・シナリオ条件未達でトレードなし
・2月通算:9勝5敗1分、勝率64.3%、平均RR 1.76、獲得Pips +192.3


(Trading View)

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