2022年1月5日(水)ドル円初心者戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

7:00 取引時間開始

前日、米国経済指標(ISM製造業景気指数とJOLT労働調査)が弱い結果となったことで、ややインフレ懸念が後退したためか、米国債2年と10年利回り低下、ドル売り、円買い、ドル円下落の流れになりました。

それを踏まえ、本日の仮説です。

  1. 前日NYマーケットの流れを引き継ぐ→ドル円下落継続
  2. 本日の注目イベントである米国ADP雇用者数と米国FOMC議事要旨公表前の取引手控え→ドル円動き小、レンジ推移
  3. イベント前に、前日まで多くドル円が大きく上昇したことで含み益が膨らんでいるロング勢の利確→ドル円下落
  4. イベント好結果の期待で織り込み買い→ドル円上昇

1. の影響は一時的で米国テーパリングと利上げを意識した流れが強いと考えていますので、4.が優勢と推測しています。

東京マーケット

8:16 報道(海上保安庁):政府 北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射と発表
予測不能な突発材料。始値116.089から五十日仲値に向けて順調にドル円上昇していましたが、水を差すリスクオフ円買い材料が発生しました。116.236までの上昇(14.7pips)から下落に転じました。

9:55 仲値
見通し:今年初の五十日。強いドル円上昇が続いていますので、仲値通過後にドル円下落が生じても、押し目買い強さは続きそうです。
しかしながら、本日の注目イベントは、米国ADP雇用者数と米国FOMC議事要旨公表です。
よって、押し目買いが入ったとしても、これら注目イベントの前には、積極的なドル円取引は控えられるか、急騰したドル円で大きな含み益を得たロング勢の決済で大きめの調整下落が生じる可能性も考えられます。

結果:北朝鮮のミサイル発射報道で116.236から116.119まで下落(11.7pips)したものの、何とか持ち直し仲値時点で116.190まで持ち直しましたが、仲値通過後は下落の流れは続きました。

11:15 報道(日経新聞):国内のオミクロン型感染、累計1191人
11:19 報道(日経新聞):沖縄知事「まん延防止」要請へ
14:19 報道(日経新聞): 大阪府、5日の新規感染244人 知事「第6波入り口」

世界各地で新型コロナ感染急拡大しているため、日本でも容易に起こり得る材料でしたが、しかし、一気に国内報道が相次ぐとは予想外でした。
日本全国で新型コロナ感染が急拡大の報道が相次ぎ、リスクオフ円買いに繋がる可能性が出てきたと考えます。明日の日経平均株価への悪影響がどこまで生じるか注視したい。

欧州マーケット

19:37 報道(Yahoo): 東京「まん延防止」要請へ
またもリスクオフ材料。やはり、明日の日経平均株価下落、円買い、ドル円下落が生じるか見ておきたい。

21:00 経済指標:米国MBA住宅ローン申請件数
見通し:前回-0.6%、予想 -。注目度が高い材料ではありませんが、インフレとの関係性は高いと考え、米国債金利の動きを見る程度の予定です。
結果-5.6%。2017年11月以来の低い数値でしたが、米国債2年と10年債利回りやや上昇、ドル買い円売り、ドル円上昇の動きになりました。Buy the factなのでしょうか。

22:15 経済指標:米国ADP雇用者数
見通し:前回53.4万人、予想42.0万人。2021年9月からは予想より強い結果が続いており、今回も同じ流れなら強い結果となりそうです。そうなると、1/7(金)米雇用統計への期待感から織り込みのドル円買いが生じるかもしれません。

結果80.7万人、前回改定50.5万人。サプライズの大幅増で、初動は米国債2年と10年債利回り急騰、ドル買い、円売り、ドル円上昇。
しかしながら、サプライズの割には強いドル買いが続かず、ドル円は全戻しの下落。1H足レジサポ115.919からの戻り売り勢が強かったということになりますが、強いドル買い材料になる結果と思いましたが、当てが外れました。
その後は、またドル買い優勢となりドル円上昇へ。短時間で20pips以上変動したことで、手を出しずらい環境でした。

NYマーケット

23:45 経済指標: 米国サービス部門PMI【確報値】
見通し:基準50.0、前回57.5、予想57.5。後にFOMC議事要旨公表が控えており、余程のサプライズがないとドル円の動きは生じにくいと考えます。
結果57.6。ほぼ予想通りで材料になるような結果ではなかったと考えます。

28:00 経済指標: 米国FOMC議事要旨公表
見通し:FEDバランスシートに関わる議論が注目されているようです。もし、QT(Quantitative Tighting、資産縮小)に対して具体的で前向きな言及があれば、強い米国債金利上昇とドル買いに繋がると考えます。

結果:早期利上げ、バランスシート縮小の可能性に言及→米利上げ織り込み→米国債2年と10年国債利回り急騰、米主要三指数急落→ドル買い、株売り、円売り→ドル円上昇
しかし、米株価指数急落→リスクオフ円買い→ドル円上昇動き鈍い。

ドル、円材料まとめ

ドル買い材料

  • 金融政策
    • テーパリング加速決定:2021.12.15 FOMCで、2022年3月終了に前倒し
    • 政策金利:2021.12.15 FOMCで2022年末までに0.25%ずつ3回利上げ方針
    • 米国FOMC議事要旨公表(1/5)→3月利上げ開始の可能性示唆、QT言及→利上げ織り込み増加
  • 経済
    • 暖房用と米経済回復による原油需要拡大→需要ひっ迫警戒感→原油価格上昇→インフレ高進懸念→米利上げ織り込み→米国債金利上昇
    • 米国債利回り急上昇、22年最初の取引-早期利上げ観測強まるとの見方(1/4, Bloomberg)
    • 米国インフレが一時的(transitory)でなく持続的:エネルギー需要増&供給不足、労働賃金上昇→利上げ観測前進
    • 米国ADP雇用者数が強い数値(1/5)→米国雇用統計(1/7)期待感で織り込み増加
  • 要人発言
    • 米FRB関係者のタカ派転換発言
  • 新型コロナ
    • オミクロン株はデルタ株に比べて重症化事例が少ない→経済活動回復期待
    • ワクチンや経口薬開発が進んでいる→経済活動回復期待

ドル売り材料

  • 経済
    • 米国貿易赤字が過去最大規模
  • 新型コロナ
    • オミクロン株の感染拡大や重症化リスクが払拭されていない→経済活動停滞や景気回復鈍化懸念→利上げ時期後退の可能性
    • オミクロン株はデルタ株より入院率は低いが医療システム逼迫懸念
  • 地政学リスク
    • 台湾情勢を巡る米中関係やウクライナ情勢を巡る露・欧米関係の緊迫化

円買い材料

  • 金融政策
    • 米国FOMC議事要旨公表(1/5)→3月利上げ開始の可能性も示唆→株価指数急落→リスクオフ
  • 新型コロナ
    • 世界中で新型コロナのオミクロン株感染拡大:英国やドイツでもロックダウンが実施されるようなら株価下落でリスクオフ円買いあり得る。
  • 地政学リスク
    • 台湾情勢を巡る米中関係やウクライナ情勢を巡る露・欧米関係の緊迫化
  • IMM通貨先物
    • 12/28時点、円ショートポジション縮小

円売り材料

  • 金融政策
    • 2021.12.17 日銀金融政策決定会合で、金融緩和継続方針の決定
    • 日本以外でテーパリングや利上げ実施する国が増加→円を売って海外通貨買って利回りが良い海外国債などに投資した方が良い
  • 要人発言
    • 2021.12.17 日銀金融政策決定会合で、黒田総裁が円安容認発言→発言直後、円売りが強まりドル円上昇となった。
  • 経済
    • 原油など資源価格高騰→輸入物価上昇→資源輸入への支払い増→日本の経常収支悪化

「米テーパリング・利上げ」や「新型コロナ関連」が材料として重要度が高いと考えますが、総合的には、米テーパリングや利上げ予定のドル買い材料が最も強いと推測します。
特に、米国FOMC議事要旨公表での月利上げ開始の可能性示唆は、ドル買いを強く後押しする材料になったと考えます。

テクニカル分析

ドル円チャート

月足: 大陽線で上昇トレンド中。
週足: 5週連続陽線形成中。強い上昇トレンド継続。
日足: 大陽線でボリンジャーバンド+2σバンドウォークでトレンド継続。
4H足: 前日までのトレンドラインよりも急角度で強いトレンド継続。
1H足: トレンドラインを若干下抜けてレンジ形成中。レンジ上限116.297
15M足: レンジ中。

見通し:ファンダメンタルズ分析ではドル買い優勢と推測していますので、ドル円も買い目線継続です。
1H足レンジ実体上限116.297上抜けるか、1H足20MA付近で強い反発が生じればロング狙い予定です。一方で1H足トレンドラインかつラウンドナンバー116.000を下抜けならショート狙いの予定です。
しかし、注目イベントは、米国ADPと米国FOMC議事要旨公表ですので、それまでは多少動きが出てもスルーする可能性は高いです。

結果:強い上昇トレンドが続く見通しに反して、あっさりと1H足トレンドラインかつラウンドナンバー116.000を下抜けました。
よって、見通し通り、115.733までの下落調整のショート狙いを検討することにしました。

14:00頃、1H足で綺麗な下降ダウを形成し、かつ20MAで上ヒゲピンバーで反発する場面がありました。
その後、17:00には5M足でCup&Handleを形成したことで116.034付近からショートしたかったですが、下値が堅く再び1H足レンジ上限を目指す可能性を捨てきれませんでした。
加えて、116.034ショート狙いたいタイミングが欧州マーケートオープンの17:00と重なり、方向性が一気に変わる可能性を捨てきれずショート見送りました。
結果的に下落して115.733到達しました。前日までの強烈な円売りと打って変って、本日は強い円買いが続いていたことを考えると、ドル円ショートはリスクを取る価値があったと反省しています。
一方で、28:00 米国FOMC議事要旨公表後の、米国債長短金利上昇、ドル買いを見てロング保有中しましたが、思ったよりドル円上昇が鈍い。ストップロスに遭う可能性もあります。

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