ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. 経済指標・要人発言
9/13の注目材料であった米国消費者物価指数8月度(CPI)は「全て強い数値→米国債利回り急騰→強いドル買い・円売り→ドル円急騰」になりました。インフレ抑制期待は完全に挫かれて、本日も降もドル円上昇トレンドが続く可能性は高いと考えます。
この結果に伴い、9月FOMCでの利上げ100bps織り込み確率「0→34%」へ急騰し、75bps織り込み「91→66%」へ急低下(CME FedWatch Tool)。
こうなると、6月FOMC直前に75bp利上げをリーク報道したウォールストリート・ジャーナル紙のニック・ティミラオス記者が、今回もリーク記事を担うのか、いつ出すのかに注意したい。
また、9月FOMC前に145円台をあっさり上抜けする可能性が見えたことから、強い円安牽制発言が頻発することも想定されます。強い円安牽制発言がドル円押し目形成を担ってくれることに期待します。
本日最大の注目材料は米国生産者物価指数(PPI)。注目度は米国CPIより低いものの、サプライズ数値が出れば「9月FOMCでの想定利上げ幅100bsp織り込み加速→ドル買い→ドル円上昇」と想定します。弱い数値が出ても、押し目にしかならないと想定して下げ止まりからのロングを考えたい。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:31 要人発言(Bloomberg)
神田財務官
「あらゆるオプションを排除せずに適切な対応をしたい」
【考察】 東京マーケットオープン前に不意打ちの円安牽制発言でドル円下落。
8:50 経済指標
日本機械受注7月度
前月比:前回0.9%、予想-0.7%、結果5.3%(◎)
前年比:前回6.5%、予想6.7%、結果12.8%(◎)
東京マーケット(9:00~15:00)
10:14 要人発言
日銀、国債買い入れオペ増額を通達
【考察】円安牽制の中、円売りでドル円上昇
11:10 要人発言
松野官房長官
「為替の急速な変動は望ましくない」
「過度な変動を憂慮しており、高い緊張感をもって注視」
【考察】円安牽制発言
12:31 要人発言
鈴木財務相
「為替の急激な変動は好ましくない」
「あらゆる手段の中には為替介入も含んで対応する」
【考察】 為替介入に言及した強い円安牽制発言でドル円下落
13:29 報道(日本経済新聞)
日銀、円買い介入に向けた「レートチェック」
【考察】今までにないサプライズの円安牽制でドル円急落。
14:00 経済指標
日本鉱工業生産確報値7月度
前月比:前回1.0%、予想1.0%、結果0.8%(✕)
前年比:前回-1.8%、予想-1.8%、結果-2.0%(✕)
日本設備稼働率確報値7月度
前月比:前回9.6%、予想9.6%、結果2.4%(✕)
16:26 要人発言
松野官房長官
「日銀と緊密に連携しつつ市場動向を注視」
「レートチェックについてコメント控える」
「為替、ファンダメンタルズに沿った安定的な推移が重要」
「あらゆる措置を排除せず必要な対応」
【考察】円安牽制発言
17:45 要人発言(Bloomberg)
岸田首相
「円安メリットを生かした国内への企業強化」
「インバウンド回復強化を」
【考察】インバウンド強化→外国人観光客増加→外貨の円替え増加で円買い材料。
欧州マーケット(16:00~25:00)
18:22 要人発言(Bloomberg)
鈴木財務相
「トレンドが円安に向かっている」
「急激な動きが継続する場合にはあらゆる措置を排除せず対応」
「急激な変動は望ましくない」
「レートチェックついてはコメントしない」
「為替介入、やるときは間髪入れずに瞬時に実施する」
【考察】ドル円押し目買いが見られたタイミングを計ったように為替介入に言及し強い円安牽制でドル円下落に回帰。
19:02 要人発言(Reuters)
神田財務官
「投機によるものには必要な措置を取らざるを得ない」
「為替の過度な変動、無秩序な動きは経済・金融に有害」
「今後、しかるべき対応をとる」
「あらゆるオプション排除せず、今後しかるべき対応をとる」
【考察】円安牽制発言
20:00 経済指標
米国MBA住宅ローン申請指数:住宅販売数件数や住宅着工件数の先行指標
前週比:前回-0.8%、結果-1.2%(✕)
21:30 経済指標(Bloomberg)
米国生産者物価指数(PPI)8月度
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回-0.5%(改定-0.4)、予想-0.2%、結果-0.1%(◎)
前年比:前回9.8%、予想8.8%、結果8.7%(✕)
コア前月比:前回0.2%(改定0.3)、予想0.2%、結果0.4%(◎)
コア前年比:前回7.6%(改定7.8)、予想7.1%、結果7.3%(○)
【考察】
発表前:10/13の米国CPIを受けてドル円急騰後、政府・日銀から相次ぐ円安牽制やレートチェック報道を受けて介入懸念から15M足下降チャネル形成。直前はチャネル上限付近。
発表後:総じて予想より強い数値。チャネル上限抜けて強い上昇期待ありましたが、介入懸念が強く、ドル円下落。目の前の指標結果だけなく、その前からの環境把握が重要と言える例。
NYマーケット(22:30~29:00)
23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
「在庫増→需要低迷・供給過多→原油・ガソリン売り材料→ドル売り材料」、「在庫減→需要増・供給不足→原油・ガソリン買い材料→ドル買い材料」
原油在庫:前回884.5万バレル、予想249.9万バレル、結果244.2万バレル(✕)
ガソリン在庫:前回33.3万バレル、予想-124.0万バレル、結果-176.8万バレル(✕)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- JPY(リスクオフ通貨):日本要人の相次ぐ強い円安牽制発言で買い。
- GBP(リスクオン通貨):
- AUD(資源国リスクオン通貨):
- EUR(リスクオン通貨):
- NZD(資源国リスクオン通貨):
- CAD(資源国リスクオン通貨):
- USD(基軸通貨):
- CHF(リスクオフ通貨):
米国債イールドカーブ
9/14(水)は9/13(火)に対してツイスト(短期金利上昇、長期金利低下、長短金利差拡大)。2年と10年利回りの逆イールド継続。
・ドルインデックス:日足下ヒゲ陰線。ダウ転換しており上昇の可能性高そう。
・米国債2年利回り:日足小陽線。上昇トレンド継続。
・米国債10年利回り:日足十字線。上昇トレンド継続。
引き続き、「米国債利回り上昇→ドル買い」継続の可能性高い。
テクニカル分析
ドル円トレード
- 月足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
- 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォーク。
- 日足:9/13大陽線。ボリンジャーバンド+1σで支えられており上昇トレンド継続。
- 4H足:ボリンジャーバンド横向きレンジ。
- 1H足:ボリンジャーバンドエクスパンションで上昇トレンド。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしレンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レジスタンス144.825上抜け→レジサポ→目標週足レジスタンス145.220
(B)週足レジスタンス145.220上抜け→レジサポ→目標ラウンドナンバー146.000
②ショート
(C)1H足サポート143.896下抜け→レジサポ→目標1H足サポート143.477
但し、ドル円上昇圧力が強いためロング狙い優先。ショートは慎重に狙いたい。
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー
トレード1
ロング:144.814
S/L :144.607
獲得pips:-20.7
考察:前日の強い米国CPIに乗ってドル円上昇を見込んでいた中、東京マーケットオープン前に円安牽制発言でドル円急落。
9月通算:5勝4敗1分、勝率55.6%、平均RR2.30
9月獲得pips:+114.8
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