ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
ロシアにとって重要な5/9「戦勝記念日」に勝利宣言する可能性が浮上しており、ロシアはウクライナ東部への大規模攻撃を開始、首都キーウ含めた中枢への攻撃も明言。
4/26は「ロシアがポーランドとブルガリアへのガス供給を4/27に停止すると予告」したことが強いリスクオフ材料。欧州通貨売り、リスクオフドル買い・円買いでドル円が不安定になりやすいと考えます。
2.円買い・円売り
①日本の金融緩和継続(指し値オペ実施通告)、②安全資産としての円魅力低下、③日本の経済成長率低下、④日本の貿易収支悪化(特にエネルギーや食料価格高騰)が円売り要因。
①~④のいずれも改善が見えないことから、円売りが続く可能性が高い。
4/26も日本要人から円安牽制発言は同じ内容の繰り返しですが、円買い効果が出たりでなかったりと、まちまな動き。口先だけの円安牽制発言は本質的な問題解決には繋がらないことから、一時的にドル円が下落しても、押し目買いの良い材料になると考えます。
また、4/25に続いて4/26も「中国での新型コロナ感染拡大でロックダウン→世界の景気減速懸念→世界株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」が見られたことから、思ったよりも②安全資産としての円魅力はまだ続いているようです。
本日も東京マーケットでも「株先物・株価指数下落→円買い」主導によるドル円下落の流れを引き継ぐと考えます。
3. 経済指標・要人発言
複数の米国経済指標発表が予定されており、「サプライズの強い結果→ドル買い→ドル円上昇」や「サプライズの弱い結果→ドル売り→ドル円下落」を想定します。
総じて、リスクオフドル買い・円買いでドル円の方向性は分かりにくいですが、株先物や株価指数の下落トレンドが続くならドル円下落、株先物や株価指数買戻しが発生するならドル円上昇を考えたい。
マーケットの動き
東京マーケット前
6:00 取引開始
・ドル円: 127.224 (前営業日終値 127.196 から +2.80 pips )
・米国債2年利回り: 2.479 %
・米国債10年利回り: 2.726 %
・ドルインデックス: 102.358
【考察】
ドル円ギャップアップスタート。
ドルインデックスは強い上昇トレンド中。
株先物や株価指数次第ではありますが、ドル買い円買いでドル円の動きが分かりにくくなる局面はスルーで、ドル買い円売りにになったタイミングでのエントリーを考えたい。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 127.265 (始値比 +4.10 pips )
・米国債2年利回り: 2.481 (始値比 +0.002 % )
・米国債10年利回り: 2.749 (始値比 +0.023 % )
・ドルインデックス: 102.306 (始値比 -0.052 )
・日経平均株価: 26313.14 (前日営業日終値 26700.04 から -386.90 )
・TOPIX 1853.39 (前日営業日終値 1878.51 から -25.12 )
【考察】
「ドル売り」「円売り」で強さ「ドル>円」によって、ドル円上昇トレンド継続。
前日米国主要3指数急落を引き継いで、日本株価指数もギャップダウンスタート。
しかし、4/25~26と異なり「株価指数下落→リスクオフ円買い」でなく、「株価指数下落→円売り」の動き。
9:55 仲値
・ドル円: 127.615 (始値比 +39.10 pips )
(東京マーケット始値比 +35.00 pips )
【考察】
仲値に掛けて「ドル買い」「円売り」でドル円上昇継続し、1H足戻り高値実体127.588到達。
1H足戻り高値実体付近は1H足20MAかつ切り下げラインと重なる位置だったこともあり、仲値通過後はドル円下落。
10:10 要人発言
日銀、指値オペ通告
【考察】
円売り材料ですが、想定通りのためか反応薄。
11:45
ドル円127.354まで下落した後、「米国債利回り2年,10年上昇→ドル買い」「円売り」となり、15M足トレンドラインで支えられ、1H足戻り高値実体128.588かつ切り下げラインを大陽線でブレイクアウト。
4H・1H足戻り高値実体128.091手前の127.789まで上昇。
この時、株先物(ダウ、日経)上昇が株価指数下落の動きとなって分かりずらい。「先物(ダウ、日経)上昇→円売り」で見た方が良い日かもしれない。
13:00
ドル円1H足戻り高値実体128.091手前の15M足200MA付近127.818で反発時に、15M足で陰線包み足を形成したためか下落優勢。
「米国債利回り2年,10年上昇→ドル売り」でちぐはぐな動き。「株先物(ダウ、日経)と株価指数は動き低→円買い」でわかりにくい動き。
14:30
ドル円127.476まで下落した後、再び上昇に転じ、1H足で下ヒゲピンバー形成し1H足戻り高値実体127.588に対して綺麗なダウでレジサポ、かつ右上がりトレンドラインで反発。
15:00 クローズ
・ドル円: 127.714 (始値比 +49.00 pips )(東京マーケット比 +44.90 pips )
・米国債2年利回り: 2.565 (始値比 +0.086 % )
・米国債10年利回り: 2.768 (始値比 +0.042 % )
・日経平均株価: 26386.41 (前営業日比 -313.63 、 -1.17 %)
(東京マーケット始値比 73.27 、 +0.28 %)
・TOPIX 1860.76 (前営業日比 -17.75 、 -0.94 %)
(東京マーケット始値比 7.37 、 +0.40 %)
【考察】
ドル円はテクニカル的に上昇しやすい形になったことで、一気に4H・1H足戻り高値実体128.091へ到達。その後は、決済も入ったためか15M足20MA付近127.724まで下落したものの下げ止まって、15Mレンジ形成。
欧州マーケット(17:00~25:30)
17:00 オープン
・ドル円: 127.99 (始値比 +76.60 pips )
・米国債2年利回り: 2.595 (始値比 +0.116 % )
・米国債10年利回り: 2.782 (始値比 +0.056 % )
【考察】
ドル円ラウンドナンバー128.000かつ4H・1H足戻り高値実体128.091手前で15M足レンジ形成。戻り売り圧力も強い位置でレンジブレイクまで様子見が適切。
20:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国MBA住宅ローン申請指数:前回-5.0%、予想-、結果-8.3%(✕)
【考察】
注目度は低い指標のため悪い数値でも反応薄。
21:30 経済指標
米国卸売在庫(速報値)3月度:前回2.5%(改定2.6)、予想1.5%、結果2.3%(○)
【考察】
サプライズの強さでなかったことと、リスクオフドル買い円買い、かつ強さ「円>ドル」によってドル円下落。
NYマーケット(22:30~29:00)
22:30 オープン
・ドル円: 128.141 (始値比 +91.70 pips )
・米国債2年利回り: 2.524 (始値比 +0.045 % )
・米国債10年利回り: 2.759 (始値比 +0.033 % )
・ダウ平均: 33450.92 (前営業日終値 33240.19 から +210.73 )
・S&P500: 4186.52 (前営業日終値 4175.21 から +11.31 )
・ナスダック: 12500.88 (前営業日終値 12490.74 から +10.14 )
【考察】
「米国債利回り2年,10年上昇→しかしドル売り」、「米国主要3指数上昇→円売り」でドル円上昇。しかし、1H・4H足戻り高値128.091を超えては抑えられ売り圧力強。
米国主要3指数ギャップアップスタート。
23:00 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国中古住宅販売成約件数3月度: 注目度が高い中古住宅販売件数の先行指標。
前回-4.1%(改定-4.0)、予想-1.0%、結果-1.2%(△)
【考察】
指標結果は特に影響せずに、リスクオフドル買い円買い、かつ強さ「円>ドル」によってドル円下落。
23:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回-802.0万バレル、予想-0.0万バレル、結果69.1万バレル(◎)
ガソリン在庫:前回-76.1万バレル、予想100.0万バレル、結果-157.3バレル(✕)
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 128.372 (始値比 +114.80 pips )
・米国債2年利回り: 2.548 (始値比 +0.069 % )
・米国債10年利回り: 2.791 (始値比 +0.065 % )
26:00 経済指標
米国5債年入札490億ドル
前回2.543%、結果2.785%(✕)
【考察】
入札不調で「米国債5年利回りだけでなく2年,10年利回り上昇」でしたがドル買い反応薄。
29:00 NYクローズ
・ドル円: 128.309 (始値比 +108.50 pips )
・米国債2年利回り: 2.585 (始値比 +0.106 % )
・米国債10年利回り: 2.818 (始値比 +0.092 % )
・ダウ平均: 33302.67 (前営業日比 +62.48 、 +0.19 %)
(NYマーケット始値比 -148.25 、 -0.44 %)
・S&P500: 4183.95 (前営業日比 +8.75 、 +0.21 %)
(NYマーケット始値比 -2.57 、 -0.06 %)
・ナスダック: 12488.94 (前営業日比 -1.80 、 -0.01 %)
(NYマーケット始値比 -11.94 、 -0.10 %)
【考察】
リスクオフ後退したことで米国主要3指数は大きく買い戻し。4/28の日本株価指数も買い優勢になりそう。
リスクオフ後退によってリスクオフドル買い円買いは小さくなったものの、米利上げ期待のドル買いとリスクオフ後退円売りによって、ドル円日足大陽線で引けとなりました。4/28もリスクオフ後退が続くならドル円上昇しやすいと考えます。
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日4位
- USD(基軸通貨):前日2位
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日5位
- GBP(リスクオン通貨):前日8位
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日7位
- CHF(リスクオフ通貨):前日3位
- EUR(リスクオン通貨):前日6位
- JPY(リスクオフ通貨):前日1位
【考察】
4/25, 26の世界株価指数急落から買戻しが入りリスクオフ後退、リスクオフJPY買いなくなり最下位に急落。
世界株価指数急落リスクオフ後退でも米利上げ期待でUSD買い継続。
ロシアがポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止したことでエネルギー供給不安と経済指標悪化を受けてEUR売り加速。
エネルギー供給不安から原油先物価格上昇しCAD買い。
米国債イールドカーブ
4/27(水)は4/26(火)に対して、ベア・スティープニング(短期金利上昇、長期金利上昇、長短金利差拡大)。
*ベア・スティープニング:直近の景気良好→景気過熱抑制のために政策金利上げの可能性浮上→長短金利上昇→長期金利高く将来も利上げ見込み→好景気継続→リスクオン→ドル買い示唆
【考察】
4/27は米国債利回りが上昇に転じイールドカーブ通りのドル買い。4/25,26のような「リスクオフドル買い」と「米国債買い→利回り低下→ドル売り」が交錯しなければ、4/27もドル買い優勢か。
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
- 週足:ボリンジャーバンド+2σをバンドウォークし強い上昇トレンド。
- 日足: 日足トレンドラインかつボリンジャーバンド+1σを大陰線で下抜け。
- 4H足:下降チャネルで下落中。
- 1H足:下降チャネルで下落中。
- 15M足:ボリンジャーバンドエクスパンションし強い下降トレンド。
【シナリオ】前提:リスクリワード2.0以上
①ロング
(A)4H足下降チャネルかつ戻り高値127.588上抜け→レジサポ→目標4H足戻り高値実体128.091。
(B)4H足戻り高値実体128.091上抜け→4H足20MA反発、レジサポ→目標日足戻り高値実体128.878。
②ショート
(B)1H足押し安値127.162下抜け→レジサポ→目標4H押し安値実体126.530。
日足上昇トレンドが崩れたためショート優先。「株先物・株価指数上昇→リスクオン円売り」となればドル円上昇しやすくロング狙いを考えたい。
【考察】
14:00 4H足下降チャネルかつ戻り高値127.588上抜け→レジサポ→127.615から(A)ロング可。
T/P(目標128.091-127.615=47.6pips)
S/L(47.6/2=23.8pips、127.615-0.238=127.337)
15:30 127.486まで下押し後、目標4H足戻り高値実体128.091到達。(A)ロング成立。
23:45 4H足戻り高値実体128.091上抜け→4H足20MA反発、レジサポ→128.183から(B)ロング可。
T/P(目標128.878-128.183=69.5pips)
S/L(69.5/2=34.75pips、128.183-0.3475=127.846)
4H足戻り高値ヒゲ先128.501に押し戻された後、上昇に転じたものの、4/27は目標日足戻り高値実体128.878に届かず引け。
コメント