2024年10月15日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・米国NY連銀製造業景気指数
・米国Ny連銀インフレ期待調査
・カナダ消費者物価指数

2.要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB

3.その他
・五十日仲値
・衆議院選挙公示
・米国主要企業決算
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②米国経済成長、③インフレ、④円キャリー取引(促進or巻き戻し)、⑤米国大統領選挙、⑥地政学リスクに分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

6:28~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/23, 10/7, 10/14, 10/15)
:政策スタンスはタカ派。前回10/14小幅利下げ支持
プライべートクレジットでシステミックリスク低下-カシュカリ総裁(Bloomberg

【考察】金融政策見通しのコメントなし。

東京マーケット(9:00~15:00)

9:46 報道
エヌビディア製などAI半導体、米政府が国別輸出規制を検討-関係者(Bloomberg

【考察】日本株下落転換に連れてドル円下落

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

20:11 米国主要企業決算
バンク・オブ・アメリカ
売上高:前回254.0億ドル、予想252.5億ドル、結果253.5億ドル(○)
EPS:前回0.83ドル、予想0.76ドル、結果0.81ドル(○)
【決算速報】バンク・オブ・アメリカ、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

20:28 米国主要企業決算
ゴールドマン・サックス
売上高:前回127.3億ドル、予想118.1億ドル、結果127.0億ドル(○)
EPS:前回8.62ドル、予想6.93ドル、結果8.40ドル(○)
【決算速報】ゴールドマン・サックス、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

21:02 米国主要企業決算
シティグループ
売上高:前回201.3億ドル、予想198.4億ドル、結果203.2億ドル(◎)
EPS:前回1.52ドル、予想1.30ドル、結果1.51ドル(○)
【決算速報】シティグループ、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com

21:30 経済指標
カナダ消費者物価指数(CPI)
米国と貿易関係等で密接な関係であり、サプライズの数値は米国インフレの先行指標となり得ることから注目されます。
特に注目度の高い米国経済指標発表がない日は米国債利回りに波及しやすい。但し、あくまでカナダ指標であり短期的な影響に留まりやすい。

前月比:前回-0.2%、予想-0.2%、結果-0.4%(×)
前年比:前回2.0%、予想1.9%、結果1.6%(×)

6/25は米国債利回り上昇波及あり。
7/16は米国小売売上高と交錯につき影響なし。
8/20は米国債利回り低下波及あり。
9/17は7/16と同じく注目の米国小売売上高が材料視。

【考察】弱い数値。

21:30 経済指標
米国NY連銀製造業景気指数
米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標として注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」。
基準0、前回11.5、予想3.4、結果-11.9(×)

【考察】弱い数値。ドル円急落。

23:33 オランダ主要企業決算
ASML、7-9月受注が予想下回る-来年の業績見通し引き下げ(Bloomberg

【考察】予定より1日前倒しの決算発表。米国株下落に連れてドル円下落。

24:00 経済指標
米国Ny連銀インフレ期待調査(NY FED SURVEY OF CONSUMER EXPECTATIONS
1年後:前回3.0%、結果3.0%(○)
3年後:前回2.5%、結果2.7%(◎)
5年後: 前回2.8%、結果2.9%(◎)

【考察】強い数値。

24:30~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:8/269/5, 10/10, 10/15)
:政策スタンスは中立。前回10/10ハト、タカ派発言
サンフランシスコ連銀総裁、経済成長を守るため警戒維持する必要(Bloomberg

【考察】年内1回か2回利下げのハト派発言であるものの、市場観測の年内2回利下げに対してタカ派寄り。ドル円上昇

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値149.83
取引開始直後に日足高値149.84を付けると、前日米国株上昇に連れて日本株上昇するも、前日150円台乗せ失敗でロング勢決済又は150円台目前の政府・日銀円安牽制警戒推測)、原油先物価格下落に連れて日通し安値149.44へ下落。
日本株持ち直すも米国政府のAI半導体国別輸出規制検討報道から日本株下落に転じて、ドル円揉み合いで引けました。

【日本市況】日経平均一時4万円台、リスク志向-けん制警戒で円戻す(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープンすると、欧州株下落、原油先物価格下落に連れて日足安値148.85へ急落。
一方、米国企業好決算期待の織り込みから日本・米国株先物上昇が強まり、バンク・オブ・アメリカとゴールドマン・サックス、シティーグループ好決算が伝わると149.42へ急上昇。

その後、米国NY連銀製造業景気指数(弱)とカナダ消費者物価指数(弱)、ASML受注額減報道、米国Ny連銀インフレ期待調査(強)、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言交錯し、ドル円乱高下で引けました。
日足終値149.22

【米国市況】株反落、ASMLショックで半導体下落-ドル149円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国NY連銀インフレ期待調査(強)
・米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言

売り材料:
・米国NY連銀製造業景気指数(弱)
・カナダ消費者物価指数(弱)→米国10年債下落波及
・原油先物価格急落→インフレ懸念後退
原油が一時5%安、イスラエルはイラン石油施設標的にせずと報道(Bloomberg
石油巡る地政学的リスク、潤沢な供給が打ち消し-IEA月報(Bloomberg

<円買い優勢>
買い材料:
・150円台目前の政府日銀円安牽制警戒→日本10年債利回り上昇
・米国政府、AI半導体国別輸出規制検討報道→日本株下落
・ASML受注額減報道→欧米国株下落(円キャリー巻き戻し)
・原油先物価格急落→日本貿易収支改善

売り材料:
・10/14前日米国株上昇に連れた日本株上昇(円キャリー促進)
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利475-500bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回11月7日(木)公表:据え置き16.4→2.5%、25bps引き下げ83.6→97.5%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:10月陽線形成中。レンジ。20MA付近。
  • 週足:10/14週、陽線形成中。レンジ。戻り高値付近
  • 日足:10/14陽線。上昇トレンド。
  • 4H足:上昇チャネル。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足押し安値149.397付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値149.743
(B)4H足押し安値149.074付近へ下落→転換上昇→目標1H足押し安値149.397

②Short
(C)1H足レンジ安値149.743かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値149.397
(D)1H足押し安値149.397かつ4H足20MAをダウ下落→目標4H足押し安値149.074

本日:2勝1敗、+23.5pips
10月通算:10勝9敗、勝率52.6%、RR2.08 、+130.4pips

(Trading View)

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