2024年5月7日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)5/6の欧米マーケット影響
米国ソフトランディング期待を材料視した欧米株上昇リスクオン円売り継続し、日通し高値154.01へ到達。但し、英国祝日休場の薄商いの中、政府・日銀為替介入警戒感は依然として高く、154円付近では揉み合い。NYマーケット引けに掛けて中東地政学リスクの要人発言や報道相次ぎましたがドル円反応薄。
日足終値153.90

(2)経済指標
・日銀、国債買い入れオペ
・米国3年債入札

(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人

(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は上値の重い展開か、低流動性下での介入リスクに警戒(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利に上昇圧力、日銀のオペと主な意見に注目(Bloomberg

本日の注目材料は4点。

①政府・日銀為替介入観測
4/29に続き、5/1も政府・日銀為替介入観測発生しました。市場ではあと1回は為替介入実施の可能性が高いとの見方もあります。加えて、リパトリ減税報道や追加利上げ前倒し観測も出てきており、IMM通貨先物4/30時点円ショートも縮小しました。従って、円買い主導のドル円下落は生じやすい環境です。
但し、152、151円台はドル安値を買い損ねていた実需勢の好機には変わりなく、急落が生じれば押し目買いが入りやすい展開を想定します。

加えて、休場中5/4には米国イエレン財務長官より強い為替介入牽制発言(前回4/25牽制発言)が出ました。5/6はこの発言を受けてか介入警戒後退し強い円売り発生。本日も4連休明けの東京マーケットでは強い円売り継続を警戒して、政府・日銀から円安牽制発言が出そうですが実介入なければ押し目買いの好機になりやすい。

米財務長官、為替介入「まれであるべきだ」-慎重姿勢示す(Bloomberg

②5/3米雇用統計(弱)の影響継続
5/6はソフトランディング期待を材料視したリスクオンの欧米株上昇で終えました。4連休明けの日本株も上昇しやすく(TOM効果の新NISA買い付けもあり)、リスクオン連れた円売り主導のドル円上昇が期待されます。

③米国要人発言
5/3米国雇用統計(弱)を受けてもFRB要人タカ派発言相次いでおり、本日もタカ派発言を想定。下押ししたタイミングでのタカ派発言であれば押し目買いの好機と推測します。

④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。

総じて、政府・日銀の強い円安牽制や実為替介入もしくは確度の高い追加利上げ観測報道以外にドル円下落の材料に乏しく、ドル円上昇優勢と考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:08~要人発言
神田財務官
(過去の発言:3/53/253/273/294/114/154/174/184/294/30, 5/2, 5/7)
:前回5/2円安牽制発言。為替介入有無へのコメントなし。
神田財務官:イエレン財務長官の介入巡る慎重発言に「コメントしない」(Bloomberg

【考察】円安牽制発言。為替介入有無へのコメントなし。

東京マーケット(9:00~15:00)

10:10 要人発言
日銀、国債買い入れオペ通知
1~3年債:前回3750億円、結果3750億円(○)
5~10年債:前回4750億円、結果4750億円(○)
10~25年債:前回1500億円、結果1500億円(○)

【考察】
発表前:前営業日5/4米イエレン財務長官からの強い為替介入牽制発言、発表前の神田財務官から円安牽制発言なし。為替介入警戒感後退の環境。
発表後:買い入れ額据え置き。ドル円上昇。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

17:03 報道
植田日銀総裁、首相官邸入り

【考察】警戒感からドル円下落。

17:33~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:2/62/92/162/222/293/53/73/123/133/193/213/223/274/44/54/84/94/104/184/23, 4/26, 5/7)
:前回4/26ハト派発言。
植田日銀総裁が首相と為替を議論、基調物価への影響を注視-連携確認(Bloomberg

【考察】円安牽制発言。但し、警戒されるような内容はなく安心感から押し目買い入りドル円上昇。

22:02~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:2/52/62/73/64/4, 4/18, 5/7)
:政策スタンスはタカ派。前回4/18タカ派発言。
ミネアポリス連銀総裁、政策金利を「長期間」据え置く可能性高い(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円下げ止まりから上昇。

24:15~要人発言
イスラエル・ネタニヤフ首相
「ハマス提案はイスラエルの要求に遠く及ばない」

【考察】ハマス提案拒否の中東地政学リスクオフ

24:34~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
ミネアポリス連銀総裁、インフレ面での進展失速を断言するのは尚早(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円上昇。

26:00 経済指標
米国3年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

発行額(Offering Amount):580億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.548%、結果4.605%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.50倍、結果2.63倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回60.3%、結果65.52%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+2bps、結果-0.3bps(◎)

【考察】総じて入札好調。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値153.90
取引開始直後に日通し安値153.86を付けると、神田財務官の円安牽制発言あるも、4連休明けの東京マーケットオープン直後に154.29へ上昇。5/3米雇用統計(弱)ソフトランディング期待、5/4米国イエレン財務長官の為替介入牽制発言、安値で買い損ねていた日本実需勢のドル調達が影響した様子。
しかし、前日上値を抑えていた154.00をあっさり突破したことで、政府・日銀為替介入警戒感から153.87へ全戻し下落。
その直後、日銀の国債買入オペ通知の前回から据え置きを受けて、株上昇リスクオンに拍車が掛かり東京高値154.65(日足20MA付近)へ急騰。一方で、日足20MA付近からはロング勢決済や戻り売りも入りやすく東京引けに掛けて揉み合い。

きょうの国内市況(5月7日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
前日5/6同様に欧州オープン直後、日足20MA付近からはロング勢決済や戻り売りは続き、更に植田日銀総裁の首相官邸入り報道を受けて153.97へ再び下押し。岸田首相と植田日銀総裁の会談後、植田日銀総裁ら円安牽制発言は出ましたが、警戒されるような内容はなく安心感から押し目買いが入り、日足20MA付近154.63へ再上昇。
NYマーケットに入ると、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派発言を受けて日足高値154.75へ上昇。
日足終値154.69

総じて、政府・日銀為替介入懸念後退で上値を伸ばしましたが、それでも切番155.00付近での警戒感は強くチャネル状に上昇継続。

【米国市況】円は対ドルで下落、154円台後半-S&P500種は小幅高(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・押し目での日本実需勢のドル調達
・米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派発言

売り材料:

<円売り優勢>
買い材料:
・神田財務官の円安牽制発言
・植田日銀総裁の首相官邸入り報道

売り材料:
・5/4米国イエレン財務長官の為替介入牽制発言→為替介入警戒後退
・5/3米雇用統計(弱)のソフトランディング期待→米利下げ観測後退→日本株上昇リスクオン
・日銀の定例国債買入オペ額据え置き→日本株上昇リスクオン

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回6月12日公表:据え置き91.3%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ48.1%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:5月陰線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:5/6週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:5/6陽線。レンジ。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)切番154.00をダウ上昇→目標日足三尊右肩154.686
(B)1H足押し安値152.815付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値153.511

②ショート
(C)1H足レンジ安値153.511かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値152.815

5月通算:2勝1敗、勝率66.7%、+148.5pips

(Trading View)

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