ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
注目材料
1. ウクライナ情勢緊迫化
前日、予想通り各国から対ロシア制裁が発表されリスクオフが強まりました。しかしながら、ドル買い円買いの綱引きでドル円は方向性が定まらず。
本日も、各国から対ロシア追加制裁が発表されロシアの反発が想定されます。最も気になるのはやはり、大規模な武力衝突の懸念。
ロシアのウクライナ侵攻が開始されるようなことが生じれば大きな衝突に発展し、「強いリスクオフ→株先物・株価指数下落→強い円買い→ドル円下落」と考えます。
対ロシア制裁が弱い、またはロシアのウクライナ侵攻がなければリスクオフ後退で、ドル円上昇と考えます。
マーケットの動き
東京マーケット前
7:00 取引開始
・ドル円:114.995。前営業日終値115.012からギャップアップスタート。しかし、直ぐに上昇して窓埋め。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:00 オープン
・ドル円: 114.898
・日経平均株価:26281.35
9:32 要人発言
米国ブリンケン国務長官
「夜明け前にロシア侵略」
9:55 仲値
・ドル円: 114.931
10:00
ドル円1H足114.927下抜け→レジサポ。テクニカル分析(B)ショート可。
10:45
(B)ショート目標114.714まで下落することなく、114.927から115.119まで急騰。(B)ショート未成立。
11:56 要人発言
露プーチン大統領
「軍事行動を開始」
「ロシアとウクライナの兵士間衝突は避けられない」
12:11 報道
ウクライナ首都キエフで爆発
15:00 クローズ
・ドル円: 114.563
・米国債2年利回り: 1.500%
・米国債10年利回り: 1.878%
・日経平均株価: 25970.60 (前営業日比-478.94、-1.81%)
欧州マーケット(17:00~1:30)
17:00 オープン
・ドル円: 114.626
・米国債2年利回り: 1.520%
・米国債10年利回り: 1.906%
22:30 経済指標
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
米国新規失業保険申請件数:前回24.8万件、予想23.5万件、結果23.2万件(◎)
米国失業保険継続申請件数:前回159.3万件、予想158.0万件、結果147.6万件(◎)
米新規失業保険申請、予想以上に減少-継続受給者コロナ禍の最低(Bloomberg)
米国実質GDP(改定値) 第4四半期
実質GDP:前回6.9%、予想7.0%、結果7.0%(○)
個人消費:前回3.3%、予想3.4%、結果3.1%(✕)
GDPデフレータ:前回6.9%、予想6.9%、結果7.1%(◎)
PCEコアデフレータ:前回4.9%、予想4.9%、結果5.0%(◎)
米GDP、10-12月改定は前期比年率7%増-速報値から上方修正(Bloomberg)
【考察】総じて、強い数値。ドル買い、円売り、ドル円上昇。
NYマーケット(23:30~6:00)
23:30 オープン
24:00 経済指標
米国新築住宅販売件数 1月度:前回81.1万件、予想80.2万件、結果80.1万件(✕)
米新築住宅販売、3カ月ぶり減少-ローン金利上昇の影響示唆(Bloomberg)
24:30 経済指標
米国週間石油在庫統計
原油在庫:前回112.1万バレル、予想44.2万バレル、結果451.4万バレル(◎)
ガソリン在庫:前回-133.2万バレル、予想-150.0万バレル、結果-58.2万バレル(◎)
25:10 要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
「高いインフレと米国経済を考えると金融引き締め必要」
【考察】タカ派発言
25:21 要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁
「インフレ次第で今年4回以上の利上げ支持」
【考察】タカ派発言
25:30 欧州クローズ
・ドル円: 115.411
26:58 要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁
「ウクライナ情勢、インフレ抑制政策に考慮すべき」
【考察】金融引き締め後退の可能性あり。ハト派的。
27:00 経済指標
米国7年債入札:500億ドル、最高落札利回り1.905%
【見通し】
入札良好なら米国債利回り低下、入札不調なら米国債利回り上昇です。
1/24 2年債入札:好調
1/11 3年債入札:好調
1/12 10年債入札:360億ドル、不調
1/13 30年債入札:不調
1/20 20年債入札:好調
1/25 5年債入札:好調
1/27 7年債入札:好調
2/8 3年債入札:500億ドル、好調
2/9 10年債入札:370億ドル、好調
2/10 30年債入札:230億ドル、好調
2/16 20年債入札:230億ドル、好調、最高落札利回り2.396%
2/22 2年債入札:520億ドル、好調、最高落札利回り1.553%
2/23 5年債入札:520億ドル、好調、最高落札利回り1.880%
今年複数回の米利上げが見込まれているにも関わらず、短期・長期に関わらず好調な国債入札が続いています。今回は直後にFOMC議事要旨公表が控えており、結果の好不調に関わらずドル円は動きにくいと推測します。
【考察】「入札好調→米国債7年利回り低下→しかしドル買い」、ドル円動きなし。
27:47 要人発言
米国バイデン大統領
「ロシアのドル、円、ユーロでの取引能力を制限する」
「ロシアの主要5銀行を締め出す」
【考察】対ロシア政策が緩く、ウクライナ情勢悪化にも関わらずリスクオフ後退で米国主要3指数急騰。リスクオフがロシア侵攻までに織り込まれて、侵攻開始のBuy the factになった様子。
30:00 NYクローズ
・ドル円: 115.590
・米国債2年利回り: 1.566
・米国債10年利回り: 1.965
・ダウ平均: 33223.84 (前営業日比+92.07、0.28%)
・S&P500: 4288.69 (前営業日比+63.20、1.50%)
・ナスダック: 13473.60 (前営業日比+436.11、3.35%)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
NYマーケットクローズ時点の通貨強弱
- USD(基軸通貨):前日2位
- JPY(リスクオフ通貨):前日1位
- CAD(資源国リスクオン通貨):前日7位
- CHF(リスクオフ通貨):前日3位
- AUD(資源国リスクオン通貨):前日8位
- EUR(リスクオン通貨):前日5位
- NZD(資源国リスクオン通貨):前日6位
- GBP(リスクオン通貨):前日4位
【考察】
ウクライナ情勢が急速に悪化しリスクオフにも関わらず、通貨はリスクオフ後退の流れ。リスクオフは織り込まれてしまい、その解消が入ったのかも知れません。
米国債イールドカーブ
2/24(木)は2/23(水)に対してブル・スティープニング(短期金利低下、長期金利低下、長短金利差拡大)になりました。
ブル・スティープニング:「米利上げ期待後退→将来の金利も低下見込み→景気後退懸念→リスクオフ→ドル売り」が示唆されます。
テクニカル分析
ドル円チャート
- 月足: ボリンジャーバンド開いており、上昇トレンド継続。上値目処は月足実体上限116.762。
- 週足: トレンドラインで下ヒゲピンバー反発。ボリンジャーバンドスクイーズ中で直近の流れはレンジ。
- 日足: ボリンジャーバンドスクイーズ。20MAで上値を抑えられ陰線コマ足形成。
上値目処は日足戻り高値115.050上抜ければ、次の戻り高値115.605。
チャネル上限かつ日足戻り高値115.050から下落すれば、下値目処日足サポート114.714。 - 4H足:ボリンジャーバンドスクイーズ。戦略は日足と同じ。
- 1H足: ボリンジャーバンドスクイーズ。戦略は日足と同じ。
- 15M足:ボリンジャーバンドスクイーズしつつあり。戦略は日足と同じ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス115.232上抜け→レジサポ→目標日足戻り高値115.605。
②ショート
(B)1H足サポート114.927下抜け→レジサポ→目標4H足サポート114.714。オーバーシュートで1H足サポート114.611。
ウクライナ情勢悪化のリスクオフが強まっており、ショート(B)優先とします。
【考察】
10:00-10:45
ドル円1H足114.927下抜け→レジサポ。テクニカル分析(B)ショート可。しかしながら、ショート目標114.714まで下落することなく、114.927から115.119まで急騰。(B)ショート未成立。
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