ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・日本30年債入札
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国非農業部門労働生産性指数、単位労働コスト速報値
・BOE金融政策委員会
２．要人発言
・政府日銀円安牽制
・田村日銀審議委員
・米国トランプ大統領
・FRB
・ベイリーBOE総裁発言
３．その他
・米国主要企業決算（アマゾン）
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア）
４．参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引（促進or巻き戻し）に分類できます。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
9:58～要人発言
再びデフレに戻らないと言える状況にない、総合的判断必要＝加藤財務相（Reuters）
【考察】デフレ脱却していない、インフレ状態発言が交錯。
10:16～要人発言
米国ジェファーソンFRB理事
（過去の発言：5/20, 10/9, 2/5, 2/6）
：政策スタンスは中立。前回2/5タカ派発言
米ＦＲＢ副議長、「高圧」的な労働市場運営が格差是正につながる（Bloomberg）
【考察】タカ派発言
10:31～要人発言
田村日銀審議委員（講演挨拶）
（過去の発言：3/27, 9/12, 2/6）
:政策スタンスはタカ派。前回9/12タカ派発言
日銀利上げ、25年度後半に最低１％まで必要と田村委員－一時151円台（Bloomberg）
【考察】タカ派発言。ドル円下落。
12:35 経済指標
日本30年債入札（財務省）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額：9000億円程度
最高落札利回り：前回2.305%、結果2.294%（◎）
応札倍率：前回3.72倍、結果3.74倍（◎）
テール：前回2銭、結果7銭（×）
【考察】総じて入札好調。日本国債利回り下落。
14:12～要人発言
田村日銀審議委員（会見）
【考察】タカ派発言。しかし午前の挨拶よりハト派発言もあったためかドル円上昇継続。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
21:00 経済指標
BOE金融政策委員会
政策金利：前回4.75%、予想4.50%、結果4.50%（○）
MPC議事要旨：ハト、タカ派交錯内容
21:06～要人発言
英国ベイリーBOE総裁
英中銀、政策金利を4.5％に引き下げ－今後の見通しはタカ派的（Bloomberg）
22:30 経済指標
米国非農業部門労働生産性指数速報値
農業部門を除いたモノとサービスを生産する労働者の生産性を把握する指標。
前期比：前回2.2%（改定）、予想1.2%、結果1.2%（○）
米国単位労働コスト
前期比：前回0.8%（改定）、予想3.4%、結果3.0%（△）
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回20.7万件（改定）、予想21.3万件、結果21.9万件（×）
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回185.8万件（改定）、予想187.0万件、結果188.6万件（×）
27:04～要人発言
ベッセント米財務長官、強いドル政策はトランプ政権下でも堅持（Bloomberg）
【考察】ドル高容認発言で米国株下落。為替操作牽制発言で2/7日米首脳会談で円安政策が批判される可能性あることから警戒感から円買い主導のドル円下落。
27:31～要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁（2025年FOMC投票権あり）
（過去の発言： 1/31, 2/4, 2/5, 2/6）
：政策スタンスはハト派。前回2/5タカ派発言
ＦＲＢ、利下げ継続可能 不確実性踏まえ慎重さ必要＝シカゴ連銀総裁（Reuters）
【考察】利下げ慎重のタカ派発言
28:43～要人発言
米国ウォラーFRB理事
（過去の発言：12/2, 1/8, 1/16, 2/6）
：政策スタンスは中立。前回1/16ハト派発言。
【考察】経済や金融政策の見通しについてコメントなし。
30:05 米国主要企業決算
アマゾン
売上高：前回1589.0億ドル、予想1873.3億ドル、結果1878.0億ドル（◎）
EPS：前回1.43ドル、予想1.47ドル、結果1.86ドル（◎）
【決算速報】アマゾン・ドット・コム、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に（Investing.com）
＜まとめ＞
東京マーケット：
日足始値152.57
東京オープン直前に日通し高値152.75を付けると、田村日銀審議委員のタカ派発言を受けて日通し安値151.81へ急落。
しかし、2/4植田日銀総裁「現在インフレ状態」発言、2/5赤沢経済再生相「インフレ状態」発言を受けての連日ドル円急落で織り込みが進んでいたためか、151円台を維持できず日本株上昇に連れて152.52へ反発上昇して引けました。
【日本市況】円一時２カ月ぶり高値、日銀利上げ観測－債券と株式上昇（Bloomberg）
欧米マーケット：
欧州オープン後、欧州株上昇に連れて日足高値152.90へ上昇しましたが、材料不足で153円台乗せに失敗するとロング勢決済が入り下落へ転換。
その後、米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数（弱）から日通し安値151.66へ下落。
更に、米国ベッセント財務長官のドル高容認、為替操作牽制発言を受けると、日足安値151.24へ急落して引けました。
日足終値151.47
【米国市況】Ｓ＆Ｐ500種は小幅続伸、円上昇し一時対ドル151円に接近（Bloomberg）
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル売買交錯＞
買い材料：
・米国ジェファーソンFRB理事、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言
・米国ベッセント財務長官のドル高容認発言
売り材料：
・米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数（弱）
・原油先物価格下落→インフレ懸念後退
＜円買い優勢＞
買い材料：
・田村日銀審議委員のタカ派発言
・米国ベッセント財務長官の為替操作牽制発言→2/7日米首脳会談での円安牽制警戒
・米国ベッセント財務長官のドル高容認発言→米国債利回り上昇→米国株下落（円キャリー巻き戻し）
・原油先物価格下落→日本貿易収支改善
売り材料：
・日本30年債入札（強）→日本国債利回り低下→日本株上昇（円キャリー促進）
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96（日本銀行、短観）以上推移→日本企業業績改善・株上昇（円キャリー促進）
・構造的円売り（日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回3月19日（水）公表：据え置き（84.0→83.5%）、0.25%引き下げ（16.0→16.5%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回3月19日（水）公表：0.25%引き上げ（1→1%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：2月陰線形成中。レンジ内、上昇トレンド。ダウ高値付近。
→ダウ転換失敗なら上昇トレンド継続してレンジ上限160.83かつBB+2σ到達見込み。ダウ転換成功なら上昇トレンド崩れてダウ高値152.03へ下落見込み。 - 週足：2/3週、陰線線形成中。上昇トレンド。ダウ高値付近へレジサポ。
→2/3週、上昇トレンドラインかつダウ高値に支えられて上昇継続想定でしたが、ダウ失敗から20MAへ急落して、上昇トレンド終了見込み。 - 日足：2/5大陰線。下降トレンド、BB-2σエクスパンション。
→2/6、下降トレンド継続想定 - 4H足：下降トレンド。BB-2σエクスパンション
- 1H足：下降トレンド。
- 15M足：レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足ダウ高値152.690をダウ上昇→目標4H足戻り高値153.043
②Short
(B)1H足ダウ高値152.690付近へ上昇→転換下落→目標4H足ダウ安値152.277
本日：１勝０敗、+23.2pips
2月通算：5勝2敗、勝率71.4%、RR1.98 、+111.1pips
コメント