ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)経済指標
本日注目度の高い指標なし。
(2)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(3)その他
・五十日仲値
・中東地政学リスクオフ
【債券週間展望】長期金利は上昇か、早期利上げとオペ減額に警戒続く(Bloomberg)
【日本株週間展望】続伸へ、為替相場が落ち着き業績評価の見直し買い(Bloomberg)
2024年5月度ドル円材料(日米経済指標、要人発言、報道)まとめ
本日の注目材料は6点。
①日銀早期金融政策正常化観測
156円台目前で早期金融政策正常化観測に関する要人発言や報道のヘッドラインに警戒したい。
②政府・日銀為替介入観測
合計3回(4/25,5/4,5/13)米国イエレン財務長官より強い為替介入牽制発言が出たことで介入警戒後退しました。
本日も政府・日銀為替介入が実施される可能性低いですが、156円台目前に迫ったことから円安牽制発言が続くと予想されます。だだ、従来通りの文言であれば下落が生じても押し目買い機会になると考えます。
③リスクオン日本株上昇
5/19報道を好感してリスクオンが進むならドル円上昇か。
サウジ株ETFの東証上場調整、21日の首脳会談で枠組み合意へ-報道(Bloomberg)
④米国経済指標
本日注目度の高い指標はありませんが、5/17(金)の影響引き継いでスタートは下押ししやすいですが、③や五十日仲値のドル買い需要が支えとなり押し目買い機会になりそうです。
⑤米国FRB要人発言
本日多くの要人発言が予定されています。最近は米国経済指標(弱)でもFRB要人から利下げ示唆はほとんどなく、基本は「タカ派発言→ドル円上昇」と考えます。
⑥中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
5/19イラン・ライシ大統領がヘリコプター事故に遭い安否不明です。悪天候で救出難航の様子。アブドラヒアン外相を含む複数高官も搭乗していたとみられ、対イスラエル政策を含め中東情勢に影響を及ぼす可能性もあるため、ヘッドラインに注目が集まります。
中東地政学リスクオフが高まれば、原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇を想定します。
イラン大統領が搭乗したヘリ、濃霧の中で事故-安否は依然不明(Bloomberg)
総じて、上値156.00、下値155.00重く、日足レベルでも三角持ち合いを形成しており揉み合いスタートを想定します。
上値156円台からは日銀早期金融政策正常化観測と政府・日銀為替介入観測が高まりやすく、4H足押し安値156.23、日足レンジ高値156.45も控えています。
よって、156円突破には強いリスクオン株上昇やFRB要人発言タカ派発言などの材料待ちと推測します。
一方、日本10年国債利回り1.0%超えなら円買い観測もあります。5/17時点0.95%ですが、更に上昇するようなら155.00付近への急落に注意したい。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
5/19 28:30~ 要人発言
米国パウエルFRB議長
(過去の発言:1/31, 2/5, 3/6, 3/7, 3/20, 3/22, 3/29, 4/3, 5/1, 5/14, 5/20)
:政策スタンスは中立。前回5/14タカ派発言
【考察】ジョージタウン・ロースクール(ワシントン)卒業演説の為か、金融政策についてコメントなし。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
【考察】ドル円上昇
11:52 報道
イランのライシ大統領とアブドラヒアン外相、搭乗ヘリ墜落事故で死亡(Bloomberg)
【考察】中東情勢地政学リスクオフ懸念。ドル円下落
13:33 要人発言
春闘、24年大手企業の賃上げは平均5.58% 33年ぶり高水準=経団連1次集計(Reuters)
【考察】日銀早期追加利上げ観測。ドル円下落継続
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
20:35~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:2/5, 2/9, 2/16, 2/28, 2/29, 3/1, 3/4, 3/25, 4/3, 4/9, 4/12, 4/19, 5/10, 5/16, 5/20)
:政策スタンスはハト派。前回5/16タカ派発言。
物価目標達成に向けた確信「時間かかる」=米アトランタ連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言
21:55~要人発言
米国バーFRB副議長
(過去の発言:10/2, 10/9, 11/17, 1/9, 2/14, 2/16, 2/27, 3/22, 5/20)
:政策スタンスは中立。前回3/22金利見通しに関する発言なし
インフレ指標に失望、当面引き締め政策が必要=バーFRB副議長(Reuters)
【考察】タカ派発言。日通し高値156.24へ上昇から下落
22:00~要人発言
米国ウォラーFRB理事
(過去の発言:11/7, 11/28, 1/16, 2/14, 2/15, 2/23, 3/1, 3/28, 5/17, 5/20)
:政策スタンスは中立。前回5/17金融政策についてコメントなし。
【考察】金融政策や経済見通しについてはコメント
23:30~要人発言
米国ジェファーソンFRB理事
(過去の発言:2/22, 4/16, 5/13, 5/20)
:政策スタンスは中立。前回5/13タカ派発言。
FRB副議長、インフレ低下持続か「判断は尚早」 慎重姿勢崩さず(Reuters)
【考察】タカ派発言。ドル円下げ止まりから上昇
25:08~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/19, 2/16, 2/29, 3/1, 3/6, 4/2, 4/12, 4/16, 5/9, 5/20)
:政策スタンスは中立。前回5/9タカ派発言
【考察】タカ派発言。ドル円上昇
27:03~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/11, 2/6, 2/29, 3/7, 4/2, 4/4, 4/18, 5/14, 5/16, 5/20)
:政策スタンスはタカ派。前回5/16タカ派発言。
米年内利下げ回数は3回未満、インフレ急速に低下せず=クリーブランド連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値155.64
取引開始直後155.54へ下押ししてからは、五十日仲値に向けた日本実需勢ドル需要、5/17(金)米国株上昇連動、サウジ株ETF東証上場報道好感したリスクオン日本株上昇に連れて東京高値155.94へ到達。
しかし、156円台では日銀早期金融政策正常化観測と政府・日銀為替介入観測への警戒感は根強く、日本国債10年利回りは11年ぶり高水準0.975%を付けことや、イラン・ライシ大統領とアブドラヒアン外相ヘリ墜落死亡報道による中東地政学リスクオフ懸念、経団連1次集計24年大手企業賃上げ33年ぶり高水準を受けたことに加え、テクニカル上でも日足レベル三角持ち合い上限付近でありロング勢決済や戻り売りも入りやすく、5/17(金)に続いて156円台乗せ失敗。
東京安値155.64へ下落しました。
【日本市況】長期金利11年ぶり高水準、日経平均は3万9000円を回復(Bloomberg)
欧米マーケット:
東京マーケットの流れを引き継いで欧州オープン直後、日足安値155.50まで下落するも、本日予定されている複数のFRB要人タカ派発言を期待した織り込みのためか反発上昇。
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言を受けて日通し高値156.24へ急上昇し、一気に156円台乗せ。
4H足押し安値156.23、日足レンジ高値156.45、日足三角持ち合い上限付近でロング勢決済や戻り売りも入りやすく揉みあっていましたが、相次ぐFRB要人のタカ発言を受けて日足高値156.30へ上昇。
日足終値
【米国市況】S&P500小幅高、エヌビディア決算控え-156円台前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・五十日仲値に向けた日本実需勢ドル需要
・米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国バーFRB副議長、米国ジェファーソンFRB理事、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、米国メスター・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言
売り材料:
<円売り優勢>
買い材料:
・日本国債買い入れオペ減額や早期追加利上げへの警戒感継続→日本国債利回り上昇
・米国高金利長期化観測→米国債利回り上昇連動、日本国債利回り上昇
・イラン・ライシ大統領とアブドラヒアン外相ヘリ墜落死亡報道→中東地政学リスクオフ
・経団連、24年大手企業賃上げ33年ぶり高水準→日銀早期追加利上げ観測→日本国債利回り上昇
売り材料:
・5/17(金)米国株上昇連動、サウジ株ETF東証上場報道好感→リスクオン日本株上昇(海外勢為替ヘッジ)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回6月12日公表:据え置き96.4%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ49.6%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:5月陰線形成中。上昇トレンド。
- 週足:5/13週、陰線コマ足確定。上昇トレンド。
- 日足:5/17上ヒゲピンバー陽線。三角持ち合い。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値155.266付近へ下落→転換上昇→目標1H足ダウ高値155.673
(B)日足高値155.980をダウ上昇→目標4H足押し安値156.221
②Short
(C)4H足押し安値155.266をダウ下落→目標日足レンジ安値154.897
5月通算:9勝3敗、勝率75.0%、+269.7pips
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