ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・東京消費者物価指数
・日本2年債入札
・米国PCE、PCEデフレータ
・米国シカゴ購買部協会景気指数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測
・IMM通貨先物円ポジション
２．要人発言
・米国トランプ大統領
・FRB
３．その他
・TOM効果：株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。
・五十日仲値
・月末ロンドンフィックス
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア、インド・パキスタン）
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
7:05～要人発言
米国ベッセント財務長官
ベッセント米財務長官、中国が交渉の席に着くと確信（Bloomberg）
8:30 経済指標
東京消費者物価指数（CPI）（政府統計の総合窓口）
全国消費者物価指数の先行指標で日本国内のインフレが進んでいる中で注目度が高まっています。
日銀物価目標2.0%。日銀政策金利0.50%
前年比：前回3.5%（改定）、予想3.4%、結果3.4%（○）
コア前年比：前回3.4%（改定）、予想3.5%、結果3.6%（◎）
コアコアCPI前年比：前回3.1%（改定）、予想3.2%、結果3.3%（◎）
東京消費者物価は23年１月以来の高い伸び、食料品中心に価格転嫁進む（Bloomberg）
【考察】日銀利上げ観測
東京マーケット(9:00~15:30)
9:12～要人発言
米国トランプ大統領
「米国国際貿易裁の判決は誤り」
トランプ関税、連邦高裁が当面の効力認める－政府の要請に応じる（Bloomberg）
9:17～要人発言
植田日銀総裁（衆議院財金委員会）
植田日銀総裁、保有ＥＴＦ処分「時間かけて検討する状態続いている」（Bloomberg）
9:25～要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁（2025年FOMC投票権なし）
：政策スタンスはタカ派。
ダラス連銀総裁、関税が経済に与える影響判断に時間かかると示唆（Bloomberg）
【考察】タカ派、不確実性高い
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。
12:35 経済指標
日本2年債入札（財務省）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額：2兆6000億円程度
最高落札利回り：前回0.694%、結果0.756%（×）
応札倍率：前回3.58倍、結果3.77倍（◎）
テール：前回7厘、結果9厘（×）
【考察】強弱混在。市場は無難な結果と判断。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:10～要人発言
米国トランプ大統領
「中国は米国との関税合意違反」
トランプ大統領、中国が米国との合意に違反したと主張（Bloomberg）
【考察】米中関係悪化リスクオフ
21:30 済指標
米国PCE
個人所得：前回0.5%（改定0.7）、予想0.3%、結果0.8%（◎）
個人支出：前回0.7%（改定）、予想0.2%、結果0.2%（○）
米国PCEデフレータ
総合指数より基調的なインフレを反映するコア指数がより注目されます。
前月比：前回0.0%（改定）、予想0.1%、結果0.1%（○）
前年比（FRB目標2.0%）：前回2.3%（改定）、予想2.2%、結果2.1%（×）
コア前月比：前回0.0%（改定0.1）、予想0.1%、結果0.1%（○）
コア前年比：前回2.6%（改定2.7）、予想2.5%、結果2.5%（○）
22:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回44.6（改定）、予想45.0、結果40.5（×）
23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70％を占める個人消費の動向を確認できます。
前回50.8、予想50.8、結果52.2（◎）
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先：前回7.3%、予想7.1%、結果6.6%（×）
5年先：前回4.6%、予想4.6%、結果4.2%（×）
24:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。
25:29 報道
米国が中国ハイテク業界への制裁を拡大へ、子会社も対象に－関係者（Bloomberg）
【考察】米中関係悪化リスクオフ
27:19～要人発言
トランプ大統領、習主席と会談するつもり－「合意に違反」と非難（Bloomberg）
【考察】米中貿易戦争緩和期待リスクオン
28:30 経済指標
IMM通貨先物5/27時点（Investing.com）
円ロング縮小
＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値144.19
取引開始時に日通し高値144.23を付けると、前日米国トランプ関税への司法判断の不透明感嫌気リスクオフ、東京消費者物価指数（強）を受けて日日足安値143.44へ下落。
しかし、大口投資家の月末ポジション調整（推測）も交錯のためか揉み合いで引けました。
【日本市況】株式反落、米関税懸念再燃と円高を警戒－債券は買われる（Bloomberg）
欧米マーケット
欧州オープン後も東京マーケットの流れと同じく揉み合い。
米国トランプ大統領「中国は米国との関税合意違反」発言のリスクオフで下落する場面があるも、米国PCE・PCEデフレータ（強）で日足高値144.45へ上昇。
その後、「米国トランプ政権、中国ハイテク業界制裁拡大」報道のリスクオフと米国トランプ大統領「中国習近平国家主席と会談する見通し」発言のリスクオン交錯の揉み合いで引けました。
日足終値144.06
【米国市況】Ｓ＆Ｐ500ほぼ横ばい、日中は値動き大きく－144円近辺（Bloomberg）
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル売買交錯＞
買い材料：
・米国PCE、PCEデフレータ（強）
売り材料：
・米ドル回避の取引需要、アジアの金融機関で拡大－貿易摩擦の強まりで（Bloomberg）
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に－世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる（Bloomberg）
＜円買い優勢＞
買い材料：
・東京消費者物価指数（強）→日銀利上げ観測
・米国トランプ大統領「中国は米国との関税合意違反」→米中関係悪化リスクオフ
・「米国トランプ政権、中国ハイテク業界制裁拡大」報道→米中関係悪化リスクオフ
・2025年3月調査想定為替レート上期147.17（日本銀行、短観）以下推移→日本企業業績悪化、リスクオフ（円キャリー巻き戻し）
売り材料：
・米国トランプ大統領「中国習近平国家主席と会談する見通し」→米中関係改善期待リスクオン
・構造的円売り（日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回6月18日（水）公表：据え置き（97.8→94.6%）、0.25%引き下げ（2.2→5.4%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回6月17日（火）公表：0.25%引き上げ（1→1%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：5月陰線形成中。レンジ。BB-1σ付近。
- 週足：5/26週、陽線形成中。下降トレンド。BB-1σ付近
- 日足：5/29陰線。レンジ。20MA付近。
- 4H足：レンジ。
- 1H足：下降トレンド。
- 15M足：レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足安値143.962付近へ下落→転換上昇→目標1H足戻り高値144.403
(B)1H足戻り高値144.403をダウ上昇→目標4H足押し安値144.794
②Short
(C)4H足押し安値144.794付近へ上昇→転換下落→目標1H足戻り高値144.403
(D)日足安値143.962をダウ下落→目標4H足三尊右肩143.277
本日：０勝３敗、-94.3pips
5月通算：13勝13敗、勝率50.0%、RR1.79 、+276.0 pips
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