ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国実質GDP改定値第1四半期
・米国中古住宅販売成約指数
・米国7年債入札
２．要人発言
・米国トランプ大統領
・FRB
３．その他
・TOM効果：株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。
・月末ロンドンフィックス
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア、インド・パキスタン）
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
7:51～要人発言
トランプ政権、中国人留学生のビザ取り消しへ－共産党との関係も審査（Bloomberg）
【考察】米中関係悪化リスクオフ
8:13 報道
トランプ氏の関税措置に米国際貿易裁判所が違法の判断－政権に打撃（Bloomberg）
【考察】リスクオン
9:00 報道
米国トランプ政権、控訴申し立て
【考察】リスクオフ
東京マーケット(9:00~15:30)
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知（日本銀行）（日銀、オペレーション）
（発表日：4/2, 4/9, 4/16, 4/21, 4/25, 5/7, 5/14, 5/19, 5/23, 5/29）
3～5年債：前回2750億円、予想2750億円、結果2750億円（○）
5～10年債：前回3000億円、予想3000億円、結果3000億円（○）
10～25年債：前回1350億円、予想1350億円、結果1350億円（○）
物価連動債：前回500億円、予想500億円、結果500億円（○）
【考察】据え置き
14:30～要人発言
加藤財務相、超長期金利は｢大きく上昇｣－市場意識した財政運営が必要（Bloomberg）
【考察】長期金利上昇懸念
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
16:09～要人発言
中国外務省、トランプ政権の中国人留学生ビザ取り消し方針を非難（Bloomberg）
【考察】米中関係悪化リスクオフ
21:04～要人発言
米国ハセット商務長官
「関税に関する裁判所の決定は覆される」
トランプ関税違法判断、政権高官は別の手段に言及－控訴審勝利に自信（Bloomberg）
【考察】貿易戦争激化リスクオフ
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回22.7万件（改定22.6）、予想23.0万件、結果24.0万件（×）
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回190.3万件（改定189.3）、予想188.2万件、結果191.9万件（×）
21:30 経済指標
米国実質GDP改定値第1四半期
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いですが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。
実質GDP（=名目GDP-物価変動）：前回-0.3%、予想-0.3%、結果-0.3%（○）
個人消費：前回1.8%、予想1.8%、結果1.2%（×）
GDPデフレータ（=名目GDP/実質GDP）：前回3.7%、予想3.7%、結果3.7%（○）
PCEコアデフレータ（FRB目標2.0%）：前回3.5%、予想3.5%、結果2.4%（×）
21:48～要人発言
米国ナバロ上級顧問
22:41～要人発言
日米首脳が電話会談、関税協議で「理解一層深まった」－石破首相（Bloomberg）
23:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目される。
前月比：前回6.1%（改定5.5）、予想-1.1%、結果-6.3%（×）
前年比：前回-0.1%（改定-0.7）、予想2.7%、結果-3.5%（×）
23:54～要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁（2025年FOMC投票権あり）
：政策スタンスはハト派。
米シカゴ連銀総裁、関税導入を回避すれば利下げの余地が生まれる（Bloomberg）
【考察】ハト派発言
24:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。
24:38 報道
トランプ米政権、30日にも連邦最高裁に上訴する意向を示唆（Bloomberg）
【考察】リスクオフ
25:48～要人発言
パウエル議長とトランプ氏がホワイトハウスで会談－ＦＲＢ発表（Bloomberg）
26:00 経済指標
米国7年債入札（Upcoming Auctions）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
発行額（Offering Amount）：440億ドル
最高落札利回り（High Yield）：前回4.123%、結果4.194%（×）
応札倍率（Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額）：前回2.55倍、結果2.69倍（◎）
外国中銀など間接入札者の落札比率（Indirect Bidder）：前回59.3%、結果71.5%（◎）
テール(Bid利回りと落札利回りの差)：前回+0.2 bps、結果-2.2bps（◎）。4.194-4.216=-0.022
WI：4.216%
【考察】入札好調
26:18～要人発言
ホワイトハウス
「関税に対して司法権限の濫用に直面」
27:01～要人発言
米国クーグラーFRB理事
：政策スタンスは中立。
【考察】金融政策や経済見通しについてコメントなし
28:07 報道
トランプ関税、高裁が当面の効力認める一違法判断を一時的に差し止め（Bloomberg）
29:07～要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁（2025年FOMC投票権なし）
：政策スタンスは中立。
ＳＦ連銀総裁、政策は「良い位置」にある－インフレ目標に着実に前進（Bloomberg）
【考察】タカ派発言
＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値144.81
取引開始後に日通し安値144.75を付けると、米国簡易裁判所「トランプ関税措置、違法」判断を受けたリスクオンで急騰し、日銀国債買入オペ通知据え置きも後押しして日足高値146.29へ上昇。
しかし、直前の「米国トランプ政権、控訴申し立て」報道でリスクオフが交錯し、市場は疑心暗鬼でとなり145.60へ下落後は揉み合いで引けました。
【日本市況】円が下落、米関税措置の違法判断でリスク選好－株は上昇（Bloomberg）
欧米マーケット
欧州オープンすると、「米国トランプ政権、控訴申し立て」報道や「米国の中国人留学生ビザ取り消し」を巡るリスクオフが材料視されて下落継続。
更に米国ハセット商務長官「関税に関する裁判所の決定は覆される」発言のリスクオフ、米国実質GDP改定値第1四半期の個人消費・PCEコアデフレータ（弱）、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数（弱）、米国中古住宅販売成約指数（弱）、「米国トランプ政権、関税違法判断へ5/30連邦最高裁判所に上訴方針」報道のリスクオフを受けて日足安値143.96へ下落して引けました。
日足終値144.19
【米国市況】Ｓ＆Ｐ500上げ削る、関税巡る不安で－ドル一時143円台（Bloomberg）
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル買いから売り優勢＞
買い材料：
・米国実質GDP改定値第1四半期：実質GDP、GDPデフレータ（強）
売り材料：
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数（弱）
・米国実質GDP改定値第1四半期：個人消費、PCEコアデフレータ（弱）
・米国中古住宅販売成約指数（弱）
・米ドル回避の取引需要、アジアの金融機関で拡大－貿易摩擦の強まりで（Bloomberg）
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に－世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる（Bloomberg）
＜円売りから買い優勢＞
買い材料：
・米国ルビオ国務長官「一部中国人留学ビザ取り消し開始」→米中関係悪化リスクオフ
・中国外務省 「米国の中国人学生ビザ取り消し不当」→米中関係悪化リスクオフ
・「米国トランプ政権、控訴申し立て」報道→リスクオフ
・米国ハセット商務長官「関税に関する裁判所の決定は覆される」発言→リスクオフ
・2025年3月調査想定為替レート上期147.17（日本銀行、短観）以下推移→日本企業業績悪化、リスクオフ（円キャリー巻き戻し）
売り材料：
・米国簡易裁判所「トランプ関税措置、違法」→貿易緩和期待リスクオン
・日銀、国債買入オペ通知：据え置き
・構造的円売り（日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回6月18日（水）公表：据え置き（97.8→94.4%）、0.25%引き下げ（2.2→5.6%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回6月17日（火）公表：0.25%引き上げ（1→1%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：5月陰線形成中。レンジ。BB-1σ付近。
- 週足：5/26週、陽線形成中。下降トレンド。BB-1σ付近
- 日足：5/28陽線。レンジ。20MA付近。
- 4H足：上昇トレンド。
- 1H足：上昇トレンド。
- 15M足：レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値144.592付近へ下落→転換上昇→目標1H足戻り高値144.911
(B)4H足押し安値144.035付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ高値144.592
②Short
(C)1H足レンジ高値144.592をダウ下落→目標4H足押し安値144.035
本日：１勝０敗、+43.5pips
5月通算：13勝10敗、勝率56.5%、RR1.79 、+370.3 pips
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