ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)4/3の欧米マーケット影響
欧州オープン前から原油先物価格上昇・高止まりに連れてドル円上昇し、米国ADP雇用者数と米国PMI確報値(サービス業)の強い数値、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言、日足高値151.95へ到達。直後の米国ISM非製造業景気指数が弱い数値で151.65へ急落。しかし、米国パウエルFRB議長のタカ派・ハト派発言でドル円下げ止まり。
日足終値151.70
(2)経済指標
・日本30年国債入札
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国貿易収支
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は152円試すか、米利下げ観測後退で-介入なら乱高下(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀買い入れ減額や国債入札警戒(Bloomberg)
【日本株週間展望】続落へ、高値圏で買い控え-政府の為替介入を警戒(Bloomberg)
本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入
強い円安牽制発言、政府・日銀3者会合報道にも関わらずドル円下落は限定的で押し目狙いの機会になっています。
但し、相場参加者がこのパターンに慣れた頃に今までより強い牽制発言や報道で大き目のドル円下落が生じる可能性には注意。その場合にも押し目買いに機会になる状況は変わらず。
②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。
③米国経済指標
特に注目は米国ISM非製造業景気指数。「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、弱い数値が出てもドル円下落は一時的となり、押し目買いの機会になりやすい。
④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。最近は露モスクワでテロ発生、イスラエルの在シリアイラン大使館空爆が発生。原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じやすく、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
12:35 経済指標
日本30年国債入札(財務省)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回1.790%、結果1.815%(×)
応札倍率:前回2.93倍、結果3.47倍(◎)
テール:前回37銭、結果13銭(◎)
【考察】入札好調。
14:00~要人発言
日銀、地域経済報告(さくらリポート)
関東甲信越など7地域の景気判断を下方修正、2地域は据え置き-日銀(Bloomberg)
【考察】
14:16~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15, 3/19, 3/21, 3/22, 3/26, 3/27, 3/29, 4/1, 4/2)
為替円安、高い関心もって注意深くみていく=鈴木財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。
15:40~要人発言
中島日銀大阪支店長
賃上げ機運が中小企業にも波及、価格転嫁に前向きな動き-日銀(Bloomberg)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回21.0万件(改定21.2)、予想21.4万件、結果22.1万件(×)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回181.9万件(改定181.0)、予想180.9万件、結果179.1万件(◎)
21:30 経済指標
米国貿易収支
前回-674億ドル(改定-)、予想-668億ドル、結果-689億ドル(×)
22:54~要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:1/18, 2/7, 2/22, 3/4, 4/4)
:政策スタンスはハト派。前回3/4金融政策見通しについてコメントなし。
【FRB高官発言】今年は利下げ実施しない可能性も-カシュカリ総裁(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇。
25:03~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/3, 1/5, 1/11, 2/7, 2/8, 2/12, 2/16, 2/21, 3/1, 4/4)
:政策スタンスはタカ派。前回3/1タカ派発言。
【考察】タカ派発言。ドル円揉み合い。
26:10~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:1/11, 1/12, 1/19, 2/2, 2/5, 2/14, 2/29, 3/1, 3/8, 3/25, 4/4)
:政策スタンスは中立。前回3/5ハト派発言
【考察】タカ派発言。ドル円揉み合い。
27:00~要人発言
米国ブリンケン国務長官
バイデン氏「支援継続は対応次第」 ネタニヤフ氏に警告(日本経済新聞)
【考察】イスラエル支援後退示唆の中東地政学リスクオフ悪化懸念でドル円急落。
27:04~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:12/18, 1/11, 2/6, 2/29, 3/7, 4/2, 4/4)
:政策スタンスはタカ派。前回4/2タカ派発言。
【考察】市場の初回利下げ観測6月に対して、年後半の利下げ示唆はタカ派発言。直前の中東地政学リスクオフ悪化懸念の影響強くドル円急落継続するも下げ止まりから上昇。
27:07~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:2/5, 2/6, 2/7, 3/6, 4/4)
:政策スタンスはタカ派。前回3/6タカ派発言。
【考察】タカ派発言。しかし、直前の中東地政学リスクオフ悪化懸念の影響強くドル円急落継続するも下げ止まりから上昇。
28:34~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:2/6, 2/9, 2/16, 2/22, 2/29, 3/5, 3/7, 3/12, 3/13, 3/19, 3/21, 3/22, 3/27, 4/4)
:前回3/22ハト派発言
植田日銀総裁、物価目標達成の確度高まれば追加利上げ検討-報道(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円下落。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.70
オープン直後、東京安値151.54へ下落するも、直ぐに東京高値151.73へ上昇。鈴木財務相の円安牽制発言で再び下落しても直ぐに全戻し。
政府・日銀為替介入警戒感で上値152.00固く、日米金利差維持や原油先物価格高止まり下値151.00も固い。
きょうの国内市況(4月4日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、揉み合いながら日足高値151.77を付け、直後の米国経済指標が総じて弱い数値を受けると日通し安値151.51へ下落。
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言、原油先物価格高止まりから再上昇するも、米国ブリンケン国務長官のイスラエル支援後退示唆の地政学リスクオフで日足安値151.12へ急落。しかし、米国メスター・クリーブランド連銀総裁、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁タカ派発言が続きドル円下げ止まりから上昇。NYクローズ直前に植田日銀総裁のタカ派発言報道あるも影響薄。
日足終値151.35
【米国市況】株下落、地政学リスクで国債に逃避買い-151円30銭台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル売り優勢
買い:米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁、米国メスター・クリーブランド連銀総裁、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁タカ派発言、原油先物価格高止まり
売り:
・円買い優勢
買い:鈴木財務相の円安牽制発言、米国ブリンケン国務長官のイスラエル支援後退示唆、植田日銀総裁のタカ派発言報道
売り:日本30年国債入札好調、原油先物価格高止まり
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:25bp引き下げ7.0%、据え置き93.0%、25bp引き上げ0.0%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ64.7%、据え置き30.6%、25bp引き上げ0.0%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利450~475bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:4月陽線形成中。レンジ上限到達
- 週足:4/1週、陽線形成中。レンジ上限到達。
- 日足:4/3陽線。レンジ。4/4もレンジ抜けまで揉み合い優勢と推測。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)日足押し安値151.341付近へ下落→ダウ転換上昇→目標日足押し安値151.549
②ショート
(B)日足押し安値151.549をダウ下落→目標日足押し安値151.341
4月通算:3勝0敗、勝率%、+34.1 pips
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