ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)4/11の欧米マーケット影響
米国生産者物価指数は強弱混在。初動は総合の弱い数値を受けてドル円下落するも強い数値の影響や、ECB理事会ハト派姿勢のユーロ売りドル買い、FRB要人の相次ぐタカ派発言もあり全戻しで日足高値153.32へ上昇。
日足終値153.28
(2)経済指標
・米国輸入物価指数、輸出物価指数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・米国主要企業決算
・IMM通貨先物ポジション
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は軟調か、米CPIの鈍化予測や中東リスク警戒が重し(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利低下か、需給良好で-利上げ観測はくすぶる(Bloomberg)
【日本株週間展望】続落、米物価指標の上振れ警戒-ファストリ決算も(Bloomberg)
本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入、実介入
4/10米国消費者物価指数の強い数値を受けて一気に153円台乗せ。4/11米国生産者物価指数は強弱混在で153円台維持。従って、今までより強い口先介入・実介入への警戒感が高まりました。しかし、ファンダメンタルズに基づくドル円急騰であることから、実介入が実施されてドル円暴落が生じても、押し目買いに機会になりやすいと推測します。
②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。
③米国経済指標
「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、政府・日銀為替介入による一時的な急落には要警戒。一方、弱い数値が出ても単発データでFRB政策利下げ前倒しの可能性は低く、ドル円下落は一時的となり押し目買いの機会になりやすいと推測します。
④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:47~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15, 3/19, 3/21, 3/22, 3/26, 3/27, 3/29, 4/1, 4/2, 4/4, 4/5, 4/9, 4/11, 4/12)
G20でドル高懸念を議論も、行き過ぎた円安には適切対応-鈴木財務相(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言。
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
19:02~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/17, 2/7, 2/8, 2/28, 4/5, 4/11, 4/12)
:政策スタンスは中立。前回4/11タカ派発言
ボストン連銀総裁、目先に利下げする切迫性ない-年内開始予想は維持(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
20:59 報道
米国、イスラエル渡航警告
【考察】地政学リスクオフ。ドル買い・円買い交錯するも円買い強くドル円下落。
19:53 米国主要企業決算
ウェルズ・ファーゴ
売上高:前回204.8億ドル、予想188.1億ドル、結果208.6億ドル(○)
EPS:前回0.86ドル、予想1.08ドル、結果1.20ドル(◎)
ウェルズF、純金利収入が減少-預金金利引き上げ圧力強まる(Bloomberg)
19:54 米国主要企業決算
JPモルガン・チェース
売上高:前回385.7億ドル、予想385.3億ドル、結果419億ドル(◎)
EPS:前回3.97ドル、予想4.17ドル、結果4.44ドル(◎)
JPモルガン、純金利収入が予想下回る-経費は想定以上に膨らむ(Bloomberg)
21:05 米国主要企業決算
シティグループ
売上高:前回174億ドル、予想189.9億ドル、結果211億ドル(◎)
EPS:前回0.84ドル、予想1.23ドル、結果1.58ドル(◎)
シティグループ、利益が予想上回る-企業・消費者の借り入れ活発(Bloomberg)
21:30 経済指標
米国輸入物価指数
前月比:前回0.3%(改定-)、予想0.4%、結果0.4%(○)
前年比:前回-0.8%(改定-0.9)、予想-0.8%、結果0.4%(◎)
米国輸出物価指数
前月比:前回0.8%(改定0.7)、予想0.3%、結果0.3%(○)
前年比:前回-1.8%(改定-2.0)、予想-%、結果-1.4%(◎)
21:37 報道
イスラエル、数日中のイランからの直接攻撃を警戒-関係者(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ。ドル買い・円買い交錯するも円買い強くドル円急落。
22:03~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/17, 2/7, 2/8, 2/28, 4/5, 4/11, 4/12)
:政策スタンスは中立。前回4/11タカ派発言
ボストン連銀総裁、目先に利下げする切迫性ない-年内開始予想は維持(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(過去の速報値発表日;4/14, 5/12, 6/16, 7/14, 8/11, 9/15, 10/13, 11/10, 12/8, 1/19, 2/16, 3/15, 4/12)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回79.4、予想78.9、結果77.9(×)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回2.9%、予想2.9%、結果3.1%(◎)
5年先:前回2.8%、予想2.8%、結果3.0%(◎)
23:00 報道
イスラエル北部で敵機侵入警報
【考察】地政学リスクオフ。ドル買い・円買い交錯するも円買い強くドル円下落。
25:22~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:1/11, 1/12, 1/19, 2/2, 2/5, 2/14, 2/29, 3/1, 3/8, 3/25, 4/4, 4/8, 4/10, 4/12)
:政策スタンスは中立。前回4/10タカ派発言
PCE価格指数、物価目標として引き続き注視=米シカゴ連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言。
26:24 報道
レバノンからイスラエルに向けて30~50発のミサイル発射
【考察】地政学リスクオフ。
26:41~要人発言
米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁の発言(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/7, 2/27, 4/12)
:政策スタンスはタカ派。前回2/27タカ派発言
FRB当局者、利下げ急ぐ必要ないと強調-地区連銀総裁が相次ぎ発言(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
27:47~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/8, 1/18, 1/19, 2/5, 2/9, 2/16, 2/28, 2/29, 3/1, 3/4, 3/25, 4/3, 4/9, 4/11, 4/12)
:政策スタンスはハト派。前回4/9タカ派発言。
アトランタ連銀総裁、年内利下げ1回との予想維持-必要ならば調整も(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
28:30 経済指標
IMM通貨先物4/9時点(ポジション推移)
円ショート大幅増
【考察】円売り材料
28:34~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:12/18, 1/19, 2/16, 2/29, 3/1, 3/6, 4/2, 4/12)
:政策スタンスは中立。前回4/2タカ派発言
SF連銀デーリー総裁、金利を調整する緊急性は全くない(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値153.28
鈴木財務相の円安牽制発言を受けオープン直後、東京高値153.30から東京安値152.97へ下落するも直ぐの押し目買い入り引けに掛けてレンジ推移。上値は政府・日銀為替介入警戒感、下値は日米金融政策差が支える展開。
きょうの国内市況(4月12日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直後、日足高値153.39を付けると、相次ぐ中東地政学リスクオフ報道を受け、日足安値152.59へ急落。その後、FRB要人の相次ぐタカ派発言で上昇。
日足終値153.31
【米国市況】株下落し国債上昇、中東情勢懸念で逃避-153円25銭近辺(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:原油先物価格上昇。米国輸入物価指数、米国輸出物価指数、米国ミシガン大学インフレ予測の強い数値。米国コリンズ・ボストン連銀総裁、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁、米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言。米国のイスラエル渡航警告、イスラエルのイラン攻撃警戒、イスラエル北部で敵機侵入警報、レバノンからイスラエルへミサイル発射報道。
売り:米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値の弱い数値。
・円買い優勢
買い:鈴木財務相の円安牽制発言。米国のイスラエル渡航警告、イスラエルのイラン攻撃警戒、イスラエル北部で敵機侵入警報、レバノンからイスラエルへミサイル発射報道。
売り:原油先物価格上昇。IMM通貨先物4/9時点円ショート大幅増。
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:据え置き94.1%
7月31日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ44.5%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:4月陽線形成中。レンジ上限ブレイク
- 週足:4/8週、陽線形成中。レンジブレイク。
- 日足:4/11下ヒゲピンバー陽線。上昇トレンド。政府・日銀の強い口先介入か実為替介入なければ4/12も上昇優勢と推測。
- 4H足:上昇トレンド。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足押し安値152.838付近へ下落→転換上昇→目標4H足三尊右肩153.142
②ショート
(B)4H足三尊右肩153.142かつ1H足20MAをダウ下落→目標4H足押し安値152.838
4月通算:7勝2敗、勝率77.8%、+84.6pips
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