ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨（3月18・19日分）
・日本10年債入札
・米国非農業部門労働生産性指数、単位労働コスト速報値
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国Ny連銀インフレ期待調査
・米国30年債入札
・BOE金融政策委員会
２．要人発言
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(X投稿)：FRBブラックアウト期間（FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間：4/26～5/8）につき
・米国トランプ大統領
・ベイリーBOE総裁
３．その他
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア、インド・パキスタン）
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
8:31 要人発言
韓国軍合同参謀本部
「北朝鮮、日本海に弾道ミサイル発射」
【考察】地政学リスクオフ
8:50 経済指標
日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨（3月18・19日分）（日本銀行）
米関税で不確実性、利上げ時期巡り委員に温度差＝日銀3月会合要旨（Reuters）
【考察】タカ派、ハト派内容
東京マーケット(9:00~15:30)
10:00～要人発言
米国トランプ大統領
「明日午前10時（日本時間5/8、23:00）に大きな記者会見」
10:29～要人発言
植田日銀総裁（参院財政金融委員会）
:政策スタンスは中立。
（過去の発言：4/18, 4/25, 5/1, 5/8）
植田日銀総裁、国内物価へのマイナスの影響無視できない－米関税政策（Bloomberg）
【考察】不確実性高い
10:46～要人発言
中村日銀審議委員
:政策スタンスはハト派
（過去の発言：11/30, 6/6, 12/5, 5/8）
「経済見通しが達成されれば利上げ」
【考察】タカ派発言
10:54 報道
米国トランプ大統領、英国との貿易合意発表見通し
【考察】米英貿易戦争緩和リスクオン
12:35 経済指標
日本10年債入札（財務省）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額：２兆6000億円程度
最高落札利回り：前回1.418%、結果1.294%（◎）
応札倍率：前回3.15倍、結果2.54倍（×）
テール：前回11銭、結果18銭（×）
【考察】入札不調
15:20～要人発言
英国当局者
米国トランプ大統領、貿易協定発表予定
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
16:04 報道
中国人民銀行、金購入のために国内金融機関に米ドル購入許可
19:10～要人発言
米国トランプ大統領
「英国との合意は完全かつ包括的」
「パウエルFRB議長は愚か者」
「FRBは遅すぎる」
トランプ米大統領、貿易合意の発表予告－相手国は英国の見通し（Bloomberg）
トランプ氏、パウエルＦＲＢ議長を再び批判－利下げ見送り受け（Bloomberg）
20:00 経済指標
BOE金融政策委員会
政策金利：前回4.50%、予想4.25%、結果4.25%（○）
MPC議事要旨：タカ派内容
20:31～要人発言
ベイリーBOE総裁
英中銀、政策金利を4.25％に引き下げ－投票は３通りに割れる（Bloomberg）
21:00～要人発言
ＥＵが対米関税リスト公表、航空機や自動車など－交渉結果次第で（Bloomberg）
【考察】米欧貿易戦争激化リスクオフ
21:30 経済指標
米国非農業部門労働生産性指数速報値
農業部門を除いたモノとサービスを生産する労働者の生産性を把握する指標。
前期比：前回1.5%（改定1.7）、予想-0.5%、結果-0.8%（×）
米国単位労働コスト
前期比：前回2.2%（改定2.0）、予想5.4%、結果5.7%（◎）
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回24.1万件（改定）、予想23.0万件、結果22.8万件（◎）
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回191.6万件（改定190.8）、予想189.5万件、結果187.9万件（◎）
21:38 報道
米英貿易協定、関税10%維持
23:22～要人発言
米英、牛肉関税ゼロ
英国製自動車関税10%へ引き下げ
23:49～要人発言
米国トランプ大統領
「英国と素晴らしい合意」
トランプ米大統領、英国との貿易協定合意を発表―農産品など（Bloomberg）
【考察】米英貿易戦争緩和リスクオン
24:00 経済指標
米国Ny連銀インフレ期待調査（NY FED SURVEY OF CONSUMER EXPECTATIONS）
1年後：前回3.6%、結果3.6%（○）
3年後：前回3.0%、結果3.2%（◎）
5年後: 前回2.9%、結果2.7%（×）
24:03～要人発言
米国ラトニック商務長官
「英国への関税10％維持」
24:06 報道
インドとパキスタンが軍事攻撃の応酬
【考察】地政学リスクオフ
24:23～要人発言
米国トランプ大統領
「EUと合意を結ぶ」
「対中関税引き下げ可能」
「株を買う時」
トランプ大統領、中国への関税引き下げ可能－貿易交渉が順調にいけば（Bloomberg）
【考察】貿易戦争緩和期待リスクオン
26:00 経済指標
米国30年債入札（Upcoming Auctions）
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
発行額（Offering Amount）：250億ドル
最高落札利回り（High Yield）：前回4.813%、結果4.819%（×）
応札倍率（Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額）：前回2.43倍、結果2.31倍（×）
外国中銀など間接入札者の落札比率（Indirect Bidder）：前回61.9%、結果58.9%（×）
テール(Bid利回りと落札利回りの差)：前回-2.6bps、結果+0.7bps（×）。4.819-4.812=+0.007
WI：4.812%
【考察】入札不調
28:26 報道
米、対中関税を最低50％に引き下げる計画検討 来週実施も＝報道（Reuters）
28:44 報道
トランプ米大統領、所得250万ドル以上の富裕層対象に増税求める（Bloomberg）
＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値143.75
東京オープン時に日通し高値143.96を付けると、直前の韓国軍合同参謀本部「北朝鮮、日本海に弾道ミサイル発射」の地政学リスクオフで日足安値143.45へ下落。
ところが、「米国トランプ大統領、英国との貿易合意発表見通し」報道を受けたリスクオンで日通し高値144.24へ急上昇して引けました。
【日本市況】ＴＯＰＩＸ10日続伸、半導体銘柄に買い－長期債と円下落（Bloomberg）
欧米マーケット
欧州オープン後も米英貿易合意期待リスクオン継続し、更に「中国人民銀行、金購入のために国内金融機関に米ドル購入許可」報道、米国トランプ大統領「英国との合意は完全かつ包括的」発言のリスクオンで日通し高値145.01へ上昇。
加えて、米国トランプ大統領「英国と素晴らしい合意」「対中関税引き下げ可能」「株を買う時」発言、「米国トランプ大統領、対中関税を最低50%引き下げ検討」報道を受けたリスクオンで日足高値146.18へ上昇。
ところが、NYクローズ後に「米国トランプ大統領、富裕層増税要求」報道のリスクオフから小幅下落で引けました。
日足終値145.91
【米国市況】株続伸、対中協議期待でリスクオン－ドル一時146円台（Bloomberg）
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル買い優勢＞
買い材料：
・「中国人民銀行、金購入のために国内金融機関に米ドル購入許可」報道
・米国トランプ大統領、英国との貿易合意発表見通し報道→米英貿易戦争終了リスクオン
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数（強）
・原油先物価格上昇→インフレ懸念
売り材料：
・米ドルが対アジア通貨で急落、市場に衝撃－為替協定巡る思惑も浮上（Bloomberg）
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に－世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる（Bloomberg）
＜円売り優勢＞
買い材料：
・韓国軍合同参謀本部「北朝鮮、日本海に弾道ミサイル発射」→地政学リスクオフ
・ＥＵ、対米交渉失敗なら９５０億ユーロ追加関税→米欧貿易戦争激化リスクオフ
・米国トランプ大統領、富裕層増税要求報道→リスクオフ
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・2025年3月調査想定為替レート上期147.17（日本銀行、短観）以下推移→日本企業業績悪化、リスクオフ（円キャリー巻き戻し）
売り材料：
・米国トランプ大統領、英国との貿易合意発表見通し報道→米英貿易戦争緩和リスクオン
・米国トランプ大統領「英国と素晴らしい合意」「対中関税引き下げ可能」「株を買う時」発言発言→米英貿易戦争緩和リスクオン
・米国トランプ大統領、対中関税を最低50%引き下げ検討報道→米中貿易戦争緩和リスクオン
・構造的円売り（日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回6月18日（水）公表：据え置き（78.4→82.9%）、0.25%引き下げ（21.2→17.1%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回6月17日（火）公表：0.25%引き上げ（3→3%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：5月陽線形成中。レンジ。押し安値付近。
- 週足：5/5週、陰線形成中。下降トレンド。BB-1σ付近。
- 日足：5/7陽線。レンジ。
- 4H足：レンジ。
- 1H足：上昇チャネル。
- 15M足：上昇トレンド。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足ダウ高値143.475付近へ下落→転換上昇→目標1H足ダウ高値143.826
(B)1H足押し安値142.905付近へ下落→転換上昇→目標1H足ダウ高値143.475
②Short
(C)1H足ダウ高値143.475をダウ下落→目標1H足押し安値142.905
本日：シナリオ外のためトレードなし
5月通算：3勝1敗、勝率75.0%、RR1.94 、+132.6pips
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