2023年11月30日(木)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)11/29の欧米マーケット影響
米国実質GDP改定値は強弱混在で日足高値147.91を付けるもドル円乱高下。FRB要人発言はハト派・タカ派・景気後退懸念発言が交錯、米国ベージュブックも景気後退懸念とインフレ懸念の材料交錯しドル円乱高下。しかし、前日の米国ウォラー理事による利下げ可能性示唆の影響強くドル円じり下げ。
日足終値147.24。

総じて、米国経済指標が強弱混在、FRB要人タカ・発言混在でドル円乱高下しながらも、前日のFRB利下げ可能性示唆の影響強くドル円じり下げ。

(2)経済指標
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国個人所得、個人支出
・米国PCEデフレータ
・米国シカゴ購買部協会景気指数
・米国中古住宅販売成約指数

(3)要人発言
・日銀要人
・財務省、外国為替平衡操作の実施状況
・FRB要人

(4)その他
・TOM効果
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」になり得る。
・月末五十日仲値
・月末ロンドンフィックス

・来週のドル・円は上値の重い展開に、米経済指標の下振れリスクを警戒(Bloomberg
・【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀政策修正や買いオペ減額警戒(Bloomberg
・【日本株週間展望】堅調、米物価懸念後退し景気期待-年末商戦を注視(Bloomberg

今週11/27(月)と11/28(火)は東京マーケットでドル円上昇しても欧州マーケット付近からはドル円下落に転じてたが、11/29(水)は上昇から揉み合い。東京後から欧州序盤までドル円上昇しやすい流れは継続。その後は米国経済指標やFRB要人発言が変動要因となっている。

FRB利下げ期待の織り込みが急ピッチで進み、「米国債利回り低下、株先物・株価指数急騰」が生じればインフレ退治の長期化に繋がる。FRB利上げ有無スタンスは「データ次第」であることから、注目度の高い経済指標でサプライズの強い数値が出るようなら、利下げ期待のドル円下落が巻き戻される可能性も高い。
本日最大の注目は米国PCEデフレータ。予想は前回より低いことから事前織り込みでドル円下落が進むか否かと実際の結果に注視したい。事前織り込みでドル円急落が一気に進むようならBuy the factにも要警戒。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 月末五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

10:32~要人発言
中村日銀審議委員
政策対応は「拙速よりも慎重に」、緩和修正に時間-中村日銀委員(Bloomberg

【考察】ハト派発言。前日の安達誠司審議委員と同じ発言でサプライズなくドル円反応薄。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

19:00 要人発言
外国為替平衡操作の実施状況(財務省

22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回20.9万件(改定21.1)、予想21.6万件、結果21.8万件(×)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回184.0万件(改定184.1)、予想186.7万件、結果192.7万件(×)

22:30 経済指標
米国個人所得:前回0.3%(改定0.4)、予想0.2%、結果0.2%(○)
米国個人支出:前回0.7%(改定)、予想0.3%、結果0.2%(×)

22:30 経済指標
米国PCEデフレータ(過去の発表日:12/112/231/272/243/314/285/266/307/288/319/29, 10/27, 11/30)
強い数値なら、「インフレへの警戒感が高まり→FF金利のターミナルレート上昇する可能性→ドル買い材料」
前年比:前回3.4%(改定)、予想3.1%、結果3.0%(×)
前月比:前回0.4%(改定)、予想0.2%、結果0.0%(×)
コア前年比:前回3.7%(改定)、予想3.5%、結果3.5%(○)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.3%、結果0.2%(×)
米個人消費支出、10月は伸び縮小-価格指数も鈍化で景気減速示唆(Bloomberg

【考察】
発表前:強い数値の期待織り込みと発表前利確で乱高下。
発表後:総じて弱い数値。しかし、FRBが基調的なインフレを示す指標として重視するコア前年比の強い数値が材料視されドル円急騰。

23:00~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/2210/510/1111/1011/15, 11/17, 11/30)
SF連銀総裁、利下げは現時点で全く考えず-金利「非常に良い位置」(Bloomberg

【考察】米国PCEデフレータが総じて弱いにも関わらずタカ派発言→ドル円上昇継続。

23:15~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:9/79/2910/18, 11/16, 11/28, 11/30)
NY連銀総裁、景気抑制的な金融政策「かなりの期間」続くと想定(Bloomberg

【考察】米国PCEデフレータが総じて弱いにも関わらず、政策維持のタカ派発言→ドル円上昇継続。

23:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回44.0(改定)、予想45.0、結果55.8(◎)

【考察】強い数値。しかし月末ロンドンフィックスのドル売り需要が強かったためか下落。

24:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目される。
前月比:前回1.1%(改定1.0)、予想-2.1%、結果-1.5%(○)
前年比:前回-13.1%(改定-13.3)、予想-9.0%、結果-6.6%(◎)

【考察】強い数値。しかし月末ロンドンフィックスのドル売り需要が強かったためか下落。

25:00 月末ロンフィク

26:05~要人発言
米国イエレン財務長官
「インフレに関してまだやるべきことが残っている」

【考察】タカ派発言→ドル円上昇

27:11~要人発言
米国イエレン財務長官
米経済に大幅な引き締め不要、軟着陸達成へ=イエレン財務長官(Reuters

【考察】ハト派発言→ドル円下落

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値147.24から前日NYマーケットの流れを引き継いで東京オープン前に日足安値146.85を付けた。オープン後は「中村日銀審議委員のハト派発言、株先物・株価指数上昇→リスクオン円売り」、と「11/28米国ウォラーFRB理事の利下げ可能性示唆から急落した米国債利回りへの過剰反応への警戒感から利回り上昇」が支えとなりドル円下げ止まりから揉み合い。

きょうの国内市況(11月30日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
今週の傾向である欧州オープン前からドル円上昇は変わらず日足安値146.85付近から一気に上昇し4H足レジスタンス147.73上抜け。「米国債利回り上昇→ドル買い」が牽引。
米国PCEデフレータは総じて弱い数値だったが、FRBが基調的なインフレを示す指標として重視するコア前年比の強い数値が材料視されドル円急騰。更にFRB要人の相次ぐタカ派発言でドル円上昇継続し日足高値148.52を付けた。米国シカゴ購買部協会景気指数・米国中古住宅販売成約指数も強い数値であったが、月末ロンドンフィックスのドル売り需要が強かったためか下落。
日足終値148.22。

総じて、米国PCEデフレータコア前年比の強い数値、FRB要人の相次ぐタカ派発言で利下げ観測後退しドル円急騰。

【米国市況】S&P500種は月間で大幅高、国債急落-ドル148円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

11/30(木)は11/29(水)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル買い材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool
12月公表:25bps引き下げ0.0%、据え置き95.6%、25bps引き上げ4.4%

テクニカル分析

トレード

  • 月足:11月陰線形成中。上昇トレンド。ボリンジャーバンド(BB)スクーズ。
  • 週足:11/27週、陰線形成中。BBスクイーズ移行中。11/29に押し安値かつ20MAへ到達し上昇しやすい地合いに変化。
  • 日足:11/29陰線コマ足。下降トレンド。BBエクスパンション。「週足買い vs 日足売り」交錯しており、11/30は米国PCEデータ発表まで揉み合いやすい。強弱混在なければ揉み合いをブレイク、強弱混在なら月末・週末のポジション調整に呑まれて乱高下か。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:下降チャネル。BBスクイーズ。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足レジスタンス147.394かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レジスタンス147.727
(B)4H足レジスタンス147.727かつ4H足20MAをダウ上昇→目標4H足レジスタンス148.190

②ショート
(C)4H足レジスタンス148.190又は4H足20MA付近へ上昇→ダウ転換下落→目標4H足サポート147.727

11月通算:16勝7敗、勝率69.6%、獲得Pips +199.0

(Trading View)

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