2024年12月5日(木)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・日本30年債入札
・米国貿易収支
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国アトランタ連銀GDP Now

2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・中村日銀審議委員発言
・FRB

3.その他
・五十日仲値
・政情不安(韓国、フランス)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数です。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:37~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:10/1010/1510/22, 12/3, 12/5)
:政策スタンスは中立。前回12/3タカ、ハト派発言
サンフランシスコ連銀総裁、利下げの緊急性ない-慎重に政策調整を(Bloomberg

【考察】利下げ慎重タカ派発言。スワップ3倍デー狙いの決済入りの為かドル円下落継続。

東京マーケット(9:00~15:30)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。

10:31~要人発言
中村日銀審議委員
(過去の発言:11/30, 6/6, 12/5)
:政策スタンスはハト派。前回6/6ハト派発言
経済の回復状況に応じ、緩和度合い慎重に調節していくことが重要=中村日銀委員(Reuters

【考察】ハト派発言。ドル円上昇。しかし予想通りであったためか上昇続かず全戻し。

12:04~要人発言
日銀との共同声明見直し、「予定はない」=石破首相(Reuters

【考察】円安牽制発言。ドル円揉み合い。

12:35 経済指標
日本30年債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額:9000億円程度
最高落札利回り:前回2.280%、結果2.294%(◎)
応札倍率:前回3.44倍、結果3.46倍(◎)
テール:前回15銭、結果12銭(◎)

【考察】入札好調。ドル円上昇。

14:39~要人発言
中村日銀審議委員
(過去の発言:11/30, 6/6, 12/5)
:前回6/6ハト派発言
利上げに反対しているわけでない、データに基づき判断-中村日銀委員(Bloomberg

【考察】午前とは反対にサプライズのタカ派発言。ドル円下落。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
米国貿易収支
前回-844億ドル(改定-)、予想-750億ドル、結果-738億ドル(◎)

22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回21.3万件(改定21.5)、予想21.5件、結果22.4万件(×)

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回190.7万件(改定189.6)、予想190.3万件、結果187.1万件(◎)

【考察】強弱混在。初動ドル円下落から全戻し、乱高下

24:44 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q4:前回2.7%、予想2.7%、結果3.3%(◎)

【考察】強い数値。ドル円上昇から全戻し。

27:45 報道
米カリフォルニア州北部でM7の地震発生、津波警報発令(Bloomberg

【考察】地政学リスクオフ。ドル円下落。

28:35 報道
米国カリフォルニア州、津波警報解除

【考察】地政学リスクオフ後退。巻き戻しドル円上昇。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.58
取引開始後、日足高値150.78を付けると、スワップ3倍デー狙いの決済入ったためか日通し安値150.19へ下落。
中村日銀審議委員のハト派発言を受けて150.68へ急上昇するもサプライズなく予想通りだったためか、151円台乗せ材料にはなれず全戻し。

しかし、午後に中村日銀審議委員のサプライズタカ派発言が伝わると日通し安値149.69へ急落して引けました。

【日本市況】円上昇、利上げ反対せずと日銀委員-債券下落、株上昇(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン直後も中村日銀審議委員のタカ派発言の影響から日足安値149.66へ下落。
一方で、前日までと同様に150円付近では月初安値ドル調達需要(日本実需勢、新NISA等の米国投資目的)強く、更に欧州株上昇(円キャリー促進)に連れて急上昇。
日米金融政策の不透明感からドル円乱高下の様相。

その後、米国新規失業保険申請件数(弱)、失業保険継続申請件数(強)交錯し、初動150.70へ上昇するも揉み合いながら下落。

更に米国カリフォルニア州北部でM7の地震発生と津波警報発令を受けた地政学リスクオフにより下落継続しましたが、直ぐに津波警報解除となったことで揉み合いで引けました。
日足終値150.10

【米国市況】S&P500種は小反落、関心は雇用統計に集中-ドル下落(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言
・月初安値ドル調達需要(日本実需勢、新NISA等の米国投資目的)
・米国失業保険継続申請件数(強)
・米国アトランタ連銀GDP Now(強)

売り材料:
・米国新規失業保険申請件数(弱)

<円売り優勢>
買い材料:
・石破首相の円安牽制発言
・中村日銀審議委員のタカ派発言
・米国カリフォルニア州北部でM7の地震発生、津波警報発令:地政学リスクオフ

売り材料:
・中村日銀審議委員のハト派発言
・日本30年債入札(強)
・米国カリフォルニア州、津波警報解除→地政学リスクオフ後退
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利450-475bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回12月18日(水)公表:据え置き21.9→29.9%、25bps引き下げ78.1→70.1%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:12月陰線形成中。レンジ。20MA付近。
  • 週足:12/2週、陰線形成中。レンジ。20MA付近
  • 日足:12/4陽線。レンジ。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:上昇トレンド。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値150.659をダウ上昇→目標4H足レンジ高値151.070

②Short
(B)4H足レンジ安値150.164かつ4H足20MAをダウ下落→目標日足レンジ安値149.606

本日:0勝1敗、-15.3pips
12月通算:1勝1敗、勝率50.0%、RR2.05 、+13.4pips

(Trading View)

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