ファンダメンタルズ分析
注目材料
1.経済指標
・日本実質GDP1次速報値第1四半期
・米国住宅着工、米国住宅建築許可
・米国輸入、輸出物価指数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測
・IMM通貨先物円ポジション
2.要人発言
・中村日銀審議委員
・米国トランプ大統領
・FRB
3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、インド・パキスタン)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:39~要人発言
加藤財務相
「米国ベッセント財務長官と為替問題協議予定」
加藤財務相、ベッセント米財務長官と来週会談を模索-為替は緊密協議(Bloomberg)
【考察】円安是正要求警戒
8:50 経済指標
日本実質GDP1次速報値第1四半期(内閣府)
前期比:前回0.6%(改定)、予想-0.2%、結果-0.2%(○)
前期比年率:前回2.2%(改定2.4)、予想-0.7%、結果-0.7%(○)
GDPデフレータ[=名目GDP/実質GDP]前年比:前回2.9%(改定)、予想3.2%、結果3.3%(○)
実質GDP4期ぶりマイナス、日銀正常化に慎重な見方強まる可能性(Bloomberg)
東京マーケット(9:00~15:30)
9:45~要人発言
植田日銀総裁(衆院財務金融委員会)
:政策スタンスは中立。
(過去の発言:4/25, 5/1, 5/8, 5/16)
中央銀行の独立性、物価安定実現のために重要=植田日銀総裁(Reuters)
11:37 要人発言
台湾行政院副院長
「米国貿易協議に為替は含まれていない」
【考察】日米為替協議で円安是正警戒後退
13:01~要人発言
中村日銀審議委員
:政策スタンスはハト派
(過去の発言:6/6, 12/5, 5/8, 5/16)
中村日銀委員、金融政策は「当面現状維持が適当」-米関税の影響懸念(Bloomberg)
【考察】ハト派発言
15:17 要人発言
韓国通商交渉本部長
「米国グリア通商代表と為替協議なし」
【考察】日米為替協議で円安是正警戒後退
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
17:06~要人発言
米国、貿易相手国への関税率を「2-3週間以内に」決定ートランプ氏(Bloomberg)
21:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目されます。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから重要度が上がっています。
件数:前回132.4万件(改定133.9)、予想137.0万件、結果136.1万件(△)
前月比:前回-11.4%(改定)、予想3.3%、結果1.6%(△)
米国住宅建築許可
件数:前回148.2万件(改定148.1)、予想145.2万件、結果141.2万件(×)
前月比:前回0.5%(改定1.9)、予想0.0%、結果-4.7%(×)
21:30 経済指標
米国輸入物価指数
前月比:前回-0.1%(改定-0.4)、予想-0.4%、結果0.1%(◎)
前年比:前回0.9%(改定0.8)、予想-0.3%、結果0.1%(○)
米国輸出物価指数
前月比:前回0.0%(改定0.1)、予想-0.5%、結果0.1%(○)
前年比:前回2.4%(改定2.6)、予想2.2%、結果2.0%(×)
23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できます。
(速報値発表日; 1/10, 2/7, 3/14, 4/11, 5/16)
前回52.2、予想53.1、結果50.8(×)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回6.5%、予想6.5%、結果7.3%(◎)
5年先:前回4.4%、予想4.4%、結果4.6%(◎)
【考察】景気減速・インフレのスタグフレーション懸念ですが、インフレのみが材料視。
28:30 経済指標
IMM通貨先物5/13時点(Investing.com)
円ロング減少
29:43
米信用格付けを最上位から引き下げ、政府債務の増加で-ムーディーズ(Bloomberg)
【考察】サプライズリスクオフ
<まとめ>
東京マーケット
日足始値145.69
取引開始時に日通し高値145.74を付けると、加藤財務相「米国ベッセント財務長官と為替問題協議」を受けて日通し安値144.97へ急落。
その後、台湾行政院副院長「米国貿易協議に為替は含まれていない」で145.47へ上昇。中村日銀審議委員のハト派発言が続くも、じり下げで引けました。
【日本市況】円上昇、円安是正観測と米景気懸念-債券は中長期に買い(Bloomberg)
欧米マーケット
欧州オープン時に日足安値144.92を付けたものの、東京クローズ直前の韓国通商交渉本部長「米国グリア通商代表と為替協議なし」、週末ポジション調整(推測)ためか一気にリスクオンが強まり上昇。
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(弱)、インフレ予測(弱)が交錯すると、インフレ懸念が材料視され日足高値146.10へ急上昇。
ところが、NYクローズ後に米国格付け会社ムーディーズ「米国格付けを「AAA」から「AA1」へ引き下げ」発表を受けたサプライズリスクオフで急落して引けました。
日足終値145.64
【米国市況】S&P500種5日続伸、貿易交渉を楽観-ドル一時146円台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱
<ドル売りから買い優勢>
買い材料:
・米国ミシガン大学インフレ予測(弱)
・イラン、米国から正式な核交渉提案なし→原油先物価格上昇→インフレ懸念
売り材料:
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(弱)
・米国格付け会社ムーディーズ「米国格付けを「AAA」から「AA1」へ引き下げ」
・米ドル回避の取引需要、アジアの金融機関で拡大-貿易摩擦の強まりで(Bloomberg)
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に-世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる(Bloomberg)
<円買いから売り優勢>
買い材料:
・加藤財務相「米国ベッセント財務長官と為替問題協議」→円安是正要求警戒
・米国格付け会社ムーディーズ「米国信用格付けを「AAA」から「AA1」へ引き下げ」→リスクオフ
・2025年3月調査想定為替レート上期147.17(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化、リスクオフ(円キャリー巻き戻し)
売り材料:
・台湾行政院副院長「米国貿易協議に為替は含まれていない」→日米為替協議で円安是正警戒後退
・中村日銀審議委員のハト派発言
・韓国通商交渉本部長「米国グリア通商代表と為替協議なし」→日米為替協議で円安是正警戒後退
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・構造的円売り(日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回6月18日(水)公表:据え置き(91.7→91.3%)、0.25%引き下げ(8.4→8.7%)
2025年利下げ観測:0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
・日銀:現行政策金利0.50%
市場織り込み(東京短資株式会社)
次回6月17日(火)公表:0.25%引き上げ(2→1%)
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:5月陽線形成中。レンジ。押し安値付近。
- 週足:5/12週、上ヒゲピンバー陰線形成中。レンジ。20MA付近。
- 日足:5/15陰線。上昇チャネル。
- 4H足:下降トレンド。
- 1H足:下降チャネル。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足押し安値145.414付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ高値146.081
(B)1H足レンジ高値146.081をダウ上昇→目標4H足戻り高値146.746
②Short
(C)4H足戻り高値146.746付近へ上昇→転換下落→目標1H足レンジ高値146.081

本日:1勝0敗、+35.6pips
5月通算:8勝4敗、勝率66.7%、RR1.82 、+295.6pips

コメント