ファンダメンタルズ分析
注目材料
1.経済指標
・米国新築住宅販売件数
・米国2年債入札
・米国5年債入札
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ大統領
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(X投稿):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:1/18~1/30)につき
3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・米国、コロンビア貿易戦争リスクオフ
トランプ氏、移民巡りコロンビアに関税賦課と制裁-渡航禁止も実施(Bloomberg)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
・来週の円は上昇か、日銀タカ派観測の流れ継続-トランプ氏発言は警戒(Bloomberg)
・【債券週間展望】長期金利は低下か、日銀イベント通過の安心感で買い(Bloomberg)
・【日本株週間展望】上値重い、円高進行警戒-重要日程終え買い安心感(Bloomberg)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
12:12 要人発言
トランプ氏、コロンビアへの関税賦課と制裁を保留-移民問題で合意(Bloomberg)
【考察】リスクオフ後退。巻き戻しドル円上昇
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
24:00 経済指標
米国新築住宅販売件数
住宅市場は消費に大きな影響を与えることから景気の先行指標として中古住宅販売件数とともに重要。
件数:前回66.4万件(改定67.4)、予想66.8万件、結果69.8万件(◎)
前月比:前回5.9%(改定-)、予想6.6%、結果3.6%(×)
25:30 経済指標
米国2年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもある。
(過去の発表日:10/28, 11/25, 12/23, 1/27)
発行額(Offering Amount):690億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.335%、結果4.211%(◎)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.73倍、結果2.66倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回82.1%、結果65.0%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.10bps、結果+0.1bps(×)。4.211-4.210=+0.001
WI:4.210%
【考察】入札不調。米国2年債利回り下落から全戻し。ドル円上昇。
27:00 経済指標
米国5年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
(過去の発表日:10/28, 11/26, 12/24, 1/27)
発行額(Offering Amount):700億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.478%、結果4.330%(◎)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.40倍、結果2.40倍(○)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回67.27%、結果62.8%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.2bps、結果-0.6bps(◎)。4.330-4.336=-0.006
WI:4.336%
【考察】入札好調。米国5年債利回り低下。ドル円下落。
28:10 要人発言
エヌビディア、DeepSeekは「AI技術の優れた進歩」-疑念を否定(Bloomberg)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値155.74
取引開始前、中国開発AIのDeepSeekが米国AI(ChatGPT等)より低コストかつ高性能との観測と、米国トランプ大統領「対コロンビア関税賦課と制裁」発言を受けて、東京オープン後に日通し安値155.29へ下落。
その後、米国トランプ大統領「対コロンビア関税賦課と制裁の保留」発言から巻き戻しのドル円上昇から日足高値156.25を付けて引けました。
【日本市況】日経平均続落、中国AI警戒-米関税政策巡り円は上下動(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前から再び中国開発AIのDeepSeekショックが高まりリスクオフのドル円急落。欧州オープンすると欧州株、米国株先物急落に連れて日足安値153.71を付けました。
一方、DeepSeekは課題もあり今後の欧米規制が想定され、巨額の資金力を有する米国AI企業の優位性は簡単に覆らないとの見方も強く、下げ止まりから揉み合いで引けました。
日足終値154.52
【米国市況】テク株急落、世界でDeepSeek衝撃走る-ドル一時153円台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国2年債入札(弱)
売り材料:
・中国開発AIのDeepSeekが米国AI(ChatGPT等)より低コストかつ高性能との観測→AIサプライチェーンに衝撃→リスクオフ米国債買い
・米国5年債入札(強)
・原油先物価格下落→インフレ懸念後退
<円買い優勢>
買い材料:
・中国開発AIのDeepSeekが米国AI(ChatGPT等)より低コストかつ高性能との観測→AIサプライチェーンに衝撃→リスクオフ日本株、欧米株下落(円キャリー巻き戻し)
Silicon Valley Is Raving About a Made-in-China AI Model(WSJ)
・米国トランプ大統領「対コロンビア関税賦課と制裁」→貿易戦争、リスクオフ日本株下落
・原油先物価格下落→日本貿易収支改善
売り材料:
・米国トランプ大統領「対コロンビア関税賦課と制裁を保留」→リスクオフ後退→巻き戻し日本株上昇
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回1月29日(水)公表:据え置き(97.9→97.3%)、0.25%引き下げ(2.1→2.7%)
2025年利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
・日銀:現行政策金利0.50%
市場織り込み(東京短資株式会社)
次回3月19日(水)公表:0.25%引き上げ(1→0%)
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:1月陰線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近
- 週足:1/20週、陰線確定。上昇トレンド。ダウ高値付近へレジサポ下落→上昇想定
- 日足:1/25十字線。レンジ、BB-1σ付近。→方向性なし。
- 4H足:上昇チャネル、20MA付近→方向性なし。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)切番155.000付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ安値155.353
②Short
(B)4H足レンジ高値156.332付近へ上昇→転換下落→目標4H足レンジ安値155.742
(C) (B)後、4H足レンジ安値155.742をダウ下落→目標4H足レンジ安値155.353
本日:シナリオ外のためトレードなし
1月通算:10勝14敗、勝率41.7%、RR1.99 、-11.9pips
コメント