2024年1月8日(月)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)1/5の欧米マーケット影響
米国雇用統計は強い数値でドル円上昇から146円台乗せ失敗するとロング勢利確で全戻し。米国ISM非製造業景気指数の弱い数値でドル円急落から約80%戻し上昇。原油先物価格上昇もドル円上昇に寄与。
共に注目度の高い経済指標でしたが、ドル円のトレンドを決定付ける材料にならず総じて乱高下。よって来週はレンジ推移しやすい相場環境になったと推測します。

(2)経済指標
・1/5(金)米国雇用統計の強い数値、米国ISM非製造業景気指数の弱い数値について市場の再解釈
・米国Ny連銀インフレ期待調査

(3)要人発言
・FRB要人

(4)その他
・日本祝日休場(成人の日)
・中東地政学リスクオフ
・来週はドル高一服か、米CPI注視-日銀修正観測後退で円高は限定的(Bloomberg
・【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀オペ減額や国債入札を警戒(Bloomberg
・【日本株週間展望】続伸へ、米利下げ観測後退し円安推移が下支え(Bloomberg

・米国ローガン・ダラス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:4/205/165/187/69/810/910/2011/7, 11/10, 1/7)
米ダラス連銀総裁、当局はバランスシート圧縮ペースを減速する必要(Bloomberg

本日発表の注目材料はないことから、先週米国雇用統計の強い数値、米国ISM非製造業景気指数の弱い数値影響に注目したい。共に初動は数値通りのドル円反応を示すも、その後は全戻しの展開となりドル円トレンドの方向性を決定付ける材料になりませんでした。
しかし、米国債イールドカーブはドル買いを示唆しており、日銀早期マイナス解除観測後退の円売り優勢であることからドル円上昇しやすい地合い変わらず。
気になる点は、休場中に米国ローガン・ダラス連銀総裁のハト派発言が出たこと。

日本祝日休場であることから欧州マーケットから本格的な動きが出る想定。先週は欧州オープン前からドル円上昇が生じていましたが、米国雇用統計・ISM非製造業景気指数を受けて、この傾向が継続するか様子見が適切な日になりそうです。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前
5:35 報道
米議会指導部が予算大枠合意、閉鎖回避に向け前進-歳出約230兆円(Bloomberg

【考察】米国政府閉鎖懸念後退のドル買い材料。但し、前進しただけで決定ではないことから合意破棄の可能性は残ります。仮に合意破棄になれば巻き戻しドル売りが生じやすい。

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

25:00 経済指標
米国Ny連銀インフレ期待調査
1年後:前回3.4%、結果3.0%(×)
3年後:前回3.0%、結果2.6%(×)
5年後: 前回2.7%、結果2.5%(×)

【考察】全て弱い数値でドル円下落。

26:38~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはハト派。
(過去の発言:11/311/911/1011/2912/15, 12/19, 1/8)
政策引き締めのバイアス残る=アトランタ連銀総裁(Reuters

【考察】24年市場利下げ観測6回、FRB見通し3回に対して、2回利下げ見込みのタカ派発言でドル円上昇。

30:30~要人発言
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:11/711/9, 11/28, 1/8)
ボウマンFRB理事、将来的に利下げ支持も-インフレさらに鈍化なら(Bloomberg

【考察】タカ派発言でドル円上昇。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値144.62。
東京始値144.72
東京・日足高値144.92
東京安値144.32
東京終値144.37

取引前の米国議会指導部が予算大枠合意との報道で政府閉鎖懸念後退したためか、東京高値144.92へ上昇。しかし日本祝日休場で市場参加者が少ない中で勢い続かず切番145.00トライ失敗。トライ失敗後はロング勢決済が入りやすく、加えて中国悪化懸念と地政学リスクオフから中国・香港株下落リスクオフ円買いで東京安値144.32を付けました。

アジア株式市場サマリー:引け(8日)(Reuters

欧米マーケット:
欧州始値144.42
NY始値143.88
NY終値144.16
日足安値143.66(日足ダウ点転換位置143.82付近)
日足終値144.24。

欧州オープン前に日通し安値144.09までじり下げてからは、切番144.00付近からの押し目買いや、先週同様に欧州勢のドル買い参入で144.59へ上昇。しかし、1/5(金)米国雇用統計やISM非製造業景気指数発表後の乱高下受けて市場参加者の迷いからか、ここでも乱高下。下値は切番144.00付近、上値は切番145.00付近が固い。新規材料や投機勢仕掛けまではレンジ相場の様相。
NYオープン後、ボーイング株急落に伴う米株下落リスクオフ円買い、米国債利回り低下ドル売り、かつ米国Ny連銀インフレ期待調査の弱い数値、原油先物価格下落も下押しを加速、日足安値143.66へ急落。
しかし、日足ダウ点転換位置143.82付近はショート勢利益や押し目買いが入りやすく、直後の米国ボスティック・アトランタ連銀総裁と米国ボウマンFRB理事のタカ派発言もあり144.27へ上昇。一気に144円台回復。

総じて、株下落リスクオフ、Ny連銀インフレ期待調査の弱い数値、原油先物価格下落によるドル円下落から、株上昇リスクオフ巻き戻しとFRB要人タカ派発言でドル円上昇。

【米国市況】ハイテク中心に株上昇、国債利回り低下-ドル144円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・1/8ドル売買交錯:
ドル買い:米国議会指導部が予算大枠合意、FRB要人タカ派発言
ドル売り:FRB利下げ観測、1/7FRB要人ハト派発言、米国Ny連銀インフレ期待調査(弱)、原油先物価格下落

米国債急落、雇用拡大ペース堅調で3月の米利下げ観測が後退(Bloomberg

・1/8リスクオフ円買い優勢
円買い:アジア株下落・地政学リスクオフ
円売り:日銀早期マイナス金利解除観測後退、株上昇リスクオン
大地震受け円安進行、日銀のマイナス金利「早期解除は困難」との声も(Bloomberg
2024年は利下げの年、FRBがけん引役-日銀はついに引き締めか(Bloomberg

Currency Strength Chart

米国債イールドカーブ

1/8(月)は1/5(金)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド同等。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FRB政策金利:525~550bps
FOMC見通し(CME FedWatch Tool
次回公表24年1月31日:25bps引き下げ4.7%、据え置き95.3%
初回利下げ観測24年3月20日公表:25bp引き下げ60.9%
24年合計利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み

2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と1/8織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.85%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.36%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.13%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り4.01%)
24年利下げ見通し:25bps×3回=75bps →政策金利450~475bps相当
実質金利=政策金利-総合消費者物価指数12月度前年比=5.5%-3.1%=2.4%

(現状の相関関係は、25bpsでドル円約3円変動)

テクニカル分析

トレード

  • 月足:1月陽線形成中。押し安値や20MA付近から上昇中。
  • 週足:1/1週、陽線確定。レンジ。
  • 日足:1/5コマ足陽線。スラストアップ終了。BBスクイーズ。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足レジスタンス144.895をダウ上昇→目標1H足レジスタンス145.465
(B)日足サポート143.942付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス144.577

②ショート
(C)1H足サポート144.577をダウ下落→目標日足サポート143.942又は4H足20MA
(D)1H足レジスタンス145.465付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート144.895

1月通算:3勝1敗、勝率75.0%、獲得Pips +63.1

(Trading View)

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