2023年3月15日(水)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)3/14の欧米マーケット影響
米国消費者物価指数の強い数値でドル円上昇。しかし、米国銀行経営破綻の波及が完全に払拭された訳ではなく揉み合いながら上昇。その後、米露軍事衝突懸念の地政学リスクオフでドル円下落。

(2)経済指標
・米国ニューヨーク連銀製造業景気指数、米国小売売上高、米国生産者物価指数

(3)要人発言
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間のため、いつもの様に発言や記事には要警戒。

(4)その他
・ドル買い材料:米利上げ見通し復活(3/14, Bloomberg
・円買い材料:円高リスク警戒の通貨オプション市場で130円割れの可能性(3/14, Bloomberg
・円売り材料:日本国債長期金利、一時0.24%に低下(3/14, Bloomberg

中でも3/15の注目材料は、米国銀行経営破綻の影響、米国生産者物価指数。
米国銀行経営破綻の波及は収まりつつあるが、クレディSの資金流出報道(Bloomberg)もあり、関連報道や要人発言には引き続き要警戒(特にリスクオフによるドル円急落)。

米国生産者物価指数ではコア指数に注目。しかし、前日消費者物価指数に比べて注目度は下がる為、サプライズの数値が出ない限りドル円の動きは小さいと想定。
ドル円動き例

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 要人発言
日銀金融政策決定会合の議事要旨(1月17、18日開催分)(日本銀行

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

欧州マーケット(17:00~25:30)
NYマーケット(22:30~29:00)

17:54 報道
クレディ・スイス筆頭株主のサウジ国立銀行(Bloomberg
「追加支援の可能性を否定」

【考察】先週は投資運用会社ハリス・アソシエイツがクレディS株を全て売却したとの報道、前日3/14はクレディS資金流出報道(Bloomberg)が出たばかり。
悪材料が重なり、「銀行経営破綻の懸念が急浮上→リスクオフ→米国債利回り急落→リスクオフドル買い円買い→円買い強く」ドル円暴落

21:30 経済指標
米国ニューヨーク連銀製造業景気指数3月度(Bloomberg
米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標として注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」。
基準0、前回-5.8、予想-7.5、結果-24.6(×)

21:30 経済指標
米国小売売上高2月度(Bloomberg
個人消費が米国GDPの約2/3を占めており、その動向を表す小売売上高の注目は高い。米国個人消費や米国消費者信頼感とも相関性があることからも重要な指標。
前月比:前回3.0%(改定3.2)、予想0.2%、結果-0.4%(×)
コア前月比:前回2.3%(改定2.4)、予想-0.1%、結果-0.1%(○)

21:30 経済指標
米国生産者物価指数(PPI)2月度(過去の発表日; 8/119/1410/1211/1512/91/18, 2/16)(Bloomberg
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」

前月比:前回0.7%(改定0.3)、予想0.4%、結果-0.1%(×)
前年比:前回6.0%(改定5.7)、予想5.4%、結果4.6%(×)
コア前月比:前回0.5%(改定0.1)、予想0.4%、結果0.0%(×)
コア前年比:前回5.4%(改定5.0)、予想5.1%、結果4.4%(×)

【考察】全て弱い数値のサプライズ。加えて同刻発表の他指標も弱い。しかし、経済指標の弱さでドル売りにはならず、クレディ・スイス経営破綻懸念のリスクオフが継続して材料視され、リスクオフのドル買い・円買いで強烈な円買いによってドル円下落。

23:00 経済指標
米国企業在庫1月度
前月比:前回0.3%(改定)、予想0.0%、結果-0.1%(×)

27:28 報道
スイス政府
「クレディ・スイス救済協議」

【考察】政府介入報道→クレディ・スイス経営破綻の懸念が急速に後退→リスクオフ巻き戻しのドル売り円売り→「円売り>ドル売り」でドル円急騰。
しかし、具体的な決定事項やそれらの効果などは、まだ不透明。

28:21~ 要人発言(Bloomberg
スイス中銀(SNB)、スイス金融市場監督局(FINMA)
「必要に応じてクレディ・スイスに流動性を提供する」

【考察】リスクオフ後退でドル円上昇。

29:00 経済指標
米国対米証券投資1月度
米国人以外による米国債購入額を表す。米国への資金流出入が判り、金額が大きければ経常収支拡大。「予想より高ければドル買い材料」、「予想より低ければドル売り材料」
ネット長期フロー:前回1528億ドル、結果319億ドル(×)
ネットTICフロー合計:前回286億ドル(改定)、結果1831億ドル(◎)

東京マーケット:米国2銀行破綻のリスクオフ後退、リスクオフ再燃の交錯でドル円乱高下。

欧米マーケット:欧州オープン直後まではリスクオフ後退が優勢となりドル円上昇していたが、「クレディ・スイス筆頭株主の追加支援の可能性否定→更なる銀行経営破綻の懸念が急速に高まりリスクオフ→米国債利回り急落→リスクオフドル買い円買い→円買い強く」ドル円急落。
注目の米国PPI等が弱かったもののドル売りにはならず、リスクオフドル買い円買い継続でドル円下落。
NYマーケットからは急速に進んだリスクオフが一服しドル円揉み合っていたところで、スイス政府「クレディ・スイス救済協議」によって急速にリスクオフ後退し、巻き戻しのドル円上昇。

つまり、市場の注目は、米国経済指標よりも、欧米金融危機不安となっている。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. JPY(リスクオフ通貨):株先物・株価指数急落のリスクオフで買い。
  2. USD(基軸通貨):リスクオフで買い。
  3. CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
  4. NZD(資源国リスクオン通貨):
  5. GBP(リスクオン通貨):
  6. AUD(資源国リスクオン通貨):
  7. EUR(リスクオン通貨):クレディS経営破綻懸念→欧州株急落、欧米債券買い→リスクオフ→3/16ECB理事会での利上げ見送り観測で売り。
  8. CHF(リスクオフ通貨):クレディS経営破綻懸念で売り。

米国債イールドカーブ

3/15(水)は3/14(火)に対してブル(短期金利低下、長期金利低下、逆イールド縮小)でドル売り・買い材料交錯。
ドルインデックス日足大陽線は、イールドカーブの動きではないドル買いの影響と推測。

*逆イールドはリセッションのサイン(Bloomberg)、逆イールド拡大(Bloomberg

3月FOMCの利上げ幅市場コンセンサスは、25bpsが50.5%、50bpsが49.5%。

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:3月陰線形成中。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。三尊の右肩形成しつつあり。
  • 週足:3/13週、陽線形成中。上昇トレンドからレンジに移行し、20MAからボリンジャーバンド-1σへ下落中。
  • 日足:3/14陽線。レジサポから下落転換する可能性あり。
  • 4H足:下降トレンドからレンジに移行。
  • 1H足:上昇チャネル。
  • 15M足:下降チャネル。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート133.840付近まで下落→上昇転換→目標4H足レジスタンス134.402

②ショート
(B)1H足サポート133.840をダウ下落→目標日足サポート133.246


【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。

トレード1
金融危機リスクオフ→133.840をダウ下落→(B)ショート
ショート:133.682
T/P:133.245
獲得pips:+43.7
3月通算:5勝1敗、勝率83.3%、平均RR1.92 、獲得Pips +186.5

(Trading View)

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