ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)5/24の欧米マーケット影響
英国消費者物価の強い数値が米インフレ懸念に波及してドル円上昇、FRB要人タカ派発言で上昇継続。
FOMC議事要旨はハト派内容が材料視され下落。しかし、現時点のインフレ懸念に変わりなく押し目となり全戻し上昇。
(2)経済指標
・米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数
・米国実質GDP改定値
・米国中古住宅販売成約指数
・米国7年債入札
(3)要人発言
・FRB当局者
(4)その他
・米国債務上限問題
・欧米金融システム不安
5/25もインフレ懸念の影響。注目度の高い米国経済指標が続くためインフレ懸念の加速に繋がるか否かでドル円の動きが決まりそうだが、米国債務上限問題がどこまで足を引っ張るかが不明。引き続きヘッドラインに注意したい。
(ドル円動き例)
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
6:39~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
「インフレ目標2%を達成できないことは問題」
「最良のシナリオは24年まで利下げを検討しないこと」
【考察】タカ派発言
7:39 要人発言
格付け会社フィッチ(Bloomberg)
「米国格付けAAAを引き下げの可能性」
【考察】債務上限問題懸念でドル円急落(Bloomberg)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
14:54~要人発言
植田日銀総裁(Bloomberg)
「日銀のバランスシート、必ずしも正常なではない」
「金融緩和を続ける」
【考察】タカ派・ハト派発言だが、将来のバランスシート縮小が意識されたためかドル円下落
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:00~要人発言
植田日銀総裁(Bloomberg)
「政策変更、賃金よりも物価上昇重視」
【考察】今まで政策変更の前提条件に賃金上昇が含まれていたが、物価上昇だけでも政策変更の可能性が示されたのはサプライズのタカ派発言でドル円下落。
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数(Bloomberg)
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回24.2万件(改定22.5)、予想24.7万件、結果22.9万件(○)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回179.9万件(改定)、予想180.1万件、結果179.4万件(◎)
21:30 経済指標
米国実質GDP改定値第1四半期(過去の速報発表日:8/25, 9/29, 10/27, 11/30, 12/22, 1/26, 2/23, 3/30, 4/27)(Bloomberg)
速報値は改定値に比べて注目度高い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
実質GDP:前回1.1%、予想1.1%、結果1.3%(◎)
個人消費:前回3.7%、予想3.7%、結果3.8%(◎)
GDPデフレータ:前回4.0%、予想4.0%、結果4.2%(◎)
PCEコアデフレータ:前回4.9%、予想4.9%、結果5.0%(◎)
【考察】全て強い数値でドル円急騰
21:37~要人発言
米国共和党マッカーシー下院議長(Bloomberg)
「債務上限交渉、問題が残っている」
【考察】米国格付けAAAからの引き下げ可能性が出たなかで交渉難航は嫌気されドル上昇ストップ。
22:08 要人発言
格付け会社DBRSモーニングスター(Reuters)
「米国格付けAAAを引き下げ方向で見直し」
【考察】債務上限問題懸念でドル円下落だが既にフィッチ格下げの可能性を示しておりサプライズないことから反応薄か。
22:59~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Reuters)
「利上げと信用逼迫は需要減に寄与」
【考察】利上げに繋がる発言なし。
23:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数4月度
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目されます。
前月比:前回-5.2%(改定)、予想0.9%、結果0.0%(△)
前年比:前回-23.3%(改定)、予想-20.1%、結果-22.6%(△)
23:30~要人発言
米国コリンズ・ボストン連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)(Bloomberg)
「利上げ一時停止またはそれに近い状況」
「インフレは高すぎるが緩和の兆しが見える」
【考察】ハト派発言だがドル円上昇継続。
26:00 経済指標
米国7年債入札(Upcoming Auctions)
「入札好調→利回り低下→ドル売り材料」、「入札不調→利回り上昇→ドル買い材料」
最高落札利回り:前回3.563%、結果3.827%(◎)
【考察】好調でドル円下落だが、直前までの上昇勢い強く全戻し上昇。
27:00~要人発言
米国バイデン大統領(Bloomberg)
「歳出増の2年凍結案を提示」
「交渉は合意すると信じている」
【考察】今までより踏み込んだ債務上限交渉の進展でドル円上昇。
29:15 報道
「ニューヨーク市、キャピタルワンとキーバンクの預金を凍結」(ニューヨーク市銀行委員会)
【考察】凍理由は銀行が差別撤廃計画の書類を怠ったためのようだが、金融システム不安再燃が意識されたのかドル円下落。
<まとめ>
東京マーケット:
オープン前に格付け会社フィッチによる米国格下げの可能性発言で138.82まで急落したが、五十日仲値のドル買い需要の好機となり、日経平均株価ギャップダウンスタートから全戻し上昇リスクオンに転じたことでドル円も全戻し上昇。
日経平均株価の上昇継続に連れてドル円も上昇継続したが、引け直後に植田日銀総裁のタカ派発言で急落。
欧米マーケット:
欧州オープンはリセッション懸念から株価指数下落リスクオフ円買いでドル円下落継続スタート。
リスクオフ後退による巻き戻しの円売りでドル円上昇していたところで、植田日銀総裁のサプライズタカ派発言でドル円急落。
直後に米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数・実質GDP改定値の強い数値で全戻し上昇。
更に、前日発表されたエヌビディアの強い売上高見通し(Bloomberg)がリスクオン円売りでドル円上昇。
米国バイデン大統領が債務上限交渉の進展を述べるとドル円上昇継続。140円台乗せ(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
5/25(木)は5/24(水)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド拡大)でドル買い・売り材料交錯。
ドルインデックス日足陽線は金利上昇の影響大。
6月FOMCの利上げ幅見通しは、据え置き51.8%。25bps引き上げ48.2%。(CME FedWatch Tool)
テクニカル分析
トレード
- 月足:5月陰線形成中。
- 週足:5/22週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:5/24陽線。上昇トレンド。
- 4H足:上昇トレンド。ボリンジャーバンド+2σバンドウォーク。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート139.136付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス139.461
(B) (A)後、1H足レジスタンス139.461をダウ上昇→目標日足レジスタンス139.906
②ショート
(C) 日足レジスタンス139.906付近まで上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート139.461
【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。
トレード1
139.461をダウ上昇→(A)ロング
ロング:139.599
S/L:139.447
獲得pips:-15.2
トレード2
米国経済指標の強い数値→ダウなし上昇→(A)ロング
ロング:139.498
T/P:139.907
獲得pips:+40.8
5月通算:10勝7敗、勝率58.8%、平均RR 1.94、獲得Pips +179.0
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