2024年5月14日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)5/13の欧米マーケット影響
欧州オープン後も早期金融政策正常化観測が重しとなり156円台目前に揉み合っていましたが、米国ジェファーソンFRB理事のタカ派発言と、米国イエレン財務長官のタカ派発言・為替介入牽制発言、米国Ny連銀インフレ期待調査(強)を受けて日足高値156.25へ急騰し、一気に156円台乗せ。但し、4H足戻り高値ヒゲ先156.28付近であることからロング勢決済や戻り売りも入りやすく引けに掛けて揉み合い。
日足終値156.22

(2)経済指標
・日本国内企業物価
・日本5年国債入札
・米国生産者物価指数

(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人

(4)その他
・中東地政学リスクオフ
【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀利上げと買い入れ減額を警戒(Bloomberg
【日本株週間展望】上昇、米CPIで利下げ見極め-好決算銘柄に買い(Bloomberg

本日の注目材料は5点。

①日銀早期金融政策正常化観測
5/13日銀国債買入オペ通知で5~10年債減額されると、「事実上の日銀緩和政策縮小(早期金融政策正常化観測)→日本10年国債利回り上昇(0.909→0.945%)→ドル円急落」が生じました。
減額規模がサプライズに乏しかったことで全戻ししましたが、5/17超長期債対象の買い入れ減額の可能性、早期金融政策正常化観測に関する要人発言や報道への警戒感から再び上値が重くなるか注目したい。基本的には、一時的にドル円下落が生じても押し目買いの機会になると想定します。

②政府・日銀為替介入観測
4/29に続き、5/1も政府・日銀為替介入観測発生しました。しかし、4/25,5/4に続いて5/13も米国イエレン財務長官より強い為替介入牽制発言が出たことで介入警戒後退し強い円売り発生。
従って、本日も政府・日銀為替介入が実施される可能性低く、効果の薄い円安牽制発言に留まると想定されます。

③米国経済指標
米国生産者物価指数(PPI)が注目大。初動は「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定します。
しかし、「強い数値→最近の米国景気指数(弱)・インフレ指標(強)交錯からスタグフレーション懸念高進→株安・米国債利回り低下→ドル円下落」、「弱い数値→単発データではFRB利下げなし→最近の米国インフレ指標(強)警戒継続→ドル円上昇」も考えられます。つまり、ヘッドライン数値を見てドル円の動きを判断するのは高リスクかも知れません。

5/1米国ISM製造業景気指数(弱)、仕入価格(強)→ドル円下落から上昇
5/3米国ISM非製造業景気指数(弱)、仕入価格(強)→ドル円下落から上昇
5/10米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(弱)、インフレ予測(強)→ドル円下落なく上昇

④米国FRB要人発言
パウエルFRB議長会見が要注目。5/1FOMC公表後の会見ではハト派発言でしたが、インフレ高止まりを受けてその他のFRB要人からはタカ派発言相次いでいます。
従って、「タカ派発言へ転換→ドル円上昇」、「前回同様ハト派発言→ドル円下落」の素直な動きになりやすいですが、結局は「データ次第」で終える可能性は高く、市場が注目する5/15米国消費者物価指数発表の前日でもあることから大きなドル円の動きは生じにくいと考えます。

⑤中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。

総じて、5/13も米国イエレン財務長官より強い為替介入牽制発言が出たことで介入警戒後退しました。政府・日銀の金融正常化に繋がる要人発言や報道以外にドル円下落の材料に乏しく、ドル円上昇優勢と考えます。但し、米国生産者物価指数とパウエルFRB議長会見を受けてドル円下落の可能性にも注意したい。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:39~要人発言
IMF、日本の変動相場制へのコミットメントを支持(Reuters

【考察】日銀追加利上げ牽制発言

8:50 経済指標
日本国内企業物価
前月比:前回0.2%(改定-)、予想0.3%、結果0.3%(○)
前年比:前回0.8%(改定)、予想0.8%、結果0.9%(◎)

9:46~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:4/14/24/44/54/94/114/124/154/164/174/184/194/234/254/265/35/85/9, 5/10, 5/14)
:前回5/10円安牽制発言。
外為12時 円相場、下落 156円台半ば 輸入企業などの売り(日本経済新聞

【考察】円安牽制発言。

東京マーケット(9:00~15:00)

12:35 経済指標
日本5年国債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
発行予定額:2兆3000億円程度
最高落札利回り:前回0.408%、結果0.580%(×)
応札倍率:前回3.88倍、結果3.90倍(◎)
テール:前回2銭、結果4銭(×)

【考察】総じて入札不調。ただ、市場では前日5/13日銀国債買いオペ削減を受けて警戒感があったたなか無難な結果との見方あり。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:30 経済指標
米国生産者物価指数(PPI)
(過去の発表日; 5/116/147/138/119/1410/1111/1512/131/122/163/14, 4/11, 5/14)
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を把握する指標。FRBが金融政策を決定する上でインフレ変動を把握する重要指標。コア指数が特に重要。PPIは米国消費者物価指数(CPI)の川上に相当する指標でCPIより注目度は低い。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」

前月比:前回0.2%(改定-0.1)、予想0.4%、結果0.5%(◎)
前年比:前回2.1%(改定)、予想2.1%、結果2.2%(◎)
コア前月比:前回0.2%(改定-0.1)、予想0.3%、結果0.5%(◎)
コア前年比:前回2.4%(改定)、予想2.3%、結果2.4%(○)
米PPI、4月は予想上回る伸び-一部の主要項目は落ち着き示す(Bloomberg

【考察】
発表前:5/2日足高値・4H足戻り高値156.26付近へレジサポから上昇中。直前156.45。
発表後:強い数値。初動、日足高値156.78到達。しかし、総合・コア前月比前回値の大幅下方修正や米国PCE価格指数の算出に用いられる主要カテゴリーは比較的落ち着いているとの観測が材料視され、加えて一気に4H足押し安値156.71へ急騰したことでロング勢決済や戻り売りも強く乱高下。

23:05~ 要人発言
米国パウエルFRB議長
(過去の発言:1/312/53/63/73/203/223/294/3, 5/1, 5/14)
:政策スタンスは中立。前回5/1ハト派発言
パウエル議長、FRBは忍耐強くある必要-インフレ沈静化進展なし(Bloomberg

【考察】タカ派発言。米国生産者物価指数の総じて強い数値と総合・コア前月比前回値の大幅下方修正については強弱入り交じるとコメント。

29:44~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/112/62/293/74/24/4, 4/18, 5/14)
:政策スタンスはタカ派。前回4/18タカ派発言。
「景気が行き詰りや、インフレ反転と結論付けるのは時期尚早」
米FRB、金利維持が適切─クリーブランド連銀総裁=WSJ(Reuters

【考察】タカ派発言

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値156.22
取引開始直後、日通し安値156.16を付けてからは、5/13米国イエレン財務長官の為替介入牽制発言の影響継続とIMFの日銀追加利上げ牽制発言で上昇。鈴木財務相の円安牽制発言で一瞬下押しするも押し目にしかならず、東京高値156.50到達。
一方で、5/13日銀国債買い入れオペ通知の5~10年債減額の影響継続から日本10年国債利回り0.96%まで上昇したことが嫌気され東京引けに掛けて揉み合いましたが、東京クローズ直後には日通し高値156.55到達。

5/1政府・日銀為替介入観測後に付けた5/2日足高値・4H足戻り高値156.26を上抜けましたので同水準がサポートとして機能すれば5/1日足戻り高値157.82を目指すと推測します。

【日本市況】20年金利が11年ぶり高水準、円売り続き156円台-株反発(Bloomberg

欧米マーケット:
5/13と同じく欧州オープン前後は揉み合いながら下落し、5/2日足高値・4H足戻り高値156.26付近の156.29へ下押し。
注目の米国生産者物価指数(強)を受けて初動日足高値156.78到達。しかし、総合・コア前月比前回値の大幅下方修正や米国PCE価格指数の算出に用いられる主要カテゴリーは比較的落ち着いているとの観測が材料視され、加えて一気に4H足押し安値156.71へ急騰したことでロング勢決済や戻り売りも強く乱高下。
その後、パウエルFRB議長のタカ派発言と、米高金利長期化懸念から5/15米国消費者物価指数発表前にヘッジファンドのユーロショートカバー観測(ユーロ買いドル売り)交錯し、引けに掛けて再び揉み合い。
日足終値156.43

【米国市況】S&P500種が最高値接近、ハイテク上昇-一時156円74銭(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国生産者物価指数(強)
・米国パウエルFRB議長、米国メスター・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言

売り材料:
・米国生産者物価指数総合・コア前月比前回値の大幅下方修正
・米国生産者物価指数(強)かつ米国パウエルFRB議長のタカ派発言→5/15消費者物価指数発表前にヘッジファンドのユーロショートカバー観測→ユーロ買いドル売り。
米インフレ統計警戒するヘッジファンド、ユーロショートのカバー急ぐ(Bloomberg

・米国の対中国関税引き上げ→米中貿易戦争→景気悪化懸念
中国、「断固たる措置講じる」と表明-米政権による関税引き上げ受け(Bloomberg

・原油先物価格下落→インフレ懸念後退

<円売り優勢>
買い材料:
・5/13日銀国債買い入れオペ通知の5~10年債減額の影響継続→早期金融政策正常化観測→日本国債利回り上昇
・日本国内企業物価(強)
・鈴木財務相の円安牽制発言
・日本5年国債入札(弱)

売り材料:
・5/13米国イエレン財務長官の為替介入牽制発言の影響継続→政府・日銀為替介入警戒感後退→リスクオン日本株上昇
・IMFの日銀追加利上げ牽制発言
・リスクオン日米欧株上昇

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回6月12日公表:据え置き96.7%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ50.5%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当

テクニカル分析

Trade

  • 月足:5月陰線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:5/13週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:5/13陽線。レンジ
  • 4H足:上昇トレンド。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:上昇トレンド。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足戻り高値156.284をダウ上昇→目標4H足ダウ安値156.741
(B)4H足ダウ高値155.935付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値156.199
(C)4H足押し安値155.757付近へ下落→転換上昇→目標4H足三尊右肩155.935

②Short
(D) (C)後、H足押し安値155.757をダウ下落→目標日足安値155.502

5月通算:5勝3敗、勝率62.5%、+179.9pips

(Trading View)

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