2023年1月27日(金)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)1/26の欧米マーケット影響:米国実質GDP速報値に加え、耐久財受注、新規失業保険申請件数が強い数値、リスクオン円売り加速でドル円上昇。しかし、130.5付近で上値重くなり上昇続かず、130.24付近で引け。よって、130.00は一旦のサポートになりそう。

(2)米国経済指標(⑥):PCEデフレータ、個人所得・支出、中古住宅販売成約指数、ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測

(3)米国要人発言(②):2月FOMC前ブラックアウト期間。よって、いつもの様にニック・ティミオラスWSJ記者(Twitter)への注目度アップ。

(4)その他:東京消費者物価指数、米国主要企業決算、TOM効果、月末・週末ロンドンフィックス

1/27は注目度が高い米国経済指標が多数。

モーニングサテライト、ドル円参考情報

ドル円予想レンジ:129.40~131.40
本日は12月東京CPIが発表される。全国CPIの先行指標とされ、インフレ加速有無が注目される。市場予想比で上振れた場合、日銀金融政策修正期待が高まり、円高に振れる予想。
但し、日米金融政策がある程度見通しやすくなっていることから、目先は金利差を意識した動きも見られると考えられる。

注目ポイント:2月に向けて米株価動向に
1/25カナダ中銀において、今回の利上げをもってこれまでの利上げ効果を確認するとして、事実上の利上げ停止を示唆したことは、来週のFOMCにおいても25ベーシス利上げ幅縮小への見方を強めた。

日銀は金融政策維持、共通担保オペ拡充で金利上昇が一服していることから、目先の金融政策への不確実性はやや後退。

米国政策金利5%超への利上げ観測の後退から米株価(S&P500)は昨年の下落トレンドを上抜けようとしており、今月見られたリスクオン相場が継続するか注目される。

上海及び深圳証券取引所に上場している米株の内、時価総額及び流動性の高い300銘柄で構成された株価指数(CSI300)の20年平均を見ると、来週は中国春節明けとなり2月株価は上昇しやすい。
株価上昇の継続する場合、一時的にクロス円上昇圧力が掛かる。
但し、ドル円単体で見た場合、FOMCでの利上げ幅縮小を意識したドル安、中期的に見た日銀金融政策修正期待による円高により、昨年末からのドル円下落トレンド転換には至らない見込み。

また、中国ゼロコロナ政策からの脱却は、コモディティー上昇にも寄与しており、世界のインフレへのインパクトにも今後注目。

日経平均予想レンジ:27,300~27,600円
今週は日本株の相対的な割安感、為替の安定から買い優勢の展開となった。
本日も米国マーケット強く帰ってきているので、堅調な推移を予想。
しかし、来週は重要なイベント、企業決算、経済指標を控えており、引けに掛けてやや様子見ムードが広がりやすい。

注目ポイント:歓迎すべきも悩ましい株価の上昇
年明けから4週間経って世界の株式市場は堅調な推移。
米国、欧州の株式市場を中心に良好なスタートダッシュを見せた。STOXX欧州600は高値を伺う水準にある。
ナスダックもF12月FOMC前の水準を取り戻しつつある。
日経平均も再評価が進んできた。

米国・欧州の株高の背景は、インフレ鈍化と金融引き締め緩和を先取りするもの。インフレ鈍化を示唆する経済指標(米・欧CPI)発表によって利上げ打ち止め期待からリスクオンが強まった。
しかし、そのことが個人消費の好調を維持して、インフレ鎮静化に狂いを生じさせる可能性がある点に要注意。

ダウ前年比とミシガン大学消費者信頼感指数はある程度連動する。株高が消費マインドを刺激してしまうと、消費活発化を通じてインフレ正常化を遠ざけるかもしれない。

目先や程度の問題はあるものの、インフレ鎮静化と利下げが意識される今は、景気や株価は伸び悩むぐらいが望ましい。
そうでなければ、利上げの終着点が見通せない。同時に、マーケットが期待する年内米利下げが実現しない可能性が高まる。
少しのぐらいの市場環境悪化は必要悪と割り切って、年内利下げと株価のもう一段の上昇を予想する。つまり、①が基本シナリオ。

シナリオ①:目先の景気・株価伸び悩み、インフレ鈍化、年内の利下げ期待上昇
シナリオ②:目先の景気・株価堅調、インフレ高止まり、年内の利下げ期待低下

モーニングサテライト

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
東京消費者物価指数1月度(Bloomberg
全国消費者物価指数の先行指標で日本国内のインフレが進んでいる中で注目度が高まっている。
前年比:前回4.0%(改定3.9)、予想4.0%、結果4.4%(◎)
コア前年比:前回4.0%(改定3.9)、予想4.0%、結果4.3%(◎)
コアコアCPI前年比:前回2.7%(改定)、予想2.9%、結果3.0%(◎)

【考察】強い数値→日銀金融政策修正高まり→円買い→ドル円下落。

東京マーケット(9:00~15:00)

TOM(Turn of the Month)効果
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。
月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。株式購入で株高・円売り→ドル円上昇材料、株式売りで株安・円買い→ドル円下落材料になり得る。

11:39 要人発言
岸田首相
「YCC運用見直しは金融緩和の持続性を高めるためのもの」

【考察】日銀政策修正期待の後退でドル円上昇。

13:03 要人発言
日本銀行(Reuters
「1月31日に5年物共通担保資金供給オペレーションを実施」

【考察】1/23同様に「日本国債金利低下→円売り」でドル円上昇

欧州マーケット(17:00~25:30)

21:09 米国主要企業決算
アメリカン・エキスプレス(Bloomberg
売上高:予想143.5億ドル、結果141.8億ドル(×)
EPS:予想2.23ドル、結果2.07ドル(×)

22:30 経済指標
米国個人所得12月度:前回0.4%(改定0.3)、予想0.3%、結果0.2%(×)
米国個人支出12月度:前回0.1%(改定-0.1)、予想-0.1%、結果-0.2%(×)

22:30 経済指標
米国PCEデフレータ12月度(過去の発表日:8/26, 9/30, 10/28, 12/1, 12/23)(Bloomberg
前年比:前回5.5%(改定)、予想5.3%、結果5.0%(×)
前月比:前回0.1%(改定)、予想0.0%、結果0.1%(○)
コア前月比:前回0.2%(改定)、予想0.3%、結果0.3%(○)
コア前年比:前回4.7%(改定)、予想4.4%、結果4.4%(○)

【考察】デフレータは総じて強い数値だったものの、同刻発表の個人所得・支出が弱いためか、ドル円乱高下。

NYマーケット(23:30~30:00)

24:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数12月度(Bloomberg
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目されます。
前月比:前回-4.0%(改定-2.6)、予想-1.0%、結果2.5%(◎)
前年比:前回-38.6%(改定-37.7)、予想-35.2、結果-34.3%(◎)

24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値1月度(Bloomberg
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回64.6、予想64.6、結果64.9(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測1月度(Bloomberg
1年先:前回4.0%、予想4.0%、結果3.9%(×)
5年先:前回3.0%、予想3.0%、結果2.9%(×)

25:00 月末・週末ロンドンフィックス
月末・期末・年末はリバランス(大口投資家のポートフォリオ調整)で為替取引が活発になり旧変動しやすい。

29:30 経済指標
IMM通貨先物(ポジション推移
円ショート縮小

【考察】円買い材料

東京マーケット:東京消費者物価指数の強い数値でドル円下落、日銀の5年物共通担保資金供給オペレーション通告でドル円上昇。

欧米マーケット:米国経済指標強弱入り交じる数値でドル円乱高下し方向性なし。週末のため引けに掛けて取引量減少し小幅推移で129.83で引け。

(Trading View)

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱

NYマーケットクローズ時点の通貨強弱

  1. JPY(リスクオフ通貨):東京消費者物価指数の強い数値で買い。日銀の5年物共通担保資金供給オペレーション通告で売り。
  2. CAD(資源国[産油国]リスクオン通貨):
  3. NZD(資源国リスクオン通貨):
  4. USD(基軸通貨):
  5. CHF(リスクオフ通貨):
  6. AUD(資源国リスクオン通貨):
  7. GBP(リスクオン通貨):
  8. EUR(リスクオン通貨):

米国債イールドカーブ

1/27(金)は1/26(木)に対してベア(短期金利上昇、長期金利上昇、逆イールド縮小)でドル買い材料。
よってドルインデックス日足陽線はイールドカーブの影響大。
つまり、ドル円日足陰線なのは「円買い>ドル買い」のためと推測。

2月FOMCでの利上げ幅0.25%市場コンセンサスは99.2%(CME FedWatch Tool

テクニカル分析

ドル円トレード

  • 月足:12月大陰線で引け。ボリンジャーバンド+1σ下抜け。
  • 週足:1/23週、陽線から陰線推移中。下降トレンド調整波から推進波に変化。
  • 日足:1/26陽線。チャネル上限かつ20MA付近で上値抑えられて推移中。
  • 4H足:チャネル上抜けて上昇ダウ形成。ボリンジャーバンド+1σで上値抑えあり。
  • 1H足:上昇チャネル形成しつつあり
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レジスタンス130.343を1H足ダウで上抜け→目標4H足レジスタンス130.614

②ショート
(B)4H足サポート129.862を1H足ダウで下抜け→目標4H足サポート129.215


【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。

・4H足サポート129.862下抜け→1H足ダウなしのため(B)ショート見送り
1月通算:14勝9敗、勝率60.9%、平均RR 1.97、獲得Pips +342.2

(Trading View)

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