2025年1月17日(金)ドル円戦略と結果

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・米国住宅着工、米国住宅建築許可
・米国鉱工業生産指数、米国設備稼働率
・IMM通貨先物円ポジション

2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FRB

3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
米国鉱工業生産指数、米国設備稼働率の注目度は高いですが、ドル円が大きく動く材料にはなりにくいです。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:30)

11:00 経済指標
中国実質GDP第4四半期
前年比:前回4.6%、予想5.0%、結果5.4%(◎)
前期比:前回0.9%(改定1.3)、予想1.7%、結果1.6%(△)

中国鉱工業生産指数
前年比:前回5.4%、予想5.4%、結果6.2%(◎)

中国小売売上高
前年比:前回3.0%、予想3.5%、結果3.7%(◎)

【考察】中国景気回復期待。日本株上昇に連れてドル円上昇。

15:22 要人発言
日銀、来週会合で利上げの公算 「緩和度合い調整」の方針維持=関係筋(Reuters

【考察】1月日銀会合利上げ観測。ドル円もみ合い。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

18:00 報道
日銀政策委員、過半が利上げ支持 市場見極め最終判断(日本経済新聞

【考察】1月日銀会合利上げ観測。ドル円下落から全戻し。

19:31~要人発言
米国ハマック・クリーブランド連銀総裁(2025年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/2112/6, 12/20, 1/17)
:政策スタンスはタカ派。前回12/20タカ派発言
米クリーブランド連銀総裁、「インフレは依然問題」=WSJ(Reuters

【考察】タカ派発言。ドル円上昇。

22:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目されます。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから重要度が上がっています。

件数:前回128.9万件(改定129.4)、予想132.0万件、結果149.9万件(◎)
前月比:前回-1.8%(改定-3.7)、予想2.0%、結果15.8%(◎)

米国住宅建築許可
件数:前回149.3万件(改定)、予想146.0万件、結果148.3万件(○)
前月比:前回5.2%(改定-)、予想-2.2%、結果-0.7%(○)

【考察】強い数値。ドル円上昇。

22:34 報道
トランプ氏、中国の習主席と電話会談-TikTokや貿易を巡り協議(Bloomberg

【考察】米中関係改善期待。ドル円上昇。

23:01~要人発言
IMF今年の世界成長3.3%に上げ、日本据え置き-米経済の強さ寄与(Bloomberg

【考察】2025年世界経済の成長率予想を上方修正。ドル円上昇。

23:15 経済指標
米国鉱工業生産指数
鉱工業部門の生産動向を数値化したもので景気実態を把握する速報性に優れることから注目度が高い。
前回-0.1%(改定-)、予想0.4%、結果0.9%(◎)

米国設備稼働率
生産能力に対する実際の生産量の比率。設備投資とインフレの先行指標であることから注目度高い。
前回76.8%(改定)、予想77.1%、結果77.6%(◎)

【考察】強い数値。ドル円上昇。

23:30~要人発言
米国トランプ次期大統領
「中国と米国の両方にとって非常に良い会談だった」

【考察】米中関係改善期待。ドル円上昇。

24:00 要人発言
米最高裁、TikTok禁止法を全会一致で支持-安全保障上の懸念に言及(Bloomberg

【考察】米中関係悪化懸念。ドル円下落。

24:43~要人発言
米国トランプ次期大統領
「TikTok に関する決定は自分次第」

【考察】TikTok禁止が覆る可能性も残っており、米国最高裁発言のドル円下落を全戻し上昇。

29:30 経済指標
IMM通貨先物時点(Investing.com
円ショート

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値155.16
東京オープン直後に日通し高値155.49まで上昇するも、前日NYマーケットの流れを引き継いで、日本株下落に連れて日通し安値へ154.98へ急落。
一方で、切番155.00到達したことでショート勢利確や押し目買い勢参入。更に、中国実質GDP第4四半期、中国鉱工業生産指数、中国小売売上高(強)に連れた日本株上昇で日通し高値155.70へ上昇して引けました。
東京クローズ直後に日銀1月会合利上げ公算発言出ましたが、前日と同じでサプライズなく織り込み済のためかドル円もみ合い。

【日本市況】円1カ月ぶり高値後に失速、株式下落-債券は超長期上昇(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン直前に東京マーケットの流れを引き継いで日通し高値155.78を付けると、欧州オープン後の日銀政策委員過半利上げ支持報道を受けたものの織り込み済のため155.41への下押しに留まり、中国経済指標(強)に連れた欧州株上昇に支えられて全戻しから日通し高値155.85へ上昇。

その後、ドル円もみ合いが続いていましたが、米国トランプ次期大統領と中国習国家主席電話会談報道、米国住宅着工・米国住宅建築許可・米国鉱工業生産指数・米国設備稼働率(強)、IMF2025年世界経済成長率予想の上方修正、米国トランプ次期大統領の米中に非常に良い電話会談だった発言を受けて日足高値156.35へ急上昇。
日足終値

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル>
買い材料:
・米国ハマック・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言
・米国トランプ次期大統領と中国習国家主席電話会談報道
・米国トランプ次期大統領:米中に非常に良い電話会談
・米国住宅着工、米国住宅建築許可、米国鉱工業生産指数、米国設備稼働率(強)
・IMF:2025年世界経済成長率予想、上方修正

売り材料:
・米国最高裁、TikTok禁止法全会一致支持

<円売り優勢>
買い材料:
・日銀、1月会合利上げ公算報道→1月日銀会合利上げ観測
・日銀政策委員、過半が利上げ支持報道→1月日銀利上げ観測

売り材料:
・中国実質GDP第4四半期、中国鉱工業生産指数、中国小売売上高(強)→中国景気回復期待→日本株上昇(円キャリー促進)
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回1月29日(水)公表:据え置き(97.9→97.3%)、0.25%引き下げ(2.1→2.7%)
2025年利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当

・日銀:現行政策金利0.25%
市場織り込み
次回1月24日(金)公表:0.25%引き上げ(84→90%)
スワップ市場で利上げ予想が拡大、日銀決定会合に向け一気に織り込み(Bloomberg

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:1月陰線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
  • 週足:1/13週、陰線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近。
  • 日足:1/16陰線。下降トレンド、BB-2σ付近
  • 4H足:下降トレンド。
  • 1H足:下降チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値154.631かつ1H足チャネル下落付近へ下落→転換上昇→目標日足安値155.102
(B)4H足ダウ安値155.548かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足戻り高値155.903

②Short
(C)4H足ダウ安値155.548付近へ上昇→転換下落→目標日足安値155.102
(D)日足安値155.102をダウ下落→目標4H足押し安値154.631

本日:1勝0敗、+33.2pips
1月通算:6勝9敗、勝率40.0%、RR2.03 、-12.9pips

(Trading View)

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