ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本毎月勤労統計
・米国雇用統計
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測
・IMM通貨先物円ポジション
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FRB
3.その他
・政情不安(韓国、フランス)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は米国雇用統計と米国ISM製造業景気指数です。
(2024年、米国雇用統計発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
日本毎月勤労統計(厚生労働省)
現金給与総額(名目賃金):前回2.8%(改定2.5)、予想2.6%、結果2.6%(○)
実質賃金:前回-0.1%、予想-0.1%、結果0.0%(◎)
10月の基本給、一般労働者で過去最高の伸び-日銀利上げ観測後押し(Bloomberg)
【考察】強い数値。ドル円揉み合い。
東京マーケット(9:00~15:30)
10:54 報道
戒厳令再宣布の報道相次ぐ、韓国野党議員が警戒=聯合ニュース(Reuters)
【考察】韓国政情不安リスクオフ。ドル円下落。
13:14 報道
BOJ is holding cards close to its chest on December rate hike(Reuters)
【考察】日銀12月会合政策維持示唆の追加利上げ後退。ドル円上昇。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国雇用統計
(過去の発表日;1/5, 2/2, 3/8, 4/5, 5/3, 6/7, 7/5, 8/2, 9/6,10/4, 11/1, 12/6)
FRBの金融政策に大きな影響を与える重要経済指標。
非農業部門雇用者数(NFP):前回1.2万人(改定3.6)、予想20.0万人、結果22.7万人(◎)
失業率:前回4.1%(改定)、予想4.2%、結果4.2%(○)
平均時給
前月比:前回0.4%(改定)、予想0.3%、結果0.4%(○)
前年比:前回4.0%(改定)、予想3.9%、結果4.0%(○)
米雇用者の伸び回復、ハリケーンとストで急減速後-失業率は上昇(Bloomberg)
【考察】
発表前:日銀12月会合政策維持示唆報道や米国雇用統計(強)期待の織り込みで日足高値150.70へ急上昇から、決済入り揉み合い。直前150.57。
発表後:強い数値。しかしながら、12月FOMC0.25%利下げ観測を否定する材料にはならず、利下げ確実と判断され日足安値149.36へ急落。
23:29~要人発言の影響
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:10/11, 10/23, 11/20, 12/6)
:政策スタンスは中立。前回11/20タカ派発言
ボウマンFRB理事、利下げは「慎重」に-インフレ鈍化の進展停滞(Bloomberg)
【考察】利下げ慎重タカ派発言。ドル円上昇。
24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(速報値発表日; 1/19, 2/16, 3/15, 4/12, 5/10, 6/14, 7/12, 8/16, 9/13, 10/11, 11/8, 12/6)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できます。
前回71.8、予想73.2、結果74.0(◎)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回2.6%、予想2.7%、結果2.9%(◎)
5年先:前回3.2%、予想3.1%、結果3.1%(○)
【考察】強い数値。ドル円上昇。
24:40~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言: 11/21, 11/25, 12/3, 12/6)
:政策スタンスは中立。前回11/25ハト派発言。
シカゴ連銀総裁、米労働市場なお安定-1年後の金利はかなり低い(Bloomberg)
【考察】ハト派発言。ドル円揉み合い。
26:00~要人発言
米国ハマック・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:10/2, 10/24, 11/21, 12/6)
:政策スタンス。前回11/21金利見通しについてコメントなし。
クリーブランド連銀総裁、利下げ減速の地点に「いる、ないし近い」(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇。
27:05~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:10/22, 12/3, 12/5, 12/6)
:政策スタンスは中立。前回10/22ハト派発言
サンフランシスコ連銀総裁、米労働市場は引き続き良い位置にある(Bloomberg)
【考察】金利見通しに関するコメントなし。
29:30 経済指標
IMM通貨先物12/3時点(Investing.com)
円ロングへ転換
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.13
東京オープン時に日通し高値150.12を付けると、12/5中村日銀審議委員のタカ派発言影響や韓国・戒厳令再宣布警戒報道を受けて日通し安値149.77へ急落。
しかし、今週の傾向である150円付近からの安値ドル調達需要(日本実需勢、新NISA等の米国投資目的)は根強く、更に日銀12月会合政策維持示唆報道を受けて上昇・揉み合いで引けました。
【日本市況】株式が下落、日銀利上げや米雇用統計警戒-円と債券上昇(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、日銀12月会合政策維持示唆報道の影響や、本日注目の米国雇用統計を控えて強い数値期待の織り込みが活発になり日足高値150.70へ急上昇。その後、決済入り揉み合い。
米国雇用統計(強)でしたが、12月FOMC0.25%利下げ観測を否定する材料にはならず利下げ確実と判断され日足安値149.36へ急落。
しかしながら、FRB要人の相次ぐタカ派発言、米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値・インフレ予測(強)を受けて、揉み合いながらも上昇して引けました。
日足終値150.04
【米国市況】S&P500上昇、雇用統計が支援-円は一時149円台前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・安値ドル調達需要(日本実需勢、新NISA等の米国投資目的)
・米国ボウマンFRB理事、米国ハマック・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測(強)
売り材料:
・米国雇用統計(強)→12月FOMC0.25%利下げ観測維持
・米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のハト派発言
・IMM通貨先物12/3時点:円ロングへ転換
・原油先物価格下落→インフレ懸念後退
<円買い優勢>
買い材料:
・12/5中村日銀審議委員のタカ派発言影響
・韓国、戒厳令再宣布警戒報道→政情不安リスクオフ
・原油先物価格下落→日本貿易収支改善
売り材料:
・日銀12月会合政策維持示唆報道
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利450-475bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回12月18日(水)公表:据え置き29.0→14.9%、25bps引き下げ71.0→85.1%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:12月陰線形成中。レンジ。20MA付近。
- 週足:12/2週、陰線形成中。レンジ。20MA付近
- 日足:12/5陰線。レンジ。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足レンジ高値150.629をダウ上昇→目標4H足レンジ高値151.070
②Short
(B)日足安値149.656をダウ下落→目標1H足押し安値149.034
本日:0勝1敗、-32.1pips
12月通算:1勝2敗、勝率33.3%、RR2.05 、-18.7pips
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