ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)1/2の欧米マーケット影響
欧州オープン後、米国債利回り上昇に伴うドル買い、JAL機・海保機衝突事故による円売りでドル円上昇し日足高値142.22を付けました。しかし、株先物・株価指数下落リスクオフ、原油先物価格急落、米国PMI確報値の弱い数値で141.51へ急落。その後、株先物・株価指数が上昇に転じドル円揉み合い。日足終値142.01。
総じて、能登半島地震を受けた地政学リスクオフ円買いは殆ど見られず日銀早期マイナス金利解除観測後退、更にFRB利下げ観測後退によりドル円上昇。
(2)経済指標
・米国ISM製造業景気指数
・米国JOLTS求人件数
・米国FOMC議事要旨
(3)要人発言
・FRB要人
(4)その他
・日本祝日休場
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」になり得る。
本日の注目材料は、能登半島大地震を受けて日銀早期マイナス解除観測後退の円売り継続と米国経済指標。
日銀早期マイナス解除観測後退でドル円上昇しやすいですが、米国経済指標が弱い数値となればFRB利下げ観測により、ドル売り・円売り交錯しドル円揉み合いやすい。しかし、米国経済指標が強い数値であればドル買い・円売りで強いドル円上昇期待。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:28~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:11/3, 11/9, 11/14, 11/15, 11/20, 11/29, 12/19, 1/3)
リッチモンド連銀総裁、軟着陸の可能性高まるも必然ではない(Bloomberg)
【考察】追加利上げの可能性示唆のタカ派発言でドル円上昇継続。
24:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数:景気の先行指標として注目度大(
Institute for Supply Management)
(発表日;1/4, 2/1, 3/1, 4/3, 5/1, 6/1, 7/3, 8/1, 9/1, 10/2, 11/1, 12/1, 1/3)
基準50、前回46.7、予想47.2、結果47.4(◎)
・仕入価格:前回49.9、予想47.5、結果45.2(×)
・新規受注:前回48.3、予想49.1、結果47.1(×)
・雇用:前回45.8、予想46.5、結果48.1(◎)
24:00 経済指標
米国JOLTS求人件数(過去の発表日; 2/1, 3/8, 4/4, 5/2, 5/31, 7/6, 8/1, 8/29, 10/3, 11/1, 12/5, 1/3)
(Bureau of Labor Statistics)
前回873.3万件(改定)、予想885.0万件、結果879.0万件(△)
米求人件数、2021年3月以来の低水準-労働市場の冷え込み映す(Bloomberg)
【考察】
発表前:1/1能登半島地震、1/2JAL機・海保機衝突事故を受けた日銀早期マイナス金利解除観測、FRB利下げ観測後退でドル円上昇。
発表後:米国ISM製造業強弱混在と同刻発表米国JOLTS求人件数(弱)。初動142.80(1H足押し安値142.92かつ切番143.00付近)へ下押しするも、米国ISM製造業景気指数(強)による景気悪化懸念後退や引き続き日銀早期マイナス金利解除観測が材料視されドル円上昇継続。
28:00 経済指標
米国FOMC議事要旨
(過去の発表日:1/4, 2/22, 4/12, 5/24, 7/5, 8/16, 10/11, 11/21, 1/3)
FOMC議事要旨、高水準の金利「当面」維持-24年の利下げ視野(Bloomberg)
【考察】総じてタカ派内容で日足高値143.74を付けるも、ハト派内容も材料視され一転143.12へ下落。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値142.01。
東京高値142.18へ上昇するも前日高値142.22ブレイクできず失速。前日の様なドル円上昇みられず揉み合いながら東京安値141.86を付けました。
欧米マーケット:
前日同様、欧州オープン前から1/1能登半島地震、1/2JAL機・海保機衝突事故を受けた日銀早期マイナス金利解除観測後退円売り、米国債利回り上昇に連れて強いドル買い発生しドル円急上昇。
更に米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言、米国ISM製造業景気指数の強い数値が材料視されドル円上昇継続。中東地政学リスクオフ悪化に伴う原油先物価格上昇も寄与し143.73へ急騰。
米国FOMC議事要旨は総じてタカ派内容で日足高値143.74を付けるも、ハト派内容も材料視され一転143.12へ下落。
日足終値143.31。
総じて、日本景気悪化懸念で日銀金融政策修正観測後退、FRB要人タカ派発言、米ISM製造業景気指数の強い数値、原油先物価格上昇によりドル円上昇。
【米国市況】ハイテク売り継続、ナスダック100が4日続落-ドル上昇(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・強いドル買い:FRB利下げ観測の大きな後退。
ドル、2024年は明るい出足-米利下げ予想後退で3月以来最大の上昇(Bloomberg)
米ハト派転換に賭けた債券トレーダーに再考の兆し、ポジション変化(Bloomberg)
・強烈な円売り:能登大地震やJAL機・海保機衝突事故による日本景気悪化懸念で日銀金融政策修正観測の後退が要因か。
大地震受け円安進行、日銀のマイナス金利「早期解除は困難」との声も(Bloomberg)
米国債イールドカーブ
1/3(水)は1/2(火)に対しツイスト(短期金利同等、長期金利低下)、逆イールド拡大。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FRB政策金利:525~550bps
FOMC見通し(CME FedWatch Tool)
次回公表(2024年1月31日):25bps引き下げ8.8%、据え置き91.2%
初回利下げ観測:2024年3月20日公表、25bp引き下げ64.8%
24年合計利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み
2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と1/3織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.83%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.33%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.08%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り3.91%)
24年利下げ見通し:25bps×3回=75bps →政策金利450~475bps相当
(現状の相関関係は、25bpsでドル円約3円変動)
テクニカル分析
トレード
- 月足:1月陽線形成中。押し安値や20MA付近から上昇中。
- 週足:1/1週、陽線形成中。下降トレンド。
- 日足:1/2大陽線。下降トレンド。BBスクイーズ。
- 4H足:上昇トレンド。BBスクイーズ。
- 1H足:上昇チャネル。BBスクイーズ。
- 15M足:レンジ。BBスクイーズ。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス142.150をダウ上昇→目標4H足レジスタンス142.372
(B)1H足サポート141.552又は4H足20MA付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス141.893
②ショート
(C)1H足サポート141.893かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート141.552
1月通算:1勝0敗、勝率100%、獲得Pips +15.7
コメント