ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本消費者物価指数(CPI)
・日銀、国債買入オペ通知
・米国PCE、PCEデフレータ
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測
・IMM通貨先物円ポジション
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FRB
3.その他
・政情不安リスクオフ(韓国、フランス)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目は、米国PCE・PCEデフレータです。
(2024年、米国PCEデフレータ発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
日本消費者物価指数(CPI)(政府統計の総合窓口)
(過去の発表日; 1/19, 2/27, 3/22, 4/19, 5/24, 6/21, 7/19, 8/23, 9/20, 10/18, 11/22, 12/20)
日銀物価目標2.0%。日銀政策金利0.25%
前年比:前回2.3%、予想2.9%、結果2.9%(○)
コア前年比:前回2.3%、予想2.6%、結果2.7%(◎)
コアコア前年比:前回2.3%、予想2.4%、結果2.4%(○)
【考察】強い数値。
9:46~要人発言
足元の円安を「憂慮」、行き過ぎた動きには適切な対応-加藤財務相(Bloomberg)
【考察】円安牽制発言。
東京マーケット(9:00~15:30)
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション)
(発表日:11/6, 11/12, 11/18, 11/22, 11/28, 12/4, 12/9, 12/13, 12/20, 12/25)
1~3年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
3~5年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
5~10年債:前回3750億円、予想3750億円、結果3750億円(○)
10~25年債:前回1500億円、予想1500億円、結果1500億円(○)
【考察】据え置き。
12:31~要人発言
為替の動向を憂慮、行き過ぎた動きには適切に対応=三村財務官(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
21:35~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:12/3, 12/5, 12/6, 12/20)
:政策スタンスは中立。前回12/6金利見通しに関するコメントなし。
サンフランシスコ連銀総裁、「極めて妥当」-25年の利下げ2回示唆(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇。
22:30 済指標
米国PCE
個人所得:前回0.6%(改定0.7)、予想0.5%、結果0.3%(×)
個人支出:前回0.4%(改定0.3)、予想0.6%、結果0.4%(△)
米国PCEデフレータ
(過去の発表日:1/26, 2/29, 3/29, 4/26, 5/31, 6/28, 7/26, 8/30, 9/27, 10/31, 11/27, 12/20)
総合指数より基調的なインフレを反映するコア指数がより注目されます。
強い数値なら、「インフレへの警戒感→FF金利上昇する可能性→ドル買い材料」
【12/18(水)米国FOMC公表2024年見通し:実質GDP2.5%、コアPCE2.8%】
前月比:前回0.2%(改定)、予想0.2%、結果0.1%(×)
前年比(FRB目標2.0%):前回2.3%(改定)、予想2.5%、結果2.4%(△)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.2%、結果0.1%(×)
コア前年比:前回2.8%(改定)、予想2.9%、結果2.8%(△)
米PCEコア価格指数、5月以来の低い上昇率-広範に伸び減速(Bloomberg)
【考察】
発表前:加藤財務相と三村財務官の相次ぐ円安牽制発言、日欧株下落に連れてドル円下落。直前156.69。
発表後:弱い数値。ドル円下落継続。
22:35~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:11/15, 11/21, 12/2, 12/20)
:政策スタンスは中立。前回12/2タカ、ハト派発言。
NY連銀総裁、トランプ政策を経済予測に加味-「不確実性」強調(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。
23:00~要人発言
米国ハマック・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:10/24, 11/21, 12/6, 12/20)
:政策スタンスはタカ派。前回12/6タカ派発言
インフレ見通し懸念し利下げに反対=クリーブランド連銀総裁(Reuters)
【考察】タカ派発言。
24:48 報道
米、中国半導体設計会社をブラックリストに ファーウェイにTSMC半導体供給で=関係筋(Reuters)
【考察】米中貿易戦争悪化。ドル円下落。
24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(速報値発表日; 1/19, 2/16, 3/15, 4/12, 5/10, 6/14, 7/12, 8/16, 9/13, 10/11, 11/8, 12/6)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できます。
前回74.0、予想74.0、結果74.0(○)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回2.9%、予想2.9%、結果2.8%(×)
5年先:前回3.1%、予想3.1%、結果3.0%(×)
【考察】強弱混在。ドル円揉み合い。
25:29~要人発言
トランプ氏支持の新たなつなぎ予算案、下院で否決 政府閉鎖迫る(Reuters)
【考察】安全資産米国債買い。ドル円下落。
29:30 経済指標
IMM通貨先物12/17時点(Investing.com)
円ロング減
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値157.41
取引開始後は前日の影響引き継ぎや五十日仲値に向けたドル買い需要から日足高値157.93へ上昇。
しかし、加藤財務相と三村財務官の相次ぐ円安牽制発言や日本株下落(円キャリー巻き戻し)に連れて日通し安値156.84へ急落し、乱高下で引けました。
【日本市況】金利低下、植田総裁予想以上にハト派-当局は円安けん制(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後も欧州株下落に連れてドル円下落継続。
米国PCE・PCEデフレータ(弱)で更にドル円下落するも、これらを受けたインフレ懸念後退のリスクオン米国株上昇(円キャリー促進)やFRB要人相次ぐタカ派発言でドル円乱高下。
その後、米国政府閉鎖リスクが伝わると日足安値155.94へ下落。しかし、恒例行事なっており、最後は米国政府閉鎖回避の見方強く引けに掛けて上昇しました。
日足終値156.42
【米国市況】株上昇、インフレ抑制で-ドルは対円で一時156円割れ(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(強)
・米国、中国半導体設計会社をブラックリスト報道
・米国政府閉鎖リスク
売り材料:
・米国PCE、PCEデフレータ(弱)
・米国ミシガン大学インフレ予測(弱)
<円買い優勢>
買い材料:
・日本消費者物価指数(強)
・加藤財務相、三村財務官の円安牽制発言→日本株下落(円キャリー巻き戻し)
売り材料:
・日銀、国債買入オペ通知:据え置き
・米国PCE、PCEデフレータ(弱)、米国ミシガン大学インフレ予測(弱)→インフレ懸念後退→米国株上昇(円キャリー促進)
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回1月29日(水)公表:据え置き(91.4→91.4%)、0.25%引き下げ(8.6→8.6%)
2025年内利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
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