2024年1月10日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)1/9の欧米マーケット影響
総じて、強い新規材料生じず、FRB利下げ観測後退、日銀早期政策修正観測後退、株や原油先物価格の乱高下が交錯し上昇チャネルで推移したと推測。

(2)経済指標
・日本毎月勤労統計
・日本10年国債入札
・米国10年債入札

(3)要人発言
・FRB要人

(4)その他
・五十日仲値
・中東地政学リスクオフ
・来週はドル高一服か、米CPI注視-日銀修正観測後退で円高は限定的(Bloomberg
・【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀オペ減額や国債入札を警戒(Bloomberg
・【日本株週間展望】続伸へ、米利下げ観測後退し円安推移が下支え(Bloomberg

本日の注目は米国10年債入札とFRB要人発言ですが、市場の注目は1/11米国消費者物価指数発表に移っています。上値145.00、下値143.50付近は固く一時的に動きが出ても乱高下しやすいと推測します。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
日本毎月勤労統計(厚生労働省
現金給与総額:前回1.5%(改定)、予想1.5%、結果0.2%(×)
実質賃金:前回-2.3%、予想-2.0%、結果-3.0%(×)
23年11月の実質賃金3.0%減 20カ月連続でマイナス(日本経済新聞

【考察】弱い数値。特に実質賃金減少継続から日銀早期マイナス金利解除観測後退でドル円上昇。

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの逆の動きになることもあります。

12:35 経済指標
日本10年国債入札(財務省
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回0.596%、結果0.609%(×)
応札倍率:前回2.82倍、結果2.90倍(◎)
テール:前回9銭、結果12銭(×)。2020年3月以来の大きさ。

【考察】総じて入札不調。利回り上昇しドル円じり下げ。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:00~要人発言
米国イエレン財務長官(事前原稿)
米財務長官、「多くの仕事残っている」-消費者のコスト引き下げで(Bloomberg

【考察】タカ派発言でドル円上昇継続。

27:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

最高落札利回り:前回4.296%、結果4.024%(◎)
応札倍率:前回2.53倍、結果2.56倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率:6か月平均66.7%、結果66.1%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):6か月平均0.8bps、結果0.5bps(◎)
国債発行日前取引(WI): 4.019%

【考察】総じて好調。しかし利回りは初動方向感なかったものの上昇。欧州の債券発行、米国企業社債発行の影響のためか米国債利回り上昇継続しドル円上昇。

29:14~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスは中立。但し、12/15にパウエルFRB議長の利下げ議論を否定しており、現状はタカ派よりスタンス。
(過去の発言:11/1611/2811/30, 12/15, 1/10)
NY連銀総裁、政策金利はインフレ目標達成には十分な高さにある(Bloomberg

【考察】タカ派発言でドル円上昇。

30:25~要人発言
米SEC、ビットコイン現物投資型ETFを初承認-11ファンドに(Bloomberg

【考察】ビットコインの資産裏付け。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値144.50。
東京始値144.44
東京高値144.94
東京安値144.44
東京終値144.78
きょうの国内市況(1月10日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

日本毎月勤労統計の弱い数値(特に実質賃金減少継続)から日銀早期マイナス金利解除観測後退、株上昇リスクオン、五十日仲値に向けてドル買い需要から東京高値144.94へ上昇。しかし、切番145.00は重く東京引けに掛けて揉み合い。

欧米マーケット:
欧州始値144.94
NY始値145.35
NY終値145.80
日足高値145.84
日足終値145.77。
【米国市況】国債利回り上昇、CPI控え-株上昇、ドル145円台後半(Bloomberg

1/8、1/9同様、欧州オープン前から再上昇、日通し高値145.16付けて145円台乗せから揉みあった後、東京マーケットからの円売りが更に強まり、欧米国債・社債発行による利回り急騰、FRB要人タカ派発言のドル買いが重なり、日足高値145.84を付けました。

注目度の高い米国消費者物価指数発表前日でドル円動きにくい展開を想定していましたが、日銀早期マイナス金利解除観測後退、株上昇リスクオン(海外資金流入多)、欧米債券大量発行(利回り上昇)、FRB要人タカ派発言でドル円急上昇。

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・1/10ドル買い、売り交錯:
ドル買い:五十日仲値需要、FRB要人タカ派発言、欧州債券大量発行、米国債社債発行(市場へ国債供給→価格下落→利回り上昇。欧州国債利回り上昇に米国債利回り上昇も連動)
ドル売り:FRB利下げ観測

TモバイルUSが起債、30億ドル規模と関係者-米CPI統計発表前(Bloomberg
欧州の債券発行額、過去最高記録を塗り替える-強い需要を追い風に(Bloomberg
300兆円超える日米英欧の新規国債、相場脅かす-長期債に手を出すな(Bloomberg

・1/10強烈な円売り
円買い:株下落・地政学リスクオフ
円売り:日銀早期マイナス金利解除観測後退(最短で4月会合観測)、株上昇リスクオン(海外資金流入、特に中国)

日本株ETFに殺到-中国人投資家、本土株の損失にうんざり(Bloomberg
日銀正常化へ準備完了、マイナス金利解除は4月有力-桜井元審議委員(Bloomberg

Currency Strength Chart

米国債イールドカーブ

1/10(水)は1/9(火)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル買い材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FRB政策金利:525~550bps
FOMC見通し(CME FedWatch Tool
次回公表24年1月31日:25bps引き下げ4.7%、据え置き95.3%
初回利下げ観測24年3月20日公表:25bp引き下げ64.5%
24年合計利下げ観測:25bps×6回=150bps → 政策金利375~400bps見込み

2023年12月13日FOMC政策金利見通し(Projection Materials)と1/10織り込み
24年:4.6%(米国1年債利回り4.83%)
25年:3.6%(米国2年債利回り4.37%)
26年:2.9%(米国3年債利回り4.12%)
Longer run: 2.5%(米国10年債利回り4.04%)
24年利下げ見通し:25bps×3回=75bps →政策金利450~475bps相当
実質金利=政策金利-総合消費者物価指数12月度前年比=5.5%-3.1%=2.4%

(現状の相関関係は、25bpsでドル円約3円変動)

テクニカル分析

トレード

  • 月足:1月陽線形成中。押し安値や20MA付近から上昇中。
  • 週足:1/8週、陰線形成中。
  • 日足:1/9下ヒゲピンバー陽線。ダウ転換上昇の可能性が高まったと推測。BBスクイーズ。
  • 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 1H足:上昇トレンド。BBエクスパンション。
  • 15M足:上昇トレンド。BBエクスパンション。

【シナリオ】

①ロング
(A)4H足サポート144.243かつ1H足20MA付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス144.550
(B)4H足サポート143.775かつ日足20MA付近へ付近→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス144.243

②ショート
(C)4H足サポート144.243かつ1H足20MAをダウ下落→目標4H足サポート143.775又は日足20MA

1月通算:3勝2敗、勝率60.0%、獲得Pips +42.1

(Trading View)

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