ファンダメンタルズ分析
注目材料
1.経済指標
・米国ADP雇用者数
・米国雇用コスト指数第1四半期
・米国実質GDP速報値第1四半期
・米国シカゴ購買部協会景気指数
・米国中古住宅販売成約指数
・米国PCE、PCEデフレータ
・米国アトランタ連銀GDP Now
2.要人発言
・日銀ブラックアウト期間(4/28~4/30)
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(X投稿):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:4/26~5/8)につき
・米国トランプ大統領(就任100日演説)
3.その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。
・五十日仲値
・日銀会合関連リーク報道
・米国主要企業決算(キャタピラー、マイクロソフト、メタプラットフォームズ)
・月末ロンドンフィックス
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ5倍デー
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:08~要人発言
トランプ大統領、パウエル議長批判と関税措置自賛-就任100日で演説(Bloomberg)
東京マーケット(9:00~15:30)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
19:33 米国主要企業決算
キャタピラー
売上高:前回162.2億ドル、予想145.8億ドル、結果142.5億ドル(×)
EPS:前回5.14ドル、予想4.35ドル、結果4.25ドル(×)
21:15 経済指標
米国ADP雇用者数
後日発表の米国雇用統計との差異も注目されます。
(発表日:1/8, 2/5, 3/5, 4/2)
前月比:前回15.5万人(改定)、予想11.5万人、結果6.2万人(×)
21:30 経済指標
米国雇用コスト指数第4四半期
指数の上昇は消費者物価指数や個人所得の増加につながる可能性が高い。最近はFRBも注目している指標と明言
前期比:前回0.9%(改定)、予想0.9%、結果0.9%(○)
21:30 経済指標
米国実質GDP速報値第1四半期
速報値は改定値や確報値に比べて注目度高いですが、改定値や確報値でもドル円が大きく動くことあり。
(過去の発表日:1/30, 2/27, 3/27, 4/30)
実質GDP(=名目GDP-物価変動):前回2.4%、予想-0.2%、結果-0.3%(×)
個人消費:前回4.0%、予想1.2%、結果1.8%(○)
GDPデフレータ(=名目GDP/実質GDP):前回2.3%、予想3.1%、結果3.7%(◎)
PCEコアデフレータ(FRB目標2.0%):前回2.6%、予想3.2%、結果3.5%(◎)
【考察】総じて強い数値。しかし、実質GDP(弱)とPCEコアデフレータ(強)でスタグフレーション懸念のためかドル円急落。
21:35 要人発言
米四半期定例入札、中長期債発行のガイダンス維持-買い戻し強化も(Bloomberg)
22:14~要人発言
米国トランプ大統領
「今は耐える時」
トランプ氏、マイナス成長は「バイデンのせいだ」-関税効果を主張(Bloomberg)
22:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回47.5(改定)、予想46.0、結果44.6(×)
23:00 経済指標
米国中古住宅販売成約指数
売買契約が結ばれているものの、最終引渡しが行われていない物件の指数。引き渡しが済んだ中古住宅販売件数の先行指標として注目される。
前月比:前回2.0%(改定2.1)、予想1.0%、結果6.1%(◎)
前年比:前回-7.2%(改定-7.0)、予想-5.7%、結果-0.1%(◎)
23:00 済指標
米国PCE
個人所得:前回0.8%(改定0.7)、予想0.4%、結果0.5%(○)
個人支出:前回0.4%(改定0.5)、予想0.4%、結果0.7%(◎)
米国PCEデフレータ
総合指数より基調的なインフレを反映するコア指数がより注目されます。
強い数値なら、「インフレ警戒感→FF金利上昇する可能性→ドル買い材料」
(過去の発表日:1/31, 2/28, 3/28, 4/30)
前月比:前回0.3%(改定0.4)、予想0.0%、結果0.0%(○)
前年比(FRB目標2.0%):前回2.5%(改定2.7)、予想2.2%、結果2.3%(○)
コア前月比:前回0.4%(改定0.5)、予想0.1%、結果0.0%(×)
コア前年比:前回2.8%(改定3.0)、予想2.6%、結果2.6%(○)
米PCE価格指数、ほぼ1年ぶりの横ばい-関税前駆け込みで消費強い(Bloomberg)
【考察】総じて強い数値。
23:57 要人発言
中国、欧州議員への制裁解除
【考察】欧中貿易戦争緩和期待リスクオン
24:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。
25:07 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com)
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
(発表日:4/1, 4/3, 4/16, 4/17, 4/25, 4/29, 4/30)
Q2:前回%、予想%、結果2.4%()
27:07 報道
米国、中国に様々なルート通じて関税協議を打診
【考察】米中貿易戦争緩和期待リスクオン
29:00 報道
日銀が成長率見通し下方修正へ、1%割れ視野 5月1日政策決定会合(日本経済新聞)
29:02 米国主要企業決算
マイクロソフト
売上高:前回696.6億ドル、予想684.8億ドル、結果700.7億ドル(◎)
EPS:前回3.23ドル、予想3.21ドル、結果3.46ドル(◎)
29:12 米国主要企業決算
メタプラットフォームズ
売上高:前回483.9億ドル、予想413.8億ドル、結果423.1億ドル(○)
EPS:前回8.02ドル、予想5.25ドル、結果6.43ドル(○)
<まとめ>
東京マーケット
日足始値142.28
東京オープン直前に日通し安値142.17を付けると、月末五十日仲値に向けた金融機関のドル吊り上げ(推測)、大口投資家の月末ポジション調整(推測)、「4/29米国トランプ大統領、自動車関税軽減署名」の影響引き継いだリスクオンに連れて日通し高値142.72へ急上昇して引けました。
【日本市況】株式が続伸、米自動車関税の負担軽減を好感-円は下落(Bloomberg)
欧米マーケット
欧州オープン後も月末ポジション調整(推測)やリスクオンの流れが続き日通し高値143.16へ上昇。
しかし、米国ADP雇用者数(弱)に続く、米国実質GDP速報値第1四半期の実質GDP(弱)とPCEコアデフレータ(強)でスタグフレーション懸念のためか下落。
直後の米国PCE、米国PCEデフレータ(強)・米国中古住宅販売成約指数(強)で再上昇するも、月末ポジション調整(推測)交錯の為か乱高下。
その後、「米国、中国に様々なルート通じて関税協議を打診」報道を受けたリスクオン、5/1日銀会合政策据え置き報道、NYクローズ後のマイクロソフト(強)、メタプラットフォームズ(強)で日足高値143.19を付けて引けました。
日足終値143.06
【米国市況】S&P500上昇、一時2%安も終盤反転-ドル143円近辺(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・月末五十日仲値に向けた金融機関のドル吊り上げ(推測)
・米国PCE、米国PCEデフレータ(強)
・米国中古住宅販売成約指数(強)
売り材料:
・米国ADP雇用者数(弱)
・米国実質GDP速報値第1四半期の実質GDP(弱)とPCEコアデフレータ(強)→スタグフレーション懸念
・米国景気減速懸念、サウジ増産示唆→原油先物価格下落→インフレ懸念後退
原油先物急落、サウジが増産示唆 米WTI21年3月以来の安値(Reuters)
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に-世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる(Bloomberg)
<円売り優勢>
買い材料:
・原油先物価格下落→日本貿易収支改善
・2025年3月調査想定為替レート上期147.17(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化、リスクオフ(円キャリー巻き戻し)
売り材料:
・4/29米国トランプ大統領、自動車関税軽減署名→貿易戦争緩和期待リスクオン
・中国、欧州議員への制裁解除→欧中貿易戦争緩和期待リスクオン
・「米国、中国に様々なルート通じて関税協議を打診」報道→米中貿易戦争緩和期待リスクオン
・5/1日銀会合政策据え置き報道
・大口投資家の月末ポジション調整(推測)
・構造的円売り(日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回5月7日(水)公表:据え置き(90.8→95.5%)、0.25%引き下げ(9.2→4.5%)
2025年利下げ観測:0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
・日銀:現行政策金利0.50%
市場織り込み(東京短資株式会社)
次回5月1日(木)公表:0.25%引き上げ(2→1%)
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:4月陰線形成中。レンジ。押し安値付近。
- 週足:4/28週、陰線形成中。下降トレンド。押し安値付近。
- 日足:4/29陽線。レンジ
- 4H足:レンジ。
- 1H足:下降トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足押し安値140.868付近へ下落→転換上昇→目標4H足押し安値141.714
(B)日足高値142.758をダウ上昇→目標4H足レンジ安値143.318
②Short
(C)4H足レンジ安値143.318付近へ上昇→転換下落→目標日足高値142.758
(D)日足安値141.965をダウ下落→目標日足押し安値140.868

本日:0勝1敗、-26.7pips
4月通算:14勝13敗、勝率51.9%、RR1.85 、+310.6pips

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