ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)11/15の欧米マーケット影響
米国生産者物価指数は全て弱い数値であったが、同刻発表数値は総じて強弱混在。初動日足安値150.05を付けた後、急上昇。前日米国消費者物価指数で米国10年債利回り4.5%を割り込みドル円急落したことで、Buy the factが入りやすい環境だった影響か。
株先物・株価指数上昇リスクオン円売りとFRB要人タカ派発言もありドル円上昇継続し、日足高値151.42を付けた。日足終値151.39。
(2)経済指標
・日本通関ベース貿易収支
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国輸入物価指数、輸出物価指数
・米国フィラデルフィア連銀景況指数
・米国鉱工業生産指数、設備稼働率
(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・FRB要人
・米中首脳会議
(4)その他
・米国政府機関閉鎖懸念
11/14米国消費者物価指数サプライズの弱さを引き継いでドル円急落、11/15米国小売売上高、生産者物価指数、NY連銀製造業景気指数は強弱入り交じったもののドル円急騰。
米国10年債利回り4.50%を下回るとインフレ退治の長期化が懸念されることから、インフレ抑制と景気後退のバランスを取る為に、米国10年債利回り4.50~5.00%付近を維持したいFRB思惑が見られる。この利回り範囲を割り込むと、FRB要人の強いタカ派発言やハト派発言などで調整している様子。
11/14に米国10年債利回り4.44%へ下落したことで、11/15は4.5%以上への戻りを狙ったドル円押し目買いが入った見方もある。本日も注目度の高い米国経済指標も続くが、その時の米国債10年利回り水準により、ドル買いが入りやすいか否かに要注目。
また、11/15に続いて本日もドル円急騰が生じるようなら、政府日銀為替介入への警戒感も高まる。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前:前回624億円(改定721)、予想-4370億円、結果-6625億円(×)
季調済:前回-4341億円(改定-)、予想-7636億円、結果-4620億円(○)
2カ月ぶり貿易赤字に 10月、赤字幅は7割縮小(日本経済新聞)
東京マーケット(9:00~15:00)
11:51~要人発言
米国バイデン大統領
バイデン氏、習氏を再び「独裁者」と呼ぶ-会談後の協力に限界も(Bloomberg)
【考察】米中関係改善期待が後退→ドル売り材料だが反応薄
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回21.7万件(改定21.8)、予想21.9万件、結果23.1万件(×)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回183.4万件(改定183.3)、予想185.2万件、結果186.5万件(×)
22:30 経済指標
米国輸入物価指数
前月比:前回0.1%(改定)、予想-0.3%、結果0.6%(◎)
前年比:前回-1.7%(改定-)、予想-1.9%、結果-2.0%(×)
米国輸出物価指数
前月比:前回0.7%(改定)、予想0.7%、結果-1.1%(×)
前年比:前回-4.1%(改定-)、予想-%、結果-4.9%(×)
22:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数
米国ISM製造業購買担当者景気指数と相関性あるため注目される。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
基準0、前回-9.0(改定)、予想-9.0、結果-5.9(◎)
【考察】注目の雇用と物価指標の弱い数値でドル円急落。
22:40~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/1, 9/5, 10/3, 10/6, 10/20, 11/16)
クリーブランド連銀総裁、インフレ率低下「まだ時間必要」-進展は評価(Bloomberg)
【考察】追加利上げデータ次第→直前の指標データ弱いことから利上げ懸念後退→ドル円下落継続
23:15 経済指標
米国鉱工業生産指数
鉱工業部門の生産動向を数値化したもので景気実態を把握する速報性に優れることから注目度が高い。
前回0.3%(改定0.1)、予想-0.3%、結果-0.6%(×)
米国設備稼働率
生産能力に対する実際の生産量の比率。設備投資とインフレの先行指標であることから注目度高い。
前回79.7%(改定79.5)、予想79.5%、結果78.9%(×)
【考察】弱い数値→ドル円下落継続
23:25~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:9/7, 9/29, 10/18, 11/16)
【考察】金融政策の見通しについてコメントなし
24:35~要人発言
米国バーFRB副議長
(過去の発言:10/2, 10/9, 11/16)
【考察】金融政策の見通しについてコメントなし
26:00~要人発言
米国クックFRB理事
(過去の発言:11/6, 11/8, 11/16)
クックFRB理事、景気が「不必要に大きく落ち込むリスク」に留意(Bloomberg)
【考察】景気後退懸念発言→ドル円下落
27:26~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:9/1, 9/5, 10/3, 10/6, 10/20, 11/16)
クリーブランド連銀総裁、追加利上げの必要性「まだ判断していない」(Bloomberg)
【考察】米国債10年利回り4.44%付近でのタカ派発言→ドル円下げ止まり。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.39。
前日ドル円急騰の高値警戒感で一部利確が入ったためか東京安値151.12を付けた後は揉み合い。
きょうの国内市況(11月16日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直後に日足高値151.43を付けてからは、注目度の高い米国経済指標を控えて揉み合い。
米国経済指標は総じて弱い数値であり、FRB要人が追加利上げはデータ次第との発言で実際にデータが弱いこと、株先物・株価指数下落リスクオフ円買い、更に原油先物価格急落によるインフレ懸念後退でドル円急落。日足安値150.29(米国10年債利回り4.43%)を付けた。
その後、11/15同様に米国10年債利回り4.5%以上への戻りを狙ったドル円押し目買いが入り、NY引けに掛けてドル円上昇。日足終値150.74。
【米国市況】「FRBフレンドリー」な統計で利回り低下、円を押し上げ(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
米国債イールドカーブ
11/16(木)は11/15(水)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド拡大。ドル売り材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)
FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool)
12月公表:25bps引き下げ0.0%、据え置き99.8%、25bps引き上げ0.2%
テクニカル分析
トレード
- 月足:11月陰線形成中。上昇トレンド。ボリンジャーバンド(BB)スクーズ。
- 週足:11/13週、陰線形成中。上ヒゲピンバー週足陰線をほぼ全戻ししたことで、11/13週は上昇優位と推測。
- 日足:11/15大陽線。BBスクイーズ。20MAからBB+1σへ一気に上昇したことで、11/16は一旦下押しから揉み合いやすい。
- 4H足:レンジ。BBスクイーズ。
- 1H足:上昇トレンド。BBエクスパンション。
- 15M足:上昇トレンド。BBエクスパンションからスクイーズ移行中。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート151.198付近まで下落→ダウ転換上昇→目標1H足レジスタンス151.411
(B) (A)後、1H足レジスタンス151.411をダウ上昇→目標4H足レジスタンス151.631
②ショート
(C)4H足レジスタンス151.631付近まで上昇→4H足レジスタンス151.631かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足サポート151.411
11月通算:9勝3敗、勝率75.0%、獲得Pips +104.1
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