ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月19・20日分)
・日銀、国債買入オペ通知
・米国30年債入札
2.要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:10/26~11/8)につき
3.その他
・米国大統領選挙、議会選挙の投開票
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ4倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国大統領選挙、議会選挙の投開票(11/5~)
前日はトランプ氏とハリス氏の支持が拮抗しており政情不安への警戒感からポジション調整と推測される強いドル売り由来のドル円急落が生じました。トランプ氏とハリス氏はほぼ互角の接戦であることから、報道による一喜一憂でドル円が乱高下しやすいと推測されます。
(2)米国経済指標
注目度が高い材料なし。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月19・20日分)(日本銀行)
日銀9月会合議事要旨 「米大統領選後インフレ再燃も」(日本経済新聞)
【考察】インフレ再燃懸念、追加利上げ示唆のタカ派内容。ドル円下落、
東京マーケット(9:00~15:30)
9:00~報道
米国大統領選挙出口調査
激戦ジョージア州、トランプ氏リード
【考察】ジョージア州速報のトランプ氏リードを皮切りに、他の州でもトランプ氏リード報道が続いてトランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)急伸し、ドル円急上昇。
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション)
(2024年9~10月、日銀国債買いオペ通知日のドル円動きまとめ)
(発表日:10/2, 10/7, 10/11, 10/18, 10/28, 11/6, 11/12, 11/18, 11/22, 11/28)
1年以下:前回1500億円、予想1500億円、結果1500億円(○)
1~3年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
3~5年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
25年超債:前回750億円、予想750億円、結果750億円(○)
【考察】据え置き。トランプトレードの影響強く、ドル円急上昇継続。
15:22~報道
米国大統領選挙、トランプ氏勝利予想
【考察】日通し高値154.38へ上昇
16:19~要人発言
林官房長官
【考察】円安牽制発言。ドル円下落するも直ぐに全戻し
16:33~要人発言
米国トランプ大統領候補
トランプ氏が大統領選「勝利宣言」、共和党は上院で多数派(Bloomberg)
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
27:00 経済指標
米国30年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
発行額(Offering Amount):220億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.389%、結果4.608%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.50倍、結果2.64倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回80.5%、結果62.7%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-1.5bps、結果-2.2bps(◎)。4.608-4.630=-0.022
WI:4.630%
【考察】総じて入札好調。ドル円下落。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.60
取引開始後、日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月19・20日分)のタカ派内容を受けて日足安値151.28を付けました。
しかし、以降は、最大の注目である米国大統領選挙投開票速報で激戦ジョージア州のトランプ氏リードを皮切りに、他の州でもトランプ氏リード報道や、各州のトランプ氏勝利報道が続くとトランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)急伸から、ドル円急上昇。
更に東京クローズ直後のトランプ氏勝利予想報道が出ると日通し高値154.38を付けました。
【日本市況】円と債券が大幅安、トランプトレード優勢-株は大幅続伸(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープンすると、本日約3.1円急騰し155円台に迫ったことで政府・日銀為替介入への警戒感が高まりドル円揉み合い。加えて、米国大統領選挙はトランプ氏勝利が確定したことで市場の注目は共和党のトリプルレッド(大統領、上院・下院多数)が決まるか否かに移りました。上院は共和党多数派で決まり、下院の動向が注目されています。
NYオープン後もドル円上昇は続き日足高値154.70を付けて引けました。
日足終値154.63
【米国市況】S&P500種、選挙翌日では過去最大の上昇-154円台後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)
売り材料:
・米国30年債入札(強)
<円売り優勢>
買い材料:
・日銀、政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月19・20日分):タカ派内容
・林官房長官:円安牽制発言
売り材料:
・日銀、国債買入オペ通知:据え置き
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:据え置き3.6→0.0%、25bps引き下げ96.4→99.5%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:11月陰線形成中。レンジ。三尊右肩付近。
- 週足:11/4週、陰線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近
- 日足:11/4陰線。レンジ内、下降トレンド。レンジ下限ヒゲ先かつ20MA付近。
- 4H足:下降チャネル。
- 1H足:下降トレンド。
- 15M足:下降トレンド。
【シナリオ】
①Long
(A)日足安値151.338付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ安値151.781
(B)4H足レンジ安値151.781かつ4H足20MAをダウ上昇→目標日足戻り高値152.342
②Short
(C)4H足レンジ安値151.781付近へ上昇→転換下落→目標日足安値151.338
(D) (C)後、日足安値151.338をダウ下落→目標切番151.000
本日:条件合わずトレードなし
11月通算:1勝2敗、勝率33.3%、RR2.02 、+3.1pips
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