2024年10月7日(月)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)

2.要人発言
・政府日銀円安牽制、追加利上げ牽制の火消し発言(特に150円台目前付近)
・FRB

3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②米国経済成長、③インフレ、④円キャリー取引(促進or巻き戻し)、⑤米国大統領選挙、⑥地政学リスクに分類できます。
・来週の円相場は上昇か、石破首相発言後の円安修正が続く可能性(Bloomberg
・【債券週間展望】長期金利低下か、早期利上げ観測後退や入札順調予想(Bloomberg
・【日本株週間展望】反発、内需銘柄に買い-国内小売企業の決算に期待(Bloomberg

5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
本日は注目材料ないことから、10/4(金)米国雇用統計サプライズ(強)の影響でドル円上昇継続想定。但し、150円台に近付けば、政府・日銀円安牽制発言や先日までの日銀追加利上げ牽制の火消し発言も考えられます。その際、ドル円下落しやすいですが、一時的に留まり押し目買いの機会になると考えます。

(2)中東地政学リスクオフ
10/1、イランがイスラエルへ大規模なミサイル攻撃を実施し、米国軍も今まで以上に戦闘に直接関与することから、中東戦争拡大への懸念が高まりました。

10/2、イラン攻撃休止かつイスラエル大規模報復攻撃がなかったことでリスクオフ後退しましたが、イスラエルは数日以内の報復攻撃を予告しており、リスクオフ悪化はほぼ確実。

10/3、米国バイデン大統領「イスラエルによるイラン石油施設攻撃を協議中」発言

10/4~5、イスラエル空爆拡大、かつイラン報復準備中。
イスラエル、レバノン空爆拡大-イラン報復に複数の選択肢(Bloomberg

現状は地政学リスクオフ悪化の一途を辿っておりドル円急落から乱高下の可能性が高いですが、イスラエル報復開始が停滞するようなら地政学リスクオフ後退から巻き戻しのドル円上昇を想定します。
今まで以上に報道や要人発言ヘッドラインに要警戒が必要と考えます。

(a)安全資産米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り
(b)他国から安全資産米国債買い需要→リスクオフドル買い
(c)安全資産米国債買い→米国債利回り低下→株上昇(円キャリー促進)→円売り
(d)世界的景気悪化懸念→株下落(円キャリー巻き戻し)→円買い
(e)原油先物価格上昇→インフレ懸念→ドル買い
(f)原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化→円売り

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:58~要人発言
三村財務官
投機的な動きも含め、為替市場の動向は緊張感持って注視=三村財務官(Reuters

【考察】投機牽制発言。ドル円下落

東京マーケット(9:00~15:00)

10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション
2024年9~10月、日銀国債買いオペ通知日のドル円動きまとめ
(発表日:9/49/69/119/189/25, 10/2, 10/7, 10/11, 10/18, 10/28)
1~3年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
3~5年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
5~10年債:前回4000億円、予想3750億円、結果3750億円(○)
10~25年債:前回1500億円、予想1500億円、結果1500億円(○)

【考察】
発表前:三村財務官の投機牽制発言でドル円下落。
発表後:予想通りの減額。ドル円小幅上昇から下落継続。

12:21~要人発言
為替の急激な変動、企業活動や国民生活にマイナス-加藤財務相(Bloomberg

【考察】急変動牽制発言

14:00~要人発言
日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)
来年度の賃上げ、続けていく必要との認識に広がり-日銀支店長会議(Bloomberg

【考察】景気判断上昇修正

15:14~要人発言
石破首相、金融所得課税強化の検討は考えていない-国会で説明(Bloomberg

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

27:00~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:6/36/166/208/19, 9/23, 10/7)
:政策スタンスはタカ派。前回9/23ハト<タカ派発言
「インフレ低下継続見込み」

【考察】ハト派発言。ドル円反応薄。

<まとめ>
東京マーケット:
・ドル円:下落
・株式:日経平均,TOPIX上昇、ダウ先物下落
・国債:日本10年債利回り上昇、米国10年債利回り揉み合い
・通貨強弱:円>ドル(円売りから買い、ドル売り)
・原油先物価格:揉み合い上昇

取引開始直後に日足高値149.14を付けると、10/4米国雇用統計(強)よるリスクオン円売りよりも日銀追加利上げ観測円買いが優勢となり、加えて三村財務官の投機牽制発言と加藤財務相の急変動牽制発言で日通し安値148.22へ下落し、揉み合いで引けました。
日足始値148.73

【日本市況】債券が下落、米軟着陸期待で日銀利上げ意識-株式続伸(Bloomberg

欧米マーケット:
・ドル円:欧州下落、NY揉み合い
・株:欧州株まちまち、米国主要3指数(ダウ、S&P、ナスダック)下落、日経平均先物下落
・国債:欧州10年債利回り上昇、米国10年債利回り上昇
・通貨強弱:円>ドル(円買い、ドル買い)
・原油先物価格:上昇

欧州オープン後、地政学(中東、ウクライナ・ロシア)リスクオフに伴う欧州株下落(円キャリー巻き戻し)に連れて日通し安値148.06へ下落、NYオープン直後に米国株下落に連れて日足安値147.84へ下落すると、引けに掛けて揉み合いとなりました。
米国10年債利回り4.00%超えがリスクオフ株下落に繋がった様子。
日足終値148.18

【米国市況】ハイテク中心に株下落-国債利回り上昇、ドル148円近辺(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル買い優勢>
買い材料:
・10/4米国雇用統計(強)→米国債利回り上昇
・地政学リスクオフ(中東、ロシア,ウクライナ)→原油先物価格上昇

売り材料:
・米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のハト派発言

<円買い優勢>
買い材料:
・10/4米国雇用統計(強)→日銀追加利上げ観測、リスクオン日本国債売り→日本国債利回り上昇
・10/4米国雇用統計(強)→米国10年債利回り4.00%超え→欧米株下落(円キャリー巻き戻し)
・三村財務官の投機牽制発言
・加藤財務相の急変動牽制発言
・日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)→景気判断上方修正
・中東地政学リスクオフに伴う欧州株下落(円キャリー巻き戻し)

売り材料:
・10/4米国雇用統計(強)→リスクオン日本株上昇(円キャリー促進)
・日銀、国債買入オペ通知
・地政学リスクオフ(中東、ロシア,ウクライナ)→原油先物価格上昇→日本貿易修正悪化
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利475-500bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回11月7日(木)公表:据え置き2.6→15.5%、25bps引き下げ97.4→84.5%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:10月陽線形成中。レンジ。20MA付近。
  • 週足:9/30週、大陽線確定。レンジ。戻り高値ヒゲ先付近
  • 日足:10/4大陽線。上昇トレンド。BBエクスパンション
  • 4H足:上昇トレンド。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足押し安値148.404付近へ下落→転換上昇→目標日足戻り高値149.293
(B)4H足戻り高値148.000付近へ下落→転換上昇→目標日足高値149.006

②Short
(C)日足戻り高値149.293付近へ上昇→日足高値149.006をダウ下落→目標1H足押し安値148.404
(D) (C)後、1H足押し安値148.404かつ1H足20MAをダウ下落→目標4H足戻り高値かつ切番148.000

本日:0勝1敗、-42.3pips
10月通算:4勝4敗、勝率50.0%、RR2.05 、+78.5pips

(Trading View)

コメント

タイトルとURLをコピーしました