2024年11月5日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・米国貿易収支
・米国PMI確報値(サービス業、総合)
・米国ISM非製造業景気指数
・米国10年債入札
・米国アトランタ連銀GDP Now

2.要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:10/26~11/8)につき

3.その他
・米国大統領選挙、議会選挙の投開票開始
・東京証券取引所、取引時間を30分延長し15時半まで
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・五十日仲値
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。

5.本日の注目材料
(1)米国大統領選挙、議会選挙の投開票開始
11/4(月)は投開票開始前を控えてハリス氏がトランプ氏リードとの報道でトランプトレードの一部巻き戻しからドル円急落が生じました。支持率ほぼ互角の接戦であることから、報道による一喜一憂でドル円が乱高下しやすいと推測されます。

(2)米国経済指標
注目は米国ISM非製造景気指数です。
2024年、米国ISM非製造業景気指数発表日のドル円動きまとめ

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

7:33 要人発言
防衛省
北朝鮮ミサイル発射

【考察】地政学リスクオフ

東京マーケット(9:00~15:30)、本日から東京証券取引所の取引時間15時半まで。

9:39~要人発言
国民・玉木氏、「年収の壁」引き上げで立民とも協議へ-党首会談で確認(Bloomberg

【考察】高圧経済の余地あり発言→金融緩和維持、財政拡張。ドル円上昇。

9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
米国貿易収支
前回-704億ドル(改定-708)、予想-845億ドル、結果-844億ドル(○)

23:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:1/242/223/214/235/236/217/248/229/23, 10/24
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
サービス業:前回55.3、予想55.3、結果55.0(×)
総合:前回54.3、予想54.3、結果54.1(×)

【考察】弱い数値。ドル円揉み合い。

24:00 経済指標
米国ISM非製造業景気指数(ISM Report On Business
(過去の発表日; 1/52/53/54/35/36/57/38/59/5, 10/3, 11/5)
景気の先行指標として注目度大。
基準50、前回54.9(改定)、予想53.6、結果56.0(◎)→注目大

・仕入価格:前回59.4、予想58.0、結果56.0(×)
・新規受注:前回59.4、予想58.0、結果57.4(×)
・雇用:前回48.1、予想48.0、結果53.0(◎)→注目大
米ISM非製造業指数、約2年ぶりの高水準-雇用拡大が追い風(Bloomberg

【考察】
発表前:今週最大の注目材料である米国大統領選挙投開票は、トランプ氏とハリス氏の支持が拮抗しており政情不安への警戒感からポジション調整と推測される強いドル売り発生しドル円下落。直前151.84(日足レンジ下限ヒゲ先付近)。
発表後:強弱混在。初動は米国ISM非製造業景気指数・雇用(強)で152.24へ上昇するも、米国ISM非製造業仕入価格・新規受注(弱)や国大統領選挙投開票への警戒感の影響続き全戻し下落。

27:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
発行額(Offering Amount):420億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.066%、結果4.347%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.48倍、結果2.58倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回77.6%、結果61.7%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+0.4bps、結果-0.3bps(◎)。4.347-4.350=-0.003
WI:4.350%

【考察】総じて入札好調。ドル円下落。

27:00 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q4:前回2.3%、予想2.3%、結果2.4%(◎)

【考察】

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値152.14
取引開始直後に日通し安値152.11を付けると、五十日仲値に向けたドル買い需要と玉木国民民主党代表の高圧経済の余地あり発言を受けた日本株上昇(円キャリー促進)に連れて日通し高値152.45へ上昇。仲値通過後は決済入り152.17へ下押しするも、日本株上昇は続き日通し高値152.55へ上昇し引けました。

【日本市況】株式は反発、債券は中長期債が堅調-米大統領選を見極め(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州マーケットオープン前からは、前日同様に今週最大の注目材料である米国大統領選挙投開票が材料視され、トランプ氏とハリス氏の支持が拮抗していることから政情不安への警戒感が高まりポジション調整と推測される強いドル売り由来のドル円急落発生。

注目の米国ISM非製造業は強弱混在。初動は米国ISM非製造業景気指数・雇用(強)で直前151.84(日足レンジ下限ヒゲ先付近)から152.24へ上昇するも、仕入価格・新規受注(弱)や米国大統領選挙投開票への警戒感の影響続き全戻し下落。
更に米国10年債入札(強)を受けて日足安値151.34を付けて引けました。
日足終値151.62

【米国市況】株はハイテク主導で反発、円上昇して一時151円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・五十日仲値のドル需要
・米国ISM非製造業景気指数、雇用(強)
・米国アトランタ連銀GDP Now(強)
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い):Real Clear Politicsの大統領勝利確率は、トランプ氏60.8→59.7%、ハリス氏38.0→38.9%。

売り材料:
・米国大統領選挙、議会選挙の投開票結果への警戒感からポジション調整(推測)
・米国PMI確報値(サービス業、総合)(弱)
・米国ISM非製造業仕入価格、新規受注(弱)
・米国10年債入札(強)

<円売り優勢>
買い材料:
・玉木国民民主党代表の高圧経済余地あり発言→日本株上昇(円キャリー促進)

売り材料:
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利475-500bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回11月7日(木)公表:据え置き0.0→1.8%、25bps引き下げ99.5→98.2%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:11月十字線形成中。レンジ。
  • 週足:11/4週、陰線形成中。上昇トレンド。ダウ転換シグナル付近。
  • 日足:11/4下ヒゲピンバー陰線。レンジ下限付近。
  • 4H足:下降チャネル。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足押し安値151.058付近へ下落→転換上昇→目標日足安値151.535
(B)日足高値152.576かつ4H足20MAをダウ上昇→目標4H足戻り高値152.969

②Short
(C)4H足戻り高値152.342付近へ上昇→転換下落→目標4H足押し安値151.828
(D)日足安値151.535をダウ下落→目標4H足押し安値151.058

本日:1勝0敗、+38.3pips
11月通算:1勝2敗、勝率33.3%、RR2.02 、+3.1pips

(Trading View)

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