2025年7月17日(木)ドル円戦略と結果

ファンダメンタルズ分析
テクニカル分析
1. トレードシナリオと結果

ファンダメンタルズ分析

注目材料

１．経済指標
・日本通関ベース貿易収支
・米国輸入、輸出物価指数
・米国フィラデルフィア連銀景況指数
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国小売売上高

２．要人発言
・米国トランプ大統領
・FRB

３．その他
・G20財務相中央銀行総裁会議（7/17～18）
・台湾主要企業決算
・米国主要企業決算
・地政学リスクオフ（イスラエル・イラン、ウクライナ・ロシア）

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)

東京マーケット前

7:11～要人発言
米国トランプ大統領

7:30～要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁（2025年FOMC投票権あり）
：政策スタンスは中立。
ＮＹ連銀総裁、現行の景気抑制的姿勢「極めて適切」－関税の影響増大（Bloomberg）

【考察】タカ派発言

8:50 経済指標
日本通関ベース貿易収支（輸出額から輸入額を差し引いた収支）
貿易赤字拡大は実需の円売り材料。
季調前：前回-6376億円（改定-6386）、予想3370億円、結果1531億円（△）
季調済：前回-3055億円（改定-2916）、予想-2750億円、結果-2355億円（◎）

東京マーケット(9:00~15:30)

11:14～要人発言
青木官房副長官
長期金利の国民生活への影響注視、為替動向を憂慮＝青木官房副長官（Reuters）

【考察】円安牽制発言

14:35 台湾主要企業決算
TSMC
売上高：前回8392.54億台湾ドル、予想9284.84億台湾ドル、結果9337.92億台湾ドル（◎）
EPS：前回13.94台湾ドル、予想14.55台湾ドル、結果15.36台湾ドル（◎）

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数
米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標。
基準0、前回-4.0（改定-）、予想-0.3、結果15.9（◎）

21:30 経済指標
米国輸入物価指数
前月比：前回0.0%（改定-0.4）、予想0.2%、結果0.1%（△）
前年比：前回0.2%（改定-0.2）、予想0.3%、結果-0.2%（△）

米国輸出物価指数
前月比：前回-0.9%（改定-0.6）、予想0.0%、結果0.5%（◎）
前年比：前回1.7%（改定1.9）、予想1.9%、結果2.8%（◎）

21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
前回22.7万件（改定22.8）、予想23.2万件、結果22.1万件（◎）

米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
前回196.5万件（改定195.4）、予想196.4万件、結果195.6万件（○）

21:30 経済指標
米国小売売上高
個人消費が米国GDPの約2/3を占めており、その動向を表す小売売上高の注目は高い。米国個人消費や米国消費者信頼感とも相関性があることからも重要な指標。特にコア指数が重要視されます。
（発表日; 1/16, 2/14, 3/17, 4/16, 5/15, 6/17, 7/17）
総合前月比：前回-0.9%（改定-）、予想0.2%、結果0.6%（◎）
コア前月比（自動車やガソリンなど価格変動が大きい項目を除外）：前回-0.3%（改定-0.2）、予想0.3%、結果0.5%（◎）
コントール前月比（自動車、ガソリン、外食、建築資材など、ボラティリティの高い項目をさらに広範囲に除外）：前回0.4%（改定0.2）、予想0.3%、結果0.5%（◎）

22:15～要人発言
米国クーグラーFRB理事
：政策スタンスは中立。

【考察】タカ派発言

26:30～要人発言
米国クックFRB理事
：政策スタンスは中立。

【考察】

29:09 米国主要企業決算
ネットフリックス
売上高：前回105.4億ドル、予想億ドル、結果億ドル（）
EPS：前回6.61ドル、予想ドル、結果ドル（）

＜まとめ＞
東京マーケット
日足始値147.83
取引開始後に日通し安値147.73を付けると、米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁のタカ派発言、7/20投開票の参院選動向調査で自公過半数割れの可能性報道を受けた政情不安・財政拡張懸念で日通し高値148.75へ上昇して引けました。

【日本市況】円安加速、トランプ氏がＦＲＢ議長解任を否定－株式上昇（Bloomberg）

欧米マーケット
欧州オープン後、日通し高値148.84を付けて揉み合っていましたが、米国フィラデルフィア連銀景況指数、米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数、米国小売売上高（強）で日通し高値149.09へ上昇。
しかし、前日の様なパウエルFRB議長解任をサプライズ報道や発言への警戒感のためか
日足終値

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

＜ドル＞
買い材料：
・米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、米国クーグラーFRB理事のタカ派発言
・米国フィラデルフィア連銀景況指数、米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数、米国小売売上高（強）

売り材料：
・米ドル回避の取引需要、アジアの金融機関で拡大－貿易摩擦の強まりで（Bloomberg）
・米国トランプ関税→貿易戦争激化→ドル信認低下
ドルが新たな「犠牲者」に－世界的な貿易戦争激化で信認脅かされる（Bloomberg）

＜円＞
買い材料：
・青木官房副長官の円安牽制発言

売り材料：
・2025年6月調査想定為替レート上期145.87、下期145.56（日本銀行、短観）以上推移→日本企業業績改善（円キャリー促進）
・構造的円売り（日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（航空燃料不足、パイロット不足、クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）

（Currency Strength Chart）