ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/29の欧米マーケット影響
米国PCEデフレータは強弱混在。弱い数値の影響強く、かつ同刻発表の米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数の弱い数値でドル円下落。
更に米国中古住宅販売成約指数、米国シカゴ購買部協会景気指数の弱い数値で日足安値149.21へ急落。
しかし、月末ロンフィクの掛けてのドル買い需要、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言よって150.05へ急反発。米国PCEデフレータからの下落は全戻し上昇。
その後、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のハト・タカ派発言と米国メスター・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言でドル円揉み合い。
日足終値149.99
(2)経済指標
・米国PMI確報値(製造業)
・米国建設支出
・米国ISM製造業景気指数
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測
(3)要人発言
・政府日銀要人
・FRB要人
(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・IMM通貨先物ポジション
・中東地政学リスクオフ
本日注目材料は3点。
①米国経済指標
注目度の高い指標が続きますが、特に米国ISM製造業景気指数が重要。強い数値なら素直にドル円上昇、弱い数値なら下落は一時的で上昇に転じやすいと推測します。但し、151円台からは政府・日銀為替介入警戒感が一気に高まりロング勢利確も入りやすくドル円上昇から急落もあり得ます。
一方で下値150.00付近は固く押し目買いも入りやすいことから、弱い数値で150.00付近へ下落すれば押し目買いの好機と言えそう。
②FRB要人発言
米国経済指標を受けての発言に注目ですがタカ派発言が出やすい環境であることから、ドル円上昇を後押しすると推測します。
③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
10:27~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスは中立。前回2/28タカ派発言
(過去の発言:11/16, 11/28, 11/30, 12/15, 1/10, 1/17, 2/23, 2/28, 3/1)
ウィリアムズNY連銀総裁、年内利下げの可能性をあらためて示す(Bloomberg)
【考察】市場の初回利下げ観測5月に対して、年後半利下げはタカ派発言。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:29~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはタカ派。前回2/21タカ派発言。
(過去の発言:12/19, 1/3, 1/5, 1/11, 2/7, 2/8, 2/12, 2/16, 2/21, 3/1)
【FRB高官発言】米金融当局は市場と闘ってはいない-バーキン総裁(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
23:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:2/21, 3/24, 4/21, 5/23, 6/23, 7/24, 8/23, 9/22, 10/24, 11/24, 12/15, 1/24, 2/22)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回51.5、予想51.5、結果52.2(◎)
24:00 経済指標
米国建設支出
前月比:前回0.9%(改定)、予想0.2%、結果-0.2%(×)
24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(過去の速報値発表日;2/10, 3/17, 4/14, 5/12, 6/16, 7/14, 8/11, 9/15, 10/13, 11/10, 12/8, 1/19, 2/16)
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。
前回79.6、予想79.6、結果76.9(×)
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回3.0%、予想3.0%、結果3.0%(○)
5年先:前回2.9%、予想2.9%、結果2.9%(○)
24:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数:景気の先行指標として注目度大(
Institute for Supply Management)
(発表日; 3/1, 4/3, 5/1, 6/1, 7/3, 8/1, 9/1, 10/2, 11/1, 12/1, 1/3, 2/1, 3/1)
基準50、前回49.1(改定)、予想49.4、結果47.8(×)
・仕入価格:前回52.9、予想53.5、結果52.5(×)
・新規受注:前回52.5、予想、結果49.2(×)
・雇用:前回47.1、予想、結果45.9(×)
米ISM製造業景況指数、予想外に低下-受注と生産が縮小圏に(Bloomberg)
【考察】
発表前:FRB要人タカ派発言、米国PMI確報値製造業(強)で上昇。
発表後:全て弱い数値。ドル円急落。
24:08~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスは中立。前回2/29タカ派発言
(過去の発言:1/11, 1/12, 1/19, 2/2, 2/5, 2/14, 2/29, 3/1)
「住宅インフレ監視が必要」
「政策金利は制限的」
【考察】金利見通しへのコメントなし。
24:17~要人発言
米国ウォラーFRB理事
:政策スタンスは中立。前回2/23タカ派発言
(過去の発言:11/7, 11/28, 1/16, 2/14, 2/15, 2/23, 3/1)
FRBの資産縮小巡る決定、金融政策と関連せず=ウォラー理事(Reuters)
【考察】金利見通しへのコメントなし。
24:15~要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスはタカ派。前回2/9タカ派発言
(過去の発言:10/9, 10/20, 11/7, 11/10, 1/7, 2/9, 3/1)
【考察】金利見通しへのコメントなし。
26:24~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスはハト派。前回2/29タカ派発言。
(過去の発言:1/8, 1/18, 1/19, 2/5, 2/9, 2/16, 2/28, 2/29, 3/1)
「インフレ進展の仕事は終わっていない」
「インフレが戻りつつある証拠をもっと見たい」
【考察】タカ派発言
27:30~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスは中立。前回2/29ハト派発言
(過去の発言:11/10, 11/15, 11/17, 11/30, 12/18, 1/19, 2/16, 2/29, 3/1)
【考察】金利見通しへのコメントなし。
29:30 経済指標
IMM通貨先物2/27時点(ポジション推移)
円ショート大幅拡大
【考察】売り材料
29:21~要人発言
米国クーグラーFRB理事
:2023年9月就任以降、情報発信不足で政策スタンス不明。前回2/7タカ派発言
(過去の発言:2/7, 3/1)
【FRB高官発言】ディスインフレ進行、慎重ながら楽観-クーグラー氏(Bloomberg)
【考察】金利見通しへのコメントなし。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値149.99
取引開始直前の植田日銀総裁ハト派発言の影響引き継ぎ、米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁のタカ派発言で東京高値150.48へ上昇
きょうの国内市況(3月1日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後、日通し高値150.69へ上昇すると日足実体上限150.70でロング勢利確や戻り売りで150.31へ急落。しかし1H足押し安値150.33付近につき押し目買い入り、原油先物価格上昇につれ150.66へ反発上昇。
更に米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言と米国PMI確報値(製造業)の強い数値で日足高値150.72へ上昇。
その直後、米国建設支出、米国ISM製造業景気指数・仕入価格、米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値の弱い数値により150.08へ急落。引けに掛けては米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言もあり揉み合い。
日足終値150.14
【米国市況】S&P500種、今年15回目の最高値更新-150円台前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル売買交錯
買い:米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、米国バーキン・リッチモンド連銀総裁、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言、米国PMI確報値(製造業)の強い数値、原油先物価格上昇
売り:米国建設支出、米国ISM製造業景気指数、米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値の弱い数値
・円売り優勢
買い:
売り:取引開始直前の植田日銀総裁ハト派発言の影響引き継ぎ、日本株上昇リスクオン、原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ4.0%、据え置き96.0%
5月1日公表:25bp引き下げ18.0%、据え置き81.4%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:2/26週、陰線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近から戻り売り強く滞留。
- 日足:2/29下長ヒゲ大陰線。押し安値へ急落から急反発。よって3/1は押し目買い優位
- 4H足:レンジ。BB-1σ付近。
- 1H足:レンジ。20MA付近。
- 15M足:レンジ。20MA付近。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス150.097をダウ上昇→目標4H足レジスタンス150.267
②ショート
(B)4H足レジスタンス150.267付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート150.097
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