2024年9月24日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・米国住宅価格指数
・米国S&Pケースシラー住宅価格指数
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
・米国リッチモンド連銀製造業指数
・米国2年債入札

2.要人発言
・植田日銀総裁(大阪経済4団体共催懇談会)
・FRB

3.その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②米国経済成長、③インフレ、④円キャリー取引(促進or巻き戻し)、⑤米国大統領選挙、⑥地政学リスクに分類できます。
・来週の円相場は神経質な展開か、自民党総裁選で上下に振れるリスク(Bloomberg
・【債券週間展望】長期金利低下へ、米金利低下や40年債入札を楽観視(Bloomberg
・【日本株週間展望】戻り試す、米景気懸念が和らぐ-自民総裁選も注視(Bloomberg

5.本日の注目材料
(1)9/23(月)マーケット影響
米国PMI速報値(強弱)交錯、FRB要人タカ派・ハト派発言交錯からドル円乱高下となりました。総じて9/20NYマーケット中の動きと同様。
本日も強い株上昇(円キャリー促進)あればドル円上昇、株軟調や下落ならドル円揉み合いや下落を想定します。

(2)米国経済指標
注目度の高い指標が続きます。FOMC通過後の注目された経済指標を見るとドル円への影響は一時的となりました。よって、PMI速報値も初動で大きく動いても、全戻しや揉み合いへの移行に注意したい。

9/19(木)
・米国フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)→ドル円上昇。但し、一時的。
・米国景気先行指数(強)、中古住宅販売件数(弱)交錯→ドル円下落から揉み合い。

9/23(月)
・米国PMI速報値サービス業・総合(強)、製造業(弱)→ドル円上昇から全戻し

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

10:04~要人発言
中国人民銀、広範な景気刺激策発表-不動産・株式市場をてこ入れへ(Bloomberg

【考察】中国景気回復期待のリスクオン波及

14:05~要人発言
植田日銀総裁(大阪経済4団体共催懇談会)
(発言:7/318/239/3, 9/20, 9/24)
:前回9/20ハト派発言
物価上振れリスク減少、政策判断に時間的な余裕ある-植田日銀総裁(Bloomberg

【考察】ハト派発言。9/20日銀会合後の会見と同様でしたが、材料を探していた市場参加者に利用されドル円上昇

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

22:00 経済指標
米国住宅価格指数
前月比:前回-0.1%(改定0.0)、予想0.2%、結果0.1%(△)

22:00 経済指標
米国S&Pケースシラー住宅価格指数
前月比:前回0.42%(改定)、予想0.40%、結果0.27%(×)
前年比:前回6.47%(改定6.54)、予想5.90%、結果5.92%(○)

【考察】強弱混在。

22:00~要人発言の影響
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:8/11(休場中)8/20, 9/20, 9/24)
:政策スタンスは中立。前回9/20タカ派発言
ボウマン理事、インフレリスクは残っている-米当局は物価注視を(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円上昇するも、下落勢いに押され全戻し

23:00 経済指標
米国リッチモンド連銀製造業指数
基準0、前回-19、予想-12、結果-21(×)

23:00 経済指標
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
米国ミシガン大学消費者信頼感指数と同様、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する重要指標。
前回103.3(改定105.6)、予想103.9、結果98.7(×)

【考察】サプライズの弱い数値。ドル円急落継続。

26:00 経済指標
米国2年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもある。

発行額(Offering Amount):690億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回3.874%、結果3.520%(◎)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.68倍、結果2.59倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回69.9%、結果67.6%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.60bps、結果0.00bps(×)。3.520-3.520=0.000
WI:3.520%

【考察】総じて入札不調

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値143.54
前日欧米マーケットの影響を引き継ぎ、東京序盤までは日通し高値143.91から日通し安値143.38間を乱高下。
週足下降トレンド、日足上昇トレンド、4H足上昇チャネル、1H足下降チャネルと時間足の方向性が定まっておらず揉み合いやすい環境も乱高下の要因。
しかしながら、中国人民銀の景気刺激策発表からのリスクオン、植田日銀総裁のハト派発言により、日通し高値144.20へ上昇して引けました。
(1H足下降チャネルの上限ブレイクし、4H足上昇チャネルの流れに合流。1H足・4H足・日足上昇の流れ)

【日本市況】長期金利1カ月超ぶり低さ、日銀利上げ観測後退-円安も(Bloomberg

欧米マーケット:
東京マーケットの流れを引き継いで欧州オープン直後には、日足高値144.68へ上昇。
ところが、リスクオン(欧州株買い、欧米債券売り)・原油先物価格上昇が続く中、強いドル売り発生。明確な材料ないことから投機筋等の月末ポジション調整(推測)で、9/23日足高値144.46付近からの戻り売りによって143.79へ急落しました。

その後、米国住宅価格指数(弱)、米国S&Pケースシラー住宅価格指数(強弱)、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言のタカ派発言で揉み合いました。
更に、リスクオン米国株上昇(円キャリー促進)するも、米国コンファレンスボード消費者信頼感指数(弱)・米国リッチモンド連銀製造業指数(弱)を受けると引けに掛けて下落継続し、日足安値143.12を付けました。
日足終値143.22
(日足20MA付近で4H足上昇チャネル形成)

【米国市況】S&Pは最高値、エヌビディアが急伸-ドル143円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国ボウマンFRB理事のタカ派発言
・米国2年債入札(弱)
・原油先物価格上昇→インフレ懸念

売り材料:
・米国住宅価格指数、米国コンファレンスボード消費者信頼感指数、米国リッチモンド連銀製造業指数(弱)
・月末、四半期末ポジション調整(推測)

<円売り優勢>
買い材料:
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化・株下落懸念(円キャリー巻き戻し)

売り材料:
・中国人民銀の景気刺激策→リスクオン
・植田日銀総裁のハト派発言
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
円は逆風に直面、FRB大幅利下げ効果も相殺か-海外投資や低利回り(Bloomberg

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利475-500bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回11月7日(木)公表:25bps引き下げ47.0→39.3%、50bps引き下げ53.0→60.7%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利400~425bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:9月陰線形成中。レンジ。押し安値付近。
  • 週足:9/23週、陰線形成中。下降トレンド中の調整波に相当。
  • 日足:9/23陰線。20MA、下降チャネルを上抜けて上昇トレンド。
  • 4H足:上昇チャネル。
  • 1H足:下降チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値142.860付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ安値143.338
(B)4H足戻り高値143.776かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レンジ高値144.255

②Short
(C)4H足戻り高値143.776付近へ上昇→転換下落→目標4H足レンジ安値143.338
(D)4H足レンジ安値143.338かつ4H足20MAをダウ下落→目標1H足レンジ高値142.860

本日:1勝0敗、+36.9pips
9月通算:16勝11敗、勝率59.3%、RR1.99 、+235.3pips

(Trading View)

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