ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・米国PMI速報値
2.要人発言
・FRB
3.その他
・日本秋分の日の振替え休日
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②米国経済成長、③インフレ、④円キャリー取引(促進or巻き戻し)、⑤米国大統領選挙、⑥地政学リスクに分類できます。
・来週の円相場は神経質な展開か、自民党総裁選で上下に振れるリスク(Bloomberg)
・【債券週間展望】長期金利低下へ、米金利低下や40年債入札を楽観視(Bloomberg)
・【日本株週間展望】戻り試す、米景気懸念が和らぐ-自民総裁選も注視(Bloomberg)
5.本日の注目材料
(1)9/20(金)マーケット影響
植田日銀総裁の利上げ慎重姿勢のハト派発言から円売りは継続しやすいですが、FRB要人タカ派・ハト派発言からドル買い・ドル売り交錯しています。
強い株上昇(円キャリー促進)あればドル円上昇、株軟調や下落ならドル円揉み合いや下落を想定します。
(2)米国経済指標
注目は米国PMI速報値です。FOMC通過後の注目された経済指標を見るとドル円への影響は一時的となりました。よって、PMI速報値も初動で大きく動いても、全戻しや揉み合いへの移行に注意したい。
9/19(木)
・米国フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)→ドル円上昇。但し、一時的。
・米国景気先行指数(強)、中古住宅販売件数(弱)交錯→ドル円下落から揉み合い。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
20:00~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:6/3, 6/16, 6/20, 8/19, 9/23)
:政策スタンスはタカ派。前回8/19ハト派、景気減速懸念発言
ミネアポリス連銀総裁、年内さらに0.5ポイントの大幅利下げを支持(Bloomberg)
【考察】ハト・タカ派交錯するも、「インフレ勝利宣言は時期尚早」とのタカ派発言材料視。
21:00~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:8/13, 8/23, 8/29, 9/4, 9/23)
:政策スタンスはハト派。前回9/4タカ派発言
アトランタ連銀総裁、大幅利下げの利点を指摘もペース確約には否定的(Bloomberg)
【考察】「インフレ再燃懸念」「大幅利下げ継続否定」のタカ派発言
22:45 経済指標
米国PMI速報値
(速報値発表日:1/24, 2/22, 3/21, 4/23, 5/23, 6/21, 7/24, 8/22, 9/23)
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回47.9、予想48.4、結果47.0(×)
サービス業:前回55.7、予想55.1、結果55.4(○)
総合:前回54.6、予想54.0、結果54.4(○)
【考察】強弱混在。サービス業・総合(強)が材料視されてドル上昇
23:12~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(発言:8/2, 8/5, 8/8, 8/16, 8/23, 9/6, 9/23)
:政策スタンスは中立。前回9/6ハト派、景気減速懸念発言
シカゴ連銀総裁、向こう1年で「もっと多くの」米利下げを見込む(Bloomberg)
【考察】大幅利下げ支持のハト派発言
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値143.94
取引開始後、日通し安値143.70を付けると9/20植田日銀総裁ハト派発言の影響から日通し高値144.46へ上昇。
しかし、東京マーケット祝日休場で動意薄く、9/20日足高値144.50ブレイク失敗すると、144.10へ下落して引けました。
(日足20MA・下降チャネル上限・レンジ安値143.95付近で、1H足レンジ形成)
欧米マーケット:
欧州オープンすると、欧州圏・英国PMI速報値(製造業・サービス業)が軒並み弱い数値となり、欧州・英国景気減速懸念から、ユーロ・ポンド売りのドル買い・円買い発生。円買いがドル買いより強く、日足安値143.17へ下落。
その後、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言、米国PMI速報値サービス業・総合(強)を受けて144.35へ上昇するも、米国PMI速報値製造業(弱)、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のハト派発言で下落。
更に原油先物価格の乱高下も加わり、ドル円も乱高下で引けとなりました。総じて9/20NYマーケット中の動きと同様。
日足終値143.60
(日足上昇トレンド戻し内部で1H足下降チャネル形成)
【米国市況】S&P500種イコールウエートが最高値、ドル143円台後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言
・米国PMI速報値:サービス業・総合(強)
売り材料:
・米国PMI速報値:製造業(弱)
・米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のハト派発言
<円売買交錯>
買い材料:
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以下推移→日本企業業績悪化・株下落懸念(円キャリー巻き戻し)
売り材料:
・9/20植田日銀総裁のハト派発言
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:25bps引き下げ49.6→50.5%、50bps引き下げ50.4→49.5%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利400~425bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:9月陰線形成中。レンジ。押し安値付近。
- 週足:9/16週、大陽線包み足確定。下降トレンド中の調整波に相当。
- 日足:9/20陽線。20MA、下降チャネル上限、レンジ安値付近
- 4H足:上昇チャネル。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足戻り高値143.150付近へ下落→転換上昇→目標1H足押し安値143.655
(B)4H足押し安値142.166付近へ下落→転換上昇→目標日足戻り高値143.150
②Short
(C)1H足押し安値143.655かつ1H足20MAをダウ下落→目標日足戻り高値143.150
(D)日足戻り高値143.150かつ4H足20MAをダウ下落→目標4H足押し安値142.166
本日:0勝2敗、-41.7pips
9月通算:15勝11敗、勝率57.7%、RR1.97 、+198.4pips
コメント