2024年10月28日(月)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

1.経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・米国2年債入札
・米国5年債入札

2.要人発言
・政府円安牽制発言
日銀ブラックアウト期間(10/28~10/31)
・FEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:10/26~11/8)につき

3.その他
・日銀会合関連リーク報道
・欧州マーケット冬時間入り
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)

4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
・来週の円相場は荒い動き、衆院選後の不確実性警戒-米大統領選も迫る(Bloomberg
・【債券週間展望】長期金利上昇か、財政懸念と米金利高で超長期債安い(Bloomberg
・【日本株週間展望】小幅に自律反発、日銀会合など控え投資家に慎重さ(Bloomberg

5.本日の注目材料
(1)日本衆議院選挙、与党過半数割れ影響
円が対ドルで下落、一時153円台-衆院選は自公過半数割れ(Bloomberg

下記、(a), (b)を考えますが、(b)ドル円上昇優勢と推測します。
(a)日本政情不安→リスクオフ円買い主導のドル円下落
(b)日本政情不安→日本トリプル安(株安、債券安、円安)、日銀追加利上げ観測後退→円売り主導のドル円上昇

(2)米国経済指標
注目度の高い指標なし

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション
2024年9~10月、日銀国債買いオペ通知日のドル円動きまとめ
(発表日:9/49/69/119/189/2510/210/710/11, 10/18, 10/28)
3~5年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
5~10年債:前回3750億円、予想3750億円、結果3750億円(○)
10~25年債:前回1500億円、予想1500億円、結果1500億円(○)
物価連動債:前回600億円、予想600億円、結果600億円(○)

【考察】
発表前:日本衆議院選挙での与党過半数割れを受けた日本政情不安による日銀追加利上げ観測後退でドル円急騰。
発表後:据え置き。ドル円上昇継続。

14:11~要人発言
石破首相が続投に意欲、経済対策で「党派を超えて政策取り入れる」(Bloomberg

【考察】円売り材料であるものの、7/31(水)日銀会合公表タカ派で付けた日足高値153.91直前への急騰で、政府日銀の強い口先介入への警戒感が高まったためかドル円もみ合い。

欧州マーケット(17:00~26:00)、冬時間開始
NYマーケット(22:30~29:00)

24:30 経済指標
米国2年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもある。

発行額(Offering Amount):690億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回3.520%、結果4.130%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.59倍、結果2.50倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回67.6%、結果58.2%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回0.00bps、結果+0.80bps(×)。4.130-4.122=0.008
WI:4.122%

【考察】入札不調。ドル円上昇。

26:00 経済指標
米国5年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

発行額(Offering Amount):700億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回3.519%、結果4.138%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.38倍、結果2.39倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回70.3%、結果76.4%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回0.0bps、結果+1.6bps(×)。4.138-4.122=0.016
WI:4.122%

【考察】入札不調。ドル円上昇。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値153.21
取引開始直後から、日本衆議院選挙での与党過半数割れを受けた日本政情不安による日銀追加利上げ観測後退でドル円急騰。更に日銀国債買入オペ通知据え置きも加わり日足高値153.88へ上昇。
一方、7/31(水)日銀会合公表タカ派で付けた日足高値153.91直前への急騰で、政府日銀の強い口先介入への警戒感が高まったためか、ロング勢利確も入り揉み合いで引けました。

【日本市況】円一時1%安、政局不透明で153円台-株は反発、債券安(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、東京マーケットの流れを引き継ぎ、原油先物価格下落、月末ポジション調整と推測されるドル売り・円買いが強まり日足安値152.41へ急落。

しかし、NYオープンすると先週同様のトランプトレード、更に米国2年債入札(弱)、米国5年債入札(弱)でドル円上昇継続して引けました。
日足終値153.30

【米国市況】株上昇、決算と大統領選に備え-円は対ドル153円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国2年債入札(弱)、米国5年債入札(弱)
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)影響:Real Clear Politicsの大統領勝利確率は、トランプ氏61.1%、ハリス氏37.5%。

売り材料:
・原油先物価格下落

<円売り優勢>
買い材料:
・原油先物価格下落

売り材料:
・日本衆議院選挙での与党過半数割れ→日本政情不安→日銀追加利上げ観測後退
・日銀、国債買入オペ通知:据え置き
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利475-500bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回11月7日(木)公表:据え置き4.9→3.6%、25bps引き下げ95.1→96.4%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレードシナリオと結果

  • 月足:10月陽線形成中。レンジ。三尊右肩付近。
  • 週足:10/21週、陽線確定。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
  • 日足:10/24陽線。上昇トレンド。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:上昇トレンド。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ高値152.008付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ高値152.301
(B)日足高値152.382をダウ上昇→目標日足レンジ高値152.674

②Short
(C)日足レンジ高値152.674付近へ上昇→転換下落、1H足20MAをダウ下落→目標1H足レンジ高値152.008
(D) (C)後、1H足レンジ高値152.008をダウ下落→目標4H足レンジ安値151.701

本日:シナリオ外のためトレードなし
10月通算:17勝15敗、勝率53.1%、RR1.93 、+191.6pips

(Trading View)

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